最短コースで登る燧ケ岳(尾瀬)

2022.09.25(日) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
6 時間 59
休憩時間
2 時間 10
距離
8.6 km
のぼり / くだり
1020 / 1028 m
56
48
55
4
48
36
32

活動詳細

すべて見る

2022年9月25日、尾瀬の日本百名山、燧ケ岳(ひうちがたけ)に登りました。福島県南会津郡にある燧ケ岳(2356m)は東北地方の最高峰。日本有数の観光地でもある「尾瀬ヶ原」の北東側にそびえる山です。尾瀬ヶ原の反対側に鎮座するなだらかな山頂を持つ至仏山(しぶつさん・こちらも百名山)とは対照的に、力強く尖った山容の山です。山頂は俎嵓(まないたぐら)と柴安嵓(しばやすぐら)の2つの山頂を持つ双耳峰で、柴安嵓が燧ケ岳の最高峰です。 今回は、マイカーで登山口まで行けてバスなどを利用する必要がなく、最短コースで燧ケ岳に登頂することができる「御池登山口」から、日帰りピストンで山頂を目指します。 【お知らせ】 登山道の様子やルート詳細の解説動画を公開しました。ぜひご覧ください。 ★【ルート解説】最短コースで登る燧ヶ岳〜尾瀬の草紅葉を満喫〜 https://youtu.be/eUNFCb2PBdE ★ひとり登山チャンネル https://www.youtube.com/channel/UCMIE12AHq1elXrToA88tqAg 【登山口までのアクセス】 東京方面から登山口のある「御池駐車場」へ向かうには、福島県側からぐるりと回り込む必要があります。一般的なルートとしては、東北自動車道の西那須野塩原ICから国道400号、121号、352号を走ります。山間の100㎞強の一般道を2時間程かけて走ります。なかなか大変な行程ですが、道中には塩原温泉や滝などの観光地、4つの道の駅などがあるため、のんびりドライブしながら向かうのもいいかもしれません。奥地の集落にも小さなデイリーヤマザキなどのコンビニがありますが、品ぞろえを求めるなら那須塩原市街のコンビニに寄ることをお勧めします。 【駐車場情報】 ★御池駐車場 〒967-0531 福島県南会津郡檜枝岐村燧ケ岳 0241-75-2432 標高1500m 420台 普通車1回1000円 入場時に発券、出庫時に支払い。短時間でも数日間でも1000円。お釣り切れのことが多いため1000円札か硬貨の用意を。キャンピングカーなど背の高さが2400㎜を越える車は2000円になるそう。入口付近に無料トイレあり(夜間照明あり) 水道・売店・自販機・携帯の電波あり。至近に宿泊可能な御池ロッジあり。 尾瀬沼に近い沼山峠へのシャトルバス(片道600円)が出ていて、沼山峠から徒歩1時間ほどで尾瀬沼に行くこともできます。今回入山する御池登山口は駐車場の奥にあり、駐車場から直接登山が始められます。 【ルート概要】 ①御池登山口~広沢田代(CT:60分) 御池駐車場の奥にある御池登山口から登山開始。明るい林の中の平坦な木道を少し歩くと出てくる分岐を左に進みます。直進すると尾瀬ヶ原の東電小屋方面に向かうルートです。(東電小屋分岐までは3時間半、そこから燧ケ岳へはさらに3時間かかります) 分岐を過ぎて小さな沢を渡ると標高差250mほどの登りが始まります。石がゴロゴロ転がった登山道は徐々に傾斜が急になります。かなり大きな段差の岩を乗り越える箇所もあり、大変な登りです。前日に雨が降ると道が川のようになります。