紅葉の谷川岳~魔の山の厳しい洗礼~

2022.10.08(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
6 時間 9
休憩時間
11
距離
11.5 km
のぼり / くだり
1488 / 1490 m

活動詳細

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2022年10月8日、日本百名山の谷川岳に登りました。谷川岳(1977m)は「一ノ倉沢」などの難易度の高い岩壁を擁する険しい山でもあり、ロープウェイを利用して比較的気軽に登れる山でもあります。遭難による死者数が世界一であることや、中央分水嶺のため急激に天候が変化することから「魔の山」と呼ばれています。 今回は、日本三大急登の一つ「西黒尾根」から「トマの耳(1963m)」と「オキの耳(1977m)」の二つの山頂を目指し、下山は最もメジャーなルートである「天神尾根」を下り、ロープウェイで戻る周回ルートを歩きました。 魔の山と呼ばれるだけあり、天気予報は大外れ。終始風雨の中の行動となりました。そのため途中からカメラは防水のGoproのみを使用、スマホはザックにしまったのでロープウェイ区間もYAMAPを止めておりません。活動時間は参考になさらないでください。 【お知らせ】 登山道の様子やルート詳細の解説動画を公開しました。紅葉に染まる登山道の様子や、激しい風雨にさらされながら岩稜を登る様子などをリアルにお伝えしています。ぜひご覧ください。 ★【ルート解説】谷川岳~魔の山の厳しい洗礼~ 西黒尾根・天神尾根周回コース【日本百名山】 https://youtu.be/grKqcDT__2s ★ひとり登山チャンネル https://www.youtube.com/channel/UCMIE12AHq1elXrToA88tqAg 【登山口までのアクセス】 関越自動車道を水上ICで降り、国道291号線を20分走って「谷川岳インフォメーションセンター駐車場」へ向かいます。その道中には24時間営業のコンビニやスーパー、道の駅、食べ物屋、温泉旅館などが立ち並んでいます。水上は山間の集落としてはとても栄えた印象です。 国道を奥へと進んで行くと、462段の階段で有名な土合駅があります。駅前は無料駐車場になっていますが、駅前なのに砂利敷きなのがなんとも個性的です。土合駅と上越線の踏切を過ぎて少し登ると、左手に谷川岳インフォメーションセンター駐車場が出てきます。 この駐車場から国道を数分歩き橋を渡るとロープウェイの土合口駅に到着。国道はここで一般車両通行止めとなります。駅の少し先にある登山指導センターを過ぎ、10分ほど登ると左手に登山口が出てきます。 【駐車場情報】 ★谷川岳インフォメーションセンター駐車場 無料 200台程駐車可 アスファルト舗装 地面は水平 ウォシュレット付きトイレあり(5月下旬~11月中旬) 売店や 自販機なし ロープウェイ乗り場まで車道を数分歩く https://tanigawa-ic.com/ ★谷川岳ロープウェイ駐車場 500円 1500台駐車可 繁忙期以外は夜間入場やトイレ利用可 車中泊も可 ロープウェイ営業中は売店や食堂もあり 【ロープウェイ情報】 大人往復:2100円 大人片道:1250円 平日8:00~17:00 土日祝:7:00~17:00 冬季:8:30~16:30 3分間隔でゴンドラ発車 片道約15分  http://www.tanigawadake-rw.com/index.php 【ルート概要】 ①西黒尾根登山口~ラクダの背(CT:2時間半) 登山口から稜線に出るまで続く西黒尾根は日本三大急登の一つ。3㎞の距離で約1100mの標高差を登る厳しい道のりです。 登山口からすぐに岩だらけの急登が始まります。標高差100mほど登ると電線の鉄塔が出てきて、水上方面の山々が少し眺められます。そこからさらに250mほど登ると、看板が立っているピークに辿り着きます。看板には「谷川岳山頂3時間」と記されています。そのピークから少し下りになり、20mほど下ると平坦なコルに出ます。そこから西黒沢を挟んだ向こうの尾根の上に天神平の建物が見えます。 コルを過ぎるとさらに急登が続きます。ブナなどの広葉樹の森の中の登りで展望はほとんどありませんが、時々北側の木の隙間から谷川岳山頂直下の岩壁が少し見えます。南側の森が切れ、水上方面の山々が見えるポイントもあります。 標高1400mの付近で森林限界を越え、尾根が急に細くなり、紅葉した低木に彩られた険しい岩稜歩きが始まります。展望も一気に開け、谷川岳の岩壁やマチガ沢の圧倒的な景色が一望できます。森林限界を越えるとすぐに1つ目の鎖場が出てきます。8mほどの長さがある滑りやすい岩場です。ここから3つの鎖場を登り切ると「ラクダの背」というピークに到着します。少し広くなっているので休憩にも適しています。この付近からは谷川岳のトマの耳とオキの耳の絶景が見られます。 ②ラクダの背~肩ノ小屋(CT:1時間20分) ラクダの背から少し下ると右に分岐が出てきます。ここを「ガレ沢のコル」といい、マチガ沢沿いに登る「厳剛新道」が合流します。ガレ沢のコルからごつごつした岩登りになります。