緑岳(松浦岳)・小泉岳・赤岳・白雲岳・忠別岳

2022.09.13(火) 2 DAYS

活動データ

タイム

14:52

距離

33.0km

のぼり

2001m

くだり

2001m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
5 時間 58
休憩時間
57
距離
11.1 km
のぼり / くだり
1155 / 402 m
43
20
18
26
42
DAY 2
合計時間
8 時間 54
休憩時間
1 時間 51
距離
21.8 km
のぼり / くだり
846 / 1598 m

活動詳細

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平地でも秋の気配が深まりつつある北海道。さて今週は何処に行こうか?紅葉の早い大雪山系か、未踏の百名山幌尻岳か。予報とにらめっこするものの、台風の影響かコロコロと予報が変わる。幌尻は行程が長く、かつ逃げ場がない山なので天気が安定しない日は極力避けたい…という点と、直前の予報を重視して大雪山系に決定。どうせならまだ登っていない東側からのアプローチで挑む事とした。 上川層雲峡インターで高速を降り、層雲峡の大函に寄り道してから大雪高原温泉へ。国道273号から林道に入ると約10キロほぼ砂利道が続く。粒子の細かい砂が付着し洗車不可避😅 温泉まで到着後、トイレと給水と入山届を出して直ぐ出発したものの時刻は既に13時、白雲岳避難小屋で一泊する予定にしても遅い出発だ。 天気は秋晴れ。大雪高原温泉の源泉がボコボコ湧いているのを横目にしながら登り始める。緑岳まで距離にして4.5キロ、高低差は1230→2019mという事なので2時間半程度と読んだ。 登り始めると1300m付近でもやや色づき始めた樹林帯の中を進む。この辺に生えていた原生林は昭和29年の洞爺丸台風でなぎ倒され、その風倒木の処理の為に林道が整備され温泉開業したというから、比較的新しい森なのだろう。見通しの効かない急登を30分程登ると見晴台の看板が立ち、忠別岳や高根ヶ原方面が見える様になるが、目指す緑岳はまだ森の奥。急登はさらに続くが道は良く整備されておりストレスは無い。さらに15分程登り進めると、木々の上に山体が頭を見せ始めた。名前の通りの緑色😅 他の山よりひときわ濃い緑!南斜面にベッタリとハイマツがへばり付いている。気が付くと樹林帯を抜け、緩やかな斜面に広がる草原に出た。「第一花畑」標高は1510mとの標識がある。既に花の時期は終わり、シオシオの綿毛になったチングルマに初夏の光景を想像するが、下草が赤く染まる秋の姿も良いものだ。さらに10分程木道を進むと「第二花畑」に出る。ここも見晴らしがよく緑岳はより近いが、西の空に雲が掛かって来ておりなんだか怪しげな空模様。 第二花畑を抜けると、右手に谷を見ながら逆層スラブの様な登り難い岩場を超え、低木のトンネルを抜けると、遂に緑岳の核心部に到達。遠目に見たベタッとハイマツが貼り付いた山肌部分は近場で見ると意外なほど岩が多い。登山道はハイマツ帯を避け、岩場を伝う様にくねくねと続く。背後には高根ヶ原とそこから急に切れ落ちた低地に広がる紅葉が陽に照らされ鮮やかに広がる。トムラウシが見える方角なのだが残念ながら雲の中。旭岳や白雲岳は緑岳に隠れてまだ見えない。 そうこうしている内に足元からハイマツが消え、岩と砂礫の向うにひょっこりと標識が立ち、奥に白雲岳が姿を表した。緑岳登頂!15時25分とほぼ読み通りのタイム。西から雲が急激に押し寄せ、早くも白雲岳が飲み込まれそうな勢い。ギリギリのタイミングだった。 植物がほぼ無い荒涼としたなだらかな山頂。道はさらに北へ…赤岳方面に伸びている。左手には雲に覆われつつある白雲岳。その山裾に赤い外壁が鮮やかな白雲岳避難小屋が指呼の距離にある。以前にも利用した小屋なので、白雲方面から降りるルートは把握している。日没まではまだ時間があるので、このまま赤岳へ縦走決定。 白雲岳への分岐となる小泉岳まではなだらかな下りと登り。赤岳方面に右折すると、100mほど低い赤岳へは下り坂となる。ここで雨がぱらつき始め、慌ててレインウェア着用。東の空はまだ明るいが、西から強風が吹付け五色岳方面は厚い雲に覆われた。体が時折持っていかれる様な風の中、無人の赤岳登頂。天気さえ良ければ北海岳が見える筈だが、石狩川の支流に大きく削られた渓谷と、そこから吹き上がる暴風だけが印象的だった。 雨は直ぐに止んだものの強風が続く中、白雲岳と白雲小屋の分岐まで戻ったが、悪い虫が疼き出しついでに白雲岳も登頂。日も落ち眺望も無かったのでここは割愛w以前にも登ったしね。 白雲岳避難小屋に付いたのは19時。テン場にテントが3張り立っていたがこの風のなか設営するのも面倒なので、小屋が空いてれば泊まろうと中に入ると…あれ?こんなに綺麗だったっけ?なんかお菓子売ってるし…。無人の避難小屋という以前の経験で調べもしていなかったが、どうやら管理人が居る様子。声を掛けると一泊3000円という。やっす…👍小屋泊決定。 土間に1番近いスペースに陣取って入念ストレッチしてから就寝。寝すぎて日の出を寝過したが朝焼けには間に合った。山裾に雲が張り付いているが中天には雲一つ無く月が浮んでいる。陽はまだ東の山陰から出ていないが、西の空の藍と朱のグラデーションが美しい。間近に聳える白雲岳が静かに見下ろす静かな朝。うーん早出して早朝登るべきだったか…と微かに後悔するが、今日の山行にも期待が膨らむ。 ササッと撤収作業と平行して食事を頬張り、5時半に小屋を出発。今日の行程はトムラウシへの縦走路の丁度中間辺りに聳える忠別岳までのピストンだ。これを歩き切れれば白雲岳〜トムラウシまで一日で行けると思って良いだろう。何れ十勝岳から旭岳まで縦走したいと思っているので、そのシュミレーションも兼ねている。荷物もあえてデポらずにテン泊装備のままだ。 先ず目指すは高根ヶ原。高原温泉の沼地から物凄い勢いでせり上がった高原台地。下から見た時はテーブルマウンテンみたいだったが、ここからだとほぼ同高度。所々ハイマツ帯があるものの、植生の少ない道をサクサク進むと、右手後方に聳える白雲岳の山陰からこんもりともうひと山姿を表すのは旭岳。左手後方にはやはり一際緑色が映える緑岳。歩くに連れて徐々に山容が変わるのが楽しい。 やがて道は高根ヶ原分岐に到達。ここから大雪高原へ崖を一気降りる三笠新道はヒグマの出没多発につき閉鎖中だ。崖上から沼地を見下ろすと、4つほど見える沼地の間から2箇所湯気が上がっているのが確認出来た。まだ未開発の温泉があるのだという。平坦な高根ヶ原をなお進み、平ヶ岳を過ぎた辺りでようやく忠別岳が見えてきた。東斜面はなだらかなのに、西斜面が急激に切れ落ちた特徴的な姿が印象的だ。さらに進んで1833mピークで忠別沼が見え…その向う!雲に隠れていたトムラウシがハッキリ姿を表した😂 周囲の山より一頭地を抜くその高さと佇まい!やはり山屋の登山欲を掻き立てる姿だ。 忠別沼への下りとそこからの登りは、これまでよりもハイマツが濃く、やや藪漕ぎの様相を呈するが、山頂近くになるとハイマツも消える。8時45分忠別岳登頂!頂上に着くと忠別岳に隠れていたトムラウシとその奥は十勝岳と覚しき姿も見える😲さらに東大雪の石狩岳やニペソツ山まで見える360度の大パノラマ🙌🙌🙌来て良かった!忠別岳まで足を伸ばしたのも大正解✌️ 1番手前に五色岳のなだらかな山体。東に化雲岳と小化雲岳が並び紅葉が鮮やかに映えている。その奥にトムラウシがどっしりと居座り、さらにその奥、十勝岳と美瑛岳も淡く姿を見せている。背後の旭岳はここからだと北から見た浅間山に似た姿。よく見る姿見の池からよりも格好良い✨北海道の山の王たる堂々とした姿。美瑛から続く滑らかな稜線が山頂を堺に突然荒々しい様相に変わり、高く、長く白雲岳を通って赤岳まで続く。東には石狩岳、音更山、ニペソツ山といった東大雪の山々が連なり、西は所々紅葉に色付いた樹海の先に忠別湖と美瑛の平原が広がる。どちらを向いても絶景しかない💯 食事、休憩、軽くストレッチ…そして写真を撮るのに忙しく、結局1時間ほど頂上に居ただろうか。このままいっそトムラウシまで行ってしまいたくなるのを抑えつつ山頂を離れる。途中後発の小屋泊組と3組すれ違い、熊の糞を見つけて肝を冷やし、避難小屋まで戻ったのが12時20分。 緑岳へのショートカットルートで雪渓を渡り、緑岳に再登頂したのが13時、温泉まで下山したのが14時30分。その後は名湯に浸かってサッパリして帰路に付く。 帰り道、比布大雪パーキングエリアから大雪山を遠望した。遠く離れると今日歩いた山塊が、小さなピークの名ではなく、まとめて「大雪山」と称されるのも頷ける。本州で言えば八ヶ岳と同じ感覚だ。この景色の中にまだ自分にとって未踏のルートやピークが幾つもある。それがとても幸運な事に思えたのでした。

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