木道や木段の箇所もありますが荒れ気味で、ガタつくところがあります。 木の階段が出てくると徐々に傾斜が緩くなり、次第に展望が開けてきます。湿原の中に2本の木道が続く尾瀬らしい道になり、ほどなくして広沢田代(1756m)に到着します。黄金色に色づいた草原と池塘(ちとう)を眺めながら、最高に気持ちのいい湿原歩きが楽しめます。背後には会津駒ヶ岳が見えます。 ②広沢田代~熊沢田代(CT:50分) 広沢田代の湿原が終わると、またしても樹林帯の急登が始まります。標高差200mほどの登りです。木の階段が整備されている箇所が多く歩きやすいですが、木段の踏み板が抜けていたり、ガタついていたりして危険でしたので注意が必要です。 しばらく登ると展望が開けた草原に出ます。背の低い木々が生えた丘を乗り越えると、2つの大きな池塘がある「熊沢田代」と、その先にどっしりと構える燧ケ岳の山頂が見えてきます。広沢田代よりさらに開けた湿原の熊沢田代(1986m)は、今回のルート中、最高に気持ちのいい場所でした。大きな池塘のほとりには木のベンチもあり、池塘越しに遠くの山々を眺めながらの休憩は最高です。 ③熊沢田代~俎嵓(CT:100分) 熊沢田代の湿原が終わると、またしても樹林帯の急登が始まります。俎嵓まで標高差約350mの岩場の急登です。樹林帯の中をしばらく登った後はガレ場の沢筋を直登します。かなりの斜度の登りがしばらくの間続くと、沢の上部がテープで封鎖された箇所に突き当ります。間違えてそのまま直登せず、左に進みます。 山腹を左にトラバースする道を進んで行くと、土砂崩れにより赤茶けた地面がむき出しになった斜面に出ます。崩れた木道に沿ってトラバースしていきます。この付近から森林限界を超え、ハイマツなどの背の低い灌木に囲まれた道になります。 ゴロゴロした岩や木の階段を登り切ると、俎嵓(2346m)に到着します。俎嵓からは360度の絶景が楽しめ、平ヶ岳や越後の山々、会津駒ヶ岳や男体山、日光白根山など付近の山々が一望できます。眼下には美しい尾瀬沼の全貌が見え、その反対にはこれから目指す最高峰の柴安嵓と、その奥に広がる広大な尾瀬ヶ原を望むことができます。 ④俎嵓~柴安嵓(CT:20分) 俎嵓と柴安嵓は展望の良い尾根で繋がっています。ハイマツと岩の急な斜面を一旦コルまで下り、数10m登り返すとあっという間に柴安嵓山頂(2356m)に登頂です。 柴安嵓山頂から南西側を見ると、本州最大級の広さを誇る尾瀬ヶ原の全貌と、それを取り囲む景鶴山や至仏山、中原山などが一望できます。西側に目をやると谷川連峰や巻機山、平ケ岳や越後三山、荒沢岳、会津駒ヶ岳など名峰の数々が見渡せます。さらに、会津駒ヶ岳の奥には飯豊山などの東北の名峰たちが霞んで見えます。 俎嵓から尾瀬沼を経由して沼山峠へ下り(CT:4時間)シャトルバスで駐車場に戻ることもできますが、熊沢田代などの眺めをゆっくり楽しみながら来た道を駐車場まで戻りました。(CT:2時間半) 【感想】 色づいた草紅葉の湿原歩き、登りごたえのある急登、そして山頂からの見事な展望。比較的短いコースタイムの中に、尾瀬の山歩きの楽しみがコンパクトに詰め込まれたコースでした。ただし、湿原を歩く部分が平坦なだけに、それ以外の傾斜はかなり急で、大きな岩を次々乗り越えていかないといけないような場面もあります。ですが、そのようなキツイ登りを乗り越えると、広沢田代、熊沢田代、そして山頂と、必ずご褒美が用意されています。草紅葉や紅葉がこれから本場を迎えます。初心者の方にもおススメできる素晴らしいコースだと思います。