黄色いペンキのマーキングから外れないように登っていきます。ロープや鎖の設置された岩場もあります。 左上方に見えるポッコリした「ザンゲ岩」に向かって登っていくと、氷河の浸食によって削り出されたと言われるツルツルした巨大な一枚岩が出てきます。スリップに気を付けて登ります。 岩場を登り切ると、背の低い笹に囲まれたなだらかな道になり、三角形の鉄のやぐらのような道標が出てきます。目の前に見える稜線に登り切ると、分岐となるケルンに到着します。ロープウェイで登って来た方も多く、ここから人が一気に増えます。この分岐を右に行けば10分ほどで直接山頂に行けますが、あまりにも風雨が強くなり、一旦荷物を整理したかったので、分岐から左に数分下ったところにある「肩ノ小屋」へお邪魔しました。 群馬県によって建てられた肩ノ小屋は1階が休憩室(休憩無料)、2階が寝室(2食付き7000円、素泊まり2000円、要予約)になっていて、裏にトイレもあります。とてもいい雰囲気でしたが、多くの登山者の方が避難してきており入口付近が混雑していました。天候が非常に悪いためこのまま下山することも考えましたが、様子を見ながら山頂を目指すことにしました。 ③肩ノ小屋~オキの耳(CT:30分) 肩ノ小屋から10分ほど登ると一つ目の山頂「トマの耳(1963m)」に到着します。さらに稜線を10分ほど歩くと谷川岳最高峰の「オキの耳(1977m)」に登頂することができます。 晴れていれば山頂からは360度の大パノラマが広がります。谷川連峰の美しい稜線や、巻機山や苗場山、至仏山や赤城山などの山々が見渡せます。オキの耳から稜線をさらに進むと一ノ倉沢の直上の稜線を歩くことができます。天気が良ければ一ノ倉岳まで往復することも考えていましたが、この日はガスで真っ白な上、風雨が弱まる気配がなかったため、すぐに下山を開始しました。 ④オキの耳~熊穴沢避難小屋(CT:1時間20分) オキの耳から肩ノ小屋までは来た道を戻ります。肩ノ小屋から熊穴沢避難小屋の分岐までは標高差約450m。比較的緩い傾斜の所もありますが、滑りやすい岩場や段差の大きな岩も数多く出てきます。濡れた岩や鉄の階段で足を滑らせ尻もちをついていた方も見かけました。特に下山時は注意が必要です。また、初心者から上級者まで多くの登山者がすれ違い、渋滞が発生します。登り優先を基本にしながらも譲り合って歩く必要があります。 ロープウェイを使えば初心者でも登れる「近くてよい山」という触れ込みの天神尾根ルートですが、なだらかな稜線歩きをイメージして来た方は、現実とのギャップに驚くかもしれません。ただ、手軽に森林限界を越えた展望抜群の稜線を歩ける上、周りの低木が見事に紅葉していたので、晴れていれば最高の登山ルートであることは間違いありません。紅葉シーズンが人気なのも納得です。 この区間のちょうど中間にある大きな岩は「天狗の留まり場」と呼ばれています。岩の上に登ると、素晴らしい展望が楽しめます。 ⑤熊穴沢避難小屋~天神平駅(CT:1時間) 天狗の留まり場から下ること30分、右手に小さな赤い避難小屋が出てきます。ここを右に行くと「二俣」に下る「いわお新道」です。ロープウェイ駅のある「土合」とは山脈を挟んで反対側の沢に下ることになりますので、間違えて右折しないようにしましょう。 避難小屋を左に見ながら「天神平」の標示に従って進みます。ここからは広葉樹林の中の平坦な道が続きます。「熊穴沢ノ頭」の北側を巻きながら左手を見ると、真下には西黒沢の白い流れが、その向こうには谷川岳山頂に向かって急角度でせり上がる西黒尾根が見えます。 しばらく進んでいくと右手に天神山とリフトの駅などが見えます。天神山には天神平からリフトを乗り継いで登ることもできますが、少し先に出てくる分岐を「天神峠」方面に右折すると、20分ほどで歩いていくこともできます。時間に余裕があれば天神山を経由するのもいいかもしれません。 その分岐から10分進むと、今度は左に「田尻尾根コース」への分岐が出てきます。ここから下山するとロープウェイを使わずに駐車場に戻ることができます。(CT:1時間半)ロープウェイが終わってしまった場合もここから徒歩で下山します。私は当初はここから徒歩で下山する計画でしたが、雨と寒さですっかり気が滅入ってしまい、ロープウェイを使って下山することにしました。 田尻尾根分岐から400mほど歩くとロープウェイの「天神平駅」に到着します。天神平は観光客の方であふれていました。ロープウェイで絶景を楽しみながら10数分下り、駅から数分歩いて駐車場に戻りました。 【感想】 てんくらはCのちB、昼からA。その他の天気予報は晴れ。前日からの雨は朝のうちに止む予報だったので、てんくらCやBの判定理由は風が強いためだろうと推測。普段より行動開始を遅らせて様子を見ながら登山を開始しました。ところが、上に行くにしたがって雨脚は強くなり、稜線に出ると強風により横殴りの雨となりました。そのため、途中からカメラは防水のGoproのみを使用し、他のカメラとスマホは袋に入れてザックにしまいました。 楽しみにしていた谷川連峰の稜線の絶景は楽しめず、写真を撮る余裕もほとんどない、辛い山行になってしまいました。ですが、憧れていた西黒尾根を登れたことと、紅葉真っ盛りの稜線を歩けたことは素晴らしい経験となりました。 西黒尾根で登り天神尾根で下る周回ルートは、登りごたえのある素晴らしいルートだと思います。天気の良い日を選んでいつかリベンジしたいと思います。また、冬季もロープウェイが動いているので、冬山登山に挑戦してもいいかもしれません。

谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 インフォメーションセンター駐車場。200台程度 無料 ロープウェイ駅まで徒歩数分
インフォメーションセンター駐車場。200台程度 無料 ロープウェイ駅まで徒歩数分
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 駐車場は眺めもよく、ウォシュレット付きトイレあり 快適に車中泊できた
駐車場は眺めもよく、ウォシュレット付きトイレあり 快適に車中泊できた
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 ロープウェイ駅を通過
ロープウェイ駅を通過
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 この先一般車両通行止め ゲートを越えて歩いていく
この先一般車両通行止め ゲートを越えて歩いていく
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 西黒尾根登山口。稜線まで約3㎞の距離で標高差1100m上がる、日本三大急登の一つ
西黒尾根登山口。稜線まで約3㎞の距離で標高差1100m上がる、日本三大急登の一つ
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 すぐに水場あり。
すぐに水場あり。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 100mほど上がると、鉄塔が出てきて、少し展望が開ける
100mほど上がると、鉄塔が出てきて、少し展望が開ける
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 岩だらけの急登が続く
岩だらけの急登が続く
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 ピークに出た。ここから20mほど下って、そのあとは延々と登り続ける
ピークに出た。ここから20mほど下って、そのあとは延々と登り続ける
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 下ったコルから天神平が見えた。
下ったコルから天神平が見えた。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 延々と続く登り
延々と続く登り
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 水上方面の山々が見える
水上方面の山々が見える
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 これから晴れることを期待して登り続ける
これから晴れることを期待して登り続ける
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 森林限界を越えた。尾根が細くなり、岩場が出てくる
森林限界を越えた。尾根が細くなり、岩場が出てくる
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 鎖場を登って振り返る。急峻な尾根を登ってきたことが分かる
鎖場を登って振り返る。急峻な尾根を登ってきたことが分かる
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 北側には東尾根とマチガ沢の絶景
北側には東尾根とマチガ沢の絶景
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 行く手にそびえる岩峰
行く手にそびえる岩峰
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 雨で濡れ、滑りやすい鎖場
雨で濡れ、滑りやすい鎖場
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 来た道を振り返る
来た道を振り返る
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 稜線の先が見えない
稜線の先が見えない
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 紅葉真っ盛り。時々ガスの合間から山頂らしきピークが見える
紅葉真っ盛り。時々ガスの合間から山頂らしきピークが見える
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 ラクダの背
ラクダの背
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 ラクダの背より、これから進む稜線を望む
