活動データ
タイム
13:13
距離
25.4km
のぼり
2048m
くだり
2184m
活動詳細
すべて見るこの時期、水さえあればまだ生きている可能性が高い。 との思いで望みをかけて捜索。 別チームが角割林道最深部で発見です! 生きてます。よく頑張った!! *********** 追記 *********** 今後の捜索活動のために自分なりまとめてみました。 ▼8/13(遭難3日目・入山日の8/10を0日目) もともと樅木本谷・ネノコヤ谷に入るつもりだったので、捜索活動に参加しようと思いましたが、警察や消防の大規模な捜索活動が本格化していたので、飛び入りで参加しても僕の力はあまり発揮できないと思い、西の内谷に入り源流部を徘徊し、源流部でビバークした。 ▼8/14(遭難4日目) ビバーク地から下山途中、電波が入りそのまま内大臣側からの捜索活動ができないかを判断するため、「ECO九州ツーリスト」のTさんに捜索状況を確認した。大規模な捜索活動は続いている模様で、まだ個人レベルでは参加は見合わせた。帰りに捜索が長引いた時のために、内大臣側の林道の状況を調査しておいた。 ▼8/15(遭難5日目) 「ECO九州ツーリスト」のTさんや鹿児島「黒稜会」のKさん、熊本のUさん、シェルパのYさんなどと情報交換している中で、「ECO九州ツーリスト」のTさんが捜索済のルートのGPSデータを収集し「捜索済軌跡」を一元化していただき、FBなどでシェアして情報を多くの方々に共有できることになった。 「捜索済軌跡図」はこの日にはほぼ出来上がり、今後捜索すべきエリアをあぶりだすことができた。 僕は、小国見~五勇の東面の上の小屋谷源流部(長谷・小国見谷・左谷)の角割林道(朽ちて車はもちろん徒歩でも一部ロープを必要とするほど崩壊している)と主稜線の間の尾根と谷をくまなく捜索する計画を立てた。 視界の利き、とぎれとぎれだが携帯電波の届く国見岳山頂付近にベースキャンプを置き、そこから3日間捜索することにする。この時期、致命傷となる怪我が無く水さえあれば、この3日間で見つけ出せば必ず生きていると信じていた。 すぐに準備を整え、22:30自宅を出て24時に内大臣橋に到着し車中泊する。 ▼8/16(遭難6日目) 東内谷出合から車は通行できず歩き出す。クライミングギア、搬出装備、捜索機器、遭難者への補給品、3日間のキャンプ装備