草千里ヶ浜(駒立山)-2022-10-07(15)

2022.10.06(木) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
1 時間 18
休憩時間
27
距離
2.3 km
のぼり / くだり
75 / 74 m
26
31

活動詳細

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『艸千里濱』三好達治 --前半部略-- そのかみの思はれ人と ゆく春のこの曇り日や われひとり齡かたむき はるばると旅をまた來つ 杖により四方をし眺む 肥の國の大阿蘇の山 駒あそぶ高原の牧 名もかなし艸千里濱 この詩に初めて出会ったのは、今から40年近く前の高校生の時。 学校で購入した伊藤信吉著『詩のふるさと』の本の中で紹介されていた一編である。 その詩もさることながら、巻頭の口絵の草千里ヶ浜の写真に魅せられてしまった。 山を背景に一面に広がる草原と湖、その緑の美しい様がとても印象的な写真であった。 世の中にはこんな美しい場所があるものなのかと、すっかり心を奪われてしまった。 高校を卒業して都会に出て、テレビも無く身動き出来ないほどの狭いアパート暮らしの苦学生?であった私は、この本だけが私をまだ見ぬ遠い世界へと誘ってくれた。 黒川温泉方面から車でやまなみハイウェイを通って阿蘇に向かうと、外輪山の一角から広大なカルデラが姿を現す。 その中に町が形成されるほど広大なカルデラを、頭の中で理解するには暫し時間が掛かった。 見渡す限りの牧草地、緩やかなサインカーブ状の丘陵地の連なりを抜け、車は阿蘇五岳の方へ上って行く。 すると、突然視界が開け、草千里ヶ浜とおぼしき場所が目に飛び込んで来る。 車を駐車場に停め、YAMAPで地図を開いて、草千里ヶ浜の中央に位置する駒立山へ歩いて行く。 烏帽子岳を正面に見ながら、緩やかな斜面を歩いて行くと、丘の様な駒立山山頂にたどり着く。 見渡す限りの草原、そこに浮かぶ池塘、遠く中岳から湧き立つ噴煙。 そこには長年夢見ていた光景が広がっていました。 ここで高校時代に買った愛読書を広げ、冒頭の詩を朗読することにしました。 人目もはばからず、積年の思いと共に読む詩の何と感慨深いこと。 40年間の夢が叶った瞬間です! 「詩のふるさと」の著者によると、三好達治は1920年頃と1939年頃の2回この地を訪れ、「大阿蘇」と「艸千里濱」の詩をそれぞれ詠んだそうです。 今から百年前のことですが、自分の40年間の思いと錯綜し、実に感慨深い。 三好達治が見た光景と自分が見た光景、思いは異なるであろうが、確かにここに来てこの広大な草原を自分の目で見ているのだ。 『大阿蘇』三好達治 --前半部略-- 馬は草をたべてゐる 艸千里濱のとある丘の 雨に洗はれた青草を 彼らはいつしんにたべてゐる たべてゐる 彼らはそこにみんな靜かにたつてゐる ぐつしよりと雨に濡れて いつまでもひとつところに 彼らは靜かに集つてゐる もしも百年が この一瞬の間にたつたとしても 何の不思議もないだらう 雨が降つてゐる 雨が降つてゐる 雨は蕭々と降つてゐる この詩にある様に、百年という時間は自然にとって、ほんの瞬間に過ぎないのであろう。 どんなに科学文明が発達しても、百年前も百年先も人間の根元的な営みというものは変わらないのではないでしょうか。 自分にとっての40年間というものは長かった様な気もするが、それほどでも無かった様な気も一方ではします。 人間がどんなにあくせく日常を過ごしていても、この大自然は自然に任せたまま、ゆっくりとその時間を過ごしている。 登山を始めてから分かったことだが、人間はこの厳しくとも美しく優しい雄大な自然に囲まれて生きている。 駐車場に戻り、その先にある展望デッキに立つ。 すると、巻頭の口絵と全く同じ光景が広がっていることに気付く。 ああ、この光景だったのだね。 この光景は40年間変わらず待っていてくれました。 今日ここに来れたことに感謝です。 これからの自分の人生、新たな目標に向かって歩いていきます。

NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 黒川温泉から阿蘇に車で向かう途中、外輪山の一角から阿蘇五岳(高岳、中岳、根子岳、烏帽子岳、杵島岳)が見えました。
写真に収まりきらないこの台地が全てカルデラで、カルデラの中に町が形成されています。
世界一のカルデラというのも頷けます。
黒川温泉から阿蘇に車で向かう途中、外輪山の一角から阿蘇五岳(高岳、中岳、根子岳、烏帽子岳、杵島岳)が見えました。 写真に収まりきらないこの台地が全てカルデラで、カルデラの中に町が形成されています。 世界一のカルデラというのも頷けます。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 草千里ヶ浜に車で上って行く途中、広大な草原の中を馬がのんびりと草を食んでいました。
こんな広大な草原は、栃木にも無いです。
草千里ヶ浜に車で上って行く途中、広大な草原の中を馬がのんびりと草を食んでいました。 こんな広大な草原は、栃木にも無いです。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 眼下をみると、長大な外輪山が周りを囲んでいるのが分かります。
眼下をみると、長大な外輪山が周りを囲んでいるのが分かります。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 車道を走っていると、印象的な山が見えました。
後から知ったのですが、この山は米塚と呼ばれているスコリア丘(スコリアとは火山噴出物の一種で、岩滓(がんさい)とも言う)と思われます。
今から3000年前に形成された火山だそうです。
車道を走っていると、印象的な山が見えました。 後から知ったのですが、この山は米塚と呼ばれているスコリア丘(スコリアとは火山噴出物の一種で、岩滓(がんさい)とも言う)と思われます。 今から3000年前に形成された火山だそうです。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 これから向かう方向には、往生岳(左)、杵島岳(右)と思われる山が見えます。
これから向かう方向には、往生岳(左)、杵島岳(右)と思われる山が見えます。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 展望の良いところ(草千里展望デッキ)で車を停めます。
眼前には烏帽子岳、眼下に草千里・阿蘇山上駐車場が見えます。
展望の良いところ(草千里展望デッキ)で車を停めます。 眼前には烏帽子岳、眼下に草千里・阿蘇山上駐車場が見えます。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 ああ、ここが長年憧れ続けていた草千里ヶ浜なんだね。
感動です。
ああ、ここが長年憧れ続けていた草千里ヶ浜なんだね。 感動です。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 早速、山座同定します。
烏帽子岳手前の小高い丘は山名表示されていませんが、駒立山という山(P1157)らしいです。
早速、山座同定します。 烏帽子岳手前の小高い丘は山名表示されていませんが、駒立山という山(P1157)らしいです。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 車で少し下り、草千里・阿蘇山上駐車場に車を止めてよりスタート。
駐車場料金は500円なり。
これだったら、さっきの草千里展望デッキの方が無料で良かったか…
車で少し下り、草千里・阿蘇山上駐車場に車を止めてよりスタート。 駐車場料金は500円なり。 これだったら、さっきの草千里展望デッキの方が無料で良かったか…
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 ここには阿蘇火山博物館があります。
ここには阿蘇火山博物館があります。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 道路を横断すると、馬乗り場があります。
繋がれた馬があまりにも大人しく、つまらなそうにしています。
道路を横断すると、馬乗り場があります。 繋がれた馬があまりにも大人しく、つまらなそうにしています。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 烏帽子岳を正面にし、手前の小高い丘(駒立山)まで行ってみます。
烏帽子岳を正面にし、手前の小高い丘(駒立山)まで行ってみます。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 ここで車内に大事なものを忘れてしまったことに気付き、車まで戻って来ました。
大事なものとは、今から40年近く前の高校生時代に買った本(伊藤信吉著・詩のふるさと)です。
この本を読んだときから、ここに来たいとずっと思っていました。
ここに連れて来てもらった本と共に歩きます。
ここで車内に大事なものを忘れてしまったことに気付き、車まで戻って来ました。 大事なものとは、今から40年近く前の高校生時代に買った本(伊藤信吉著・詩のふるさと)です。 この本を読んだときから、ここに来たいとずっと思っていました。 ここに連れて来てもらった本と共に歩きます。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 再び、駒立山に向かって歩き出します。
再び、駒立山に向かって歩き出します。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 緩い斜面を登って行きます。
緩い斜面を登って行きます。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 道の両側には池塘があります。
写真に写る左側の池塘は水がほとんどありませんでした。
道の両側には池塘があります。 写真に写る左側の池塘は水がほとんどありませんでした。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 もうすぐ山頂。
もうすぐ山頂。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 こちらは右側の池塘。
こっちの方が水量が豊富です。
こちらは右側の池塘。 こっちの方が水量が豊富です。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 振り返ると杵島岳が見えます。
振り返ると杵島岳が見えます。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 駒立山に登頂!
駒立山に登頂!
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 駒立山の先にも印象的な草原が広がっています。
駒立山の先にも印象的な草原が広がっています。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 左手には、高岳手前の中岳から噴き上がる噴煙が見えます。
左手には、高岳手前の中岳から噴き上がる噴煙が見えます。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 山頂より杵島岳方面を振り返る。
山頂より杵島岳方面を振り返る。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 草原に浮かぶ池塘が印象的。
草原に浮かぶ池塘が印象的。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 歩いて来た道を振り返る。
歩いて来た道を振り返る。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 パノラマで360度撮影
パノラマで360度撮影
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 ここで「詩のふるさと」の中から「二十年の回憶 草千里浜/三好達治」のページを開き、艸千里濱の後半部を朗読します。
40年の積年の思いと共に、何とも感慨深い瞬間です。
ここで「詩のふるさと」の中から「二十年の回憶 草千里浜/三好達治」のページを開き、艸千里濱の後半部を朗読します。 40年の積年の思いと共に、何とも感慨深い瞬間です。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 駒立山を下りて、草原へと降り立ちます。
駒立山を下りて、草原へと降り立ちます。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 烏帽子岳の右の方にある小高いところに行ってみようと思います。
烏帽子岳の右の方にある小高いところに行ってみようと思います。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 目指すは手前の小高い丘です。
目指すは手前の小高い丘です。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 先ほどまでいた駒立山を振り返ります。
先ほどまでいた駒立山を振り返ります。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 丘を登って行きます。
丘を登って行きます。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 登りながら右手の烏帽子岳を振り返る。
登りながら右手の烏帽子岳を振り返る。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 丘の上に着きました。
写真左は杵島岳。
丘の上に着きました。 写真左は杵島岳。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 丘の上から中岳の噴煙を望む。
丘の上から中岳の噴煙を望む。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 丘の上から望む烏帽子岳(左)と駒立山(右)。
丘の上から望む烏帽子岳(左)と駒立山(右)。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 ここでもパノラマ撮影します。
ここでもパノラマ撮影します。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 丘を下りることにします。
丘を下りることにします。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 駐車場まで戻ります。
駐車場まで戻ります。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 駐車場に着きました。
駐車場に着きました。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 GRASS LAND CAFE & SHOPという店で「阿蘇たかな馬ロッケパン」を食べます。
馬肉を使ったコロッケをサンドしたものです。
GRASS LAND CAFE & SHOPという店で「阿蘇たかな馬ロッケパン」を食べます。 馬肉を使ったコロッケをサンドしたものです。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 駐車場から草千里展望デッキまで登って来ました。
駐車場から草千里展望デッキまで登って来ました。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 な何と、ここですね長年夢見ていた場所は!
40年前から憧れていた場所と同じところに立つことが出来ました。
な何と、ここですね長年夢見ていた場所は! 40年前から憧れていた場所と同じところに立つことが出来ました。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 ここから右手の方を見てみます。
ここから右手の方を見てみます。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 すると、遠景に雲仙岳も見えました。
すると、遠景に雲仙岳も見えました。
NATIONAL PARK WALK 03 阿蘇くじゅう国立公園|阿蘇山上 雲仙岳をズームします。
お初の山ばかりでしたが、とても感動した一日でした。
雲仙岳をズームします。 お初の山ばかりでしたが、とても感動した一日でした。

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