ラクダの背より、これから進む稜線を望む
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 聞きしに勝る急登だ
聞きしに勝る急登だ
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 ガレ沢のコルで「厳剛新道」が合流。いかにも険しそうな名前だ
ガレ沢のコルで「厳剛新道」が合流。いかにも険しそうな名前だ
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 素晴らしい紅葉
素晴らしい紅葉
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 ペンキに従って岩場を登る
ペンキに従って岩場を登る
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 上の方ほど紅葉がピークを迎えている。徐々に風雨が激しくなってきた
上の方ほど紅葉がピークを迎えている。徐々に風雨が激しくなってきた
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 強い風雨のため肩ノ小屋に一時避難し荷物整理。田中陽希さんのサインあり
強い風雨のため肩ノ小屋に一時避難し荷物整理。田中陽希さんのサインあり
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 肩ノ小屋内部。休憩無料。宿泊も可。トイレや売店あり
肩ノ小屋内部。休憩無料。宿泊も可。トイレや売店あり
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 オキの耳登頂。トマの耳は写真なし(動画のみ撮影)
オキの耳登頂。トマの耳は写真なし(動画のみ撮影)
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 トマの耳とオキの耳の間の稜線。紅葉と岩が美しい
トマの耳とオキの耳の間の稜線。紅葉と岩が美しい
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 奥に霞んでいるトマの耳に戻る
奥に霞んでいるトマの耳に戻る
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 稜線上は紅葉真っ盛り
稜線上は紅葉真っ盛り
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 カエデが美しい
カエデが美しい
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 肩ノ小屋付近の分岐まで戻ってきた
肩ノ小屋付近の分岐まで戻ってきた
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 天神尾根も紅葉のピーク
天神尾根も紅葉のピーク
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 天狗の留まり場
天狗の留まり場
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 紅葉の天神尾根は悪天候でも大人気
紅葉の天神尾根は悪天候でも大人気
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 西黒沢とその向こうに西黒尾根
西黒沢とその向こうに西黒尾根
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 平坦な木道が続く
平坦な木道が続く
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 木々の間から谷川岳山頂方面を望む。
木々の間から谷川岳山頂方面を望む。
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 南側の展望
南側の展望
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 徒歩で下る「田尻尾根コース」への分岐
徒歩で下る「田尻尾根コース」への分岐
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 ロープウェイで下山。売店なども充実している
ロープウェイで下山。売店なども充実している
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 ロープウェイ土合口駅の券売所
ロープウェイ土合口駅の券売所
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 運賃表
運賃表
谷川岳・七ツ小屋山・大源太山 ここから数分歩いて駐車場へ戻る
ここから数分歩いて駐車場へ戻る

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