尾瀬・燧ヶ岳 よく整備された御池駐車場。1回1000円。
よく整備された御池駐車場。1回1000円。
尾瀬・燧ヶ岳 駐車場の奥の登山口からスタート
駐車場の奥の登山口からスタート
尾瀬・燧ヶ岳 数分間、広い遊歩道を歩く
数分間、広い遊歩道を歩く
尾瀬・燧ヶ岳 この分岐を左折。御池コースで燧ケ岳を目指す。
この分岐を左折。御池コースで燧ケ岳を目指す。
尾瀬・燧ヶ岳 しばらく行くと岩だらけの急登開始
しばらく行くと岩だらけの急登開始
尾瀬・燧ヶ岳 平坦な湿原に出た
平坦な湿原に出た
尾瀬・燧ヶ岳 朝日を浴びるキンコウカ。花が終わり赤茶色に色づいていた。
朝日を浴びるキンコウカ。花が終わり赤茶色に色づいていた。
尾瀬・燧ヶ岳 広沢田代到着
広沢田代到着
尾瀬・燧ヶ岳 広沢田代に点在する池塘(ちとう)
広沢田代に点在する池塘(ちとう)
尾瀬・燧ヶ岳 広沢田代の湿原が終わると、また樹林帯の登り
広沢田代の湿原が終わると、また樹林帯の登り
尾瀬・燧ヶ岳 段が抜けていたり朽ちていたりする危険な木段
段が抜けていたり朽ちていたりする危険な木段
尾瀬・燧ヶ岳 5合目から9合目まで標示がある
5合目から9合目まで標示がある
尾瀬・燧ヶ岳 広沢田代を振り返る
広沢田代を振り返る
尾瀬・燧ヶ岳 ギザギザした稜線の荒沢岳
ギザギザした稜線の荒沢岳
尾瀬・燧ヶ岳 急登が終わると、小さな湿原に到着。燧ケ岳の姿が見えた。
急登が終わると、小さな湿原に到着。燧ケ岳の姿が見えた。
尾瀬・燧ヶ岳 これから歩く熊沢田代と、燧ケ岳
これから歩く熊沢田代と、燧ケ岳
尾瀬・燧ヶ岳 熊沢田代の池塘越しに眺める、那須連山方面の山々
熊沢田代の池塘越しに眺める、那須連山方面の山々
尾瀬・燧ヶ岳 反対側の池塘越しには、越後の名峰。左から平ケ岳、中ノ岳、越後駒ケ岳、荒沢岳
反対側の池塘越しには、越後の名峰。左から平ケ岳、中ノ岳、越後駒ケ岳、荒沢岳
尾瀬・燧ヶ岳 広大な熊沢田代が終わると燧ケ岳への急登が始まる。
広大な熊沢田代が終わると燧ケ岳への急登が始まる。
尾瀬・燧ヶ岳 振り返ると熊沢田代越しに会津駒ヶ岳が
振り返ると熊沢田代越しに会津駒ヶ岳が
尾瀬・燧ヶ岳 ガレ場の沢筋を登っていく
ガレ場の沢筋を登っていく
尾瀬・燧ヶ岳 山腹をトラバースする道が続く
山腹をトラバースする道が続く
尾瀬・燧ヶ岳 森林限界を越えた
森林限界を越えた
尾瀬・燧ヶ岳 9合目通過
9合目通過
尾瀬・燧ヶ岳 俎嵓(まないたぐら)山頂が見えた
俎嵓(まないたぐら)山頂が見えた
尾瀬・燧ヶ岳 俎嵓(2346m)登頂
俎嵓(2346m)登頂
尾瀬・燧ヶ岳 これから目指す最高峰、柴安嵓(しばやすぐら)。その奥には尾瀬ヶ原と至仏山
これから目指す最高峰、柴安嵓(しばやすぐら)。その奥には尾瀬ヶ原と至仏山
尾瀬・燧ヶ岳 真下に尾瀬沼が見える
真下に尾瀬沼が見える
尾瀬・燧ヶ岳 一旦コルまで下り、柴安嵓へ取り付く
一旦コルまで下り、柴安嵓へ取り付く
尾瀬・燧ヶ岳 燧ケ岳の山頂、柴安嵓(2356m)に登頂。山頂からは360度の絶景が
燧ケ岳の山頂、柴安嵓(2356m)に登頂。山頂からは360度の絶景が
尾瀬・燧ヶ岳 なだらかな稜線の平ケ岳
なだらかな稜線の平ケ岳
尾瀬・燧ヶ岳 尾瀬ヶ原。その奥には百名山の至仏山
尾瀬ヶ原。その奥には百名山の至仏山
尾瀬・燧ヶ岳 尾瀬ヶ原の草紅葉も始まっているようだ
尾瀬ヶ原の草紅葉も始まっているようだ
尾瀬・燧ヶ岳 会津駒ヶ岳の奥に見えているのは飯豊山か
会津駒ヶ岳の奥に見えているのは飯豊山か
尾瀬・燧ヶ岳 俎嵓へ戻る
俎嵓へ戻る
尾瀬・燧ヶ岳 俎嵓から尾瀬沼と日光連山
俎嵓から尾瀬沼と日光連山
尾瀬・燧ヶ岳 前回登った日光白根山の山頂が一瞬だけ見えた
前回登った日光白根山の山頂が一瞬だけ見えた
尾瀬・燧ヶ岳 木々も色づき始めている
木々も色づき始めている
尾瀬・燧ヶ岳 アザミに群がる蝶たち
アザミに群がる蝶たち
尾瀬・燧ヶ岳 秋の花、リンドウ
秋の花、リンドウ
尾瀬・燧ヶ岳 熊沢田代に戻ってきた
熊沢田代に戻ってきた
尾瀬・燧ヶ岳 青空が映える熊沢田代の池塘
青空が映える熊沢田代の池塘
尾瀬・燧ヶ岳 熊沢田代の池塘越しに見る平ケ岳
熊沢田代の池塘越しに見る平ケ岳
尾瀬・燧ヶ岳 熊沢田代より振り返る燧ケ岳
熊沢田代より振り返る燧ケ岳
尾瀬・燧ヶ岳 熊沢田代と燧ケ岳の織り成す絶景
熊沢田代と燧ケ岳の織り成す絶景
尾瀬・燧ヶ岳 イワショウブと木道
イワショウブと木道
尾瀬・燧ヶ岳 広沢田代の湿原を戻る
広沢田代の湿原を戻る
尾瀬・燧ヶ岳 池塘に生える水草
池塘に生える水草
尾瀬・燧ヶ岳 登山口付近に咲くヤマトリカブト
登山口付近に咲くヤマトリカブト
尾瀬・燧ヶ岳 御池駐車場帰着。車が増えていた
御池駐車場帰着。車が増えていた

動画

もしも不適切なコンテンツをお見かけした場合はお知らせください。