晩夏の富士

富士山 富士山はその雄大さ、気高さにより、古くから人々に深い感銘を与え、「心のふるさと」として親しまれ、愛されてきた山です。 富士山は多様な自然の豊かさとともに、原生林をはじめ貴重な動植物分布など、学術的に高い評価を持っています。（富士山憲章より） 一方、深田久弥は日本百名山槍ヶ岳の項でこう記しました。「富士山が古い時代の登山の対象であったとすれば、近代登山のそれは槍ヶ岳である」 いまの登山家たちは富士山をどう捉えているだろうか。 かくいう私は、道と景色が単調で、縦走もできなく、スニーカーで登るミーハーな山。要するに興味をそそられないというのが正直な印象だ。 今回初めて登ってみたけれど、眺める景色は単調なうえに、１日に1万5千人も登るとだけあって、ものすごい人混みで、なんだか震災避難の記憶すら蘇ってくる。 登山家にとってはあり得ない景色がそこに広がっており、自然との静かな対話ができないことに寂しさを感じるのも事実である。 きっと、登山家たちが、富士山は"山"ではないと言う所以がここにあるのだろう。 富士の景色には、荒く黒々しい火山岩の道、底抜けの青天に雲海。はたまた高山病により道端に嘔吐する人、泣きじゃくる子を連れた父親、着飾った登山女子、大合唱の学生一行もある。 種々様々な老若男女がそれぞれの思いを背負ってご来光を一目見にと懸命に登る姿が眩しいほどに目に映る。 富士山は"山"じゃないという意味は、散りばめた宝石のような人々の彩りが富士山の一部になっているのである。これに気がついたとき、やっと富士山に登っている実感が胸に湧いてきた。 ■計画のポイント ・開山期の内、最後の2週間だけマイカー規制が解除される ・全ての山小屋が予約制で予約受付開始直後に満室状況 ・新宿から吉田ルート5号目までの直行バスがあるが、極めて予約が取りづらい →バスと山小屋の予約が噛み合わなかったため、マイカー規制解除期間に狙うことにした。山小屋はこまめにWEBサイトを確認すると案外空きがでる。 ■交通 ・車でスバルライン5号目駐車場まで ・スバルラインの営業時間は季節によって異なるため、要事前確認。 ・営業開始時間の30分前に着くイメージで行くと良い（渋滞するため） ・登山者は5合目より1〜2km下の登山者専用駐車場へ誘導され無料シャトルバスで移動 ・登山者専用駐車場が満車になると5合目駐車場が開放される（これを狙い誤ると、退場待ちになるので注意） ・バスで行く場合はハイウェイバスで新宿〜富士五湖線。吉田口五号目は季節運行のため、運行日で検索する必要あり。 ■トイレ ・上り下りともに１時間以内あり ・料金は200円 ・どの山小屋も紙の備え付けがあり、衛生的。 ■登山口　吉田口五号目 駐車場：あり 料金：2,100円/普通車（スバルライン通行料） トイレ：あり ■登山道 通行止め：なし 危険箇所：なし 必要な道具：ゲイター（靴に石が入る） ■小屋泊 場所：富士山ホテル　本8合目 料金：13,600円（2食付き）曜日で料金変動 予約：必要（激戦区） 食事：軽食なし。朝食はお弁当のみ 売店：飲み物、パン類 トイレ：洋式、紙あり、衛生的。 水場：なし 電波：docomoあり ■下山後のご飯 ENGAWA1441 場所: 山梨県南都留郡富士河口湖町船津３３７１ 時間:11:00-15:00,17:30-22:00 特徴:開放的なバースタイルの雰囲気で、リーズナブルなお肉料理が美味。様々な本格的なかき氷が有名。 0555-68-9050 https://maps.app.goo.gl/vVnvk5ZS7kSqPKHo6?g_st=ic ■下山後の温泉 ふじやま温泉 場所：山梨県富士吉田市新西原４丁目１７−１ 料金：1,800円（曜日変動） 時間：6:30-21:00 露天：あり シャンプー：シャンプー、リンスあり 貸しタオル：バスタオル、ハンドタオルが料金に含まれる 泉質：全国的にもきわめて珍しい「マグネシウム・カルシウム・ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物泉」というすべての泉質を備えている。 0555-22-1126 https://maps.app.goo.gl/deYwVXQofPdGJ4gD7?g_st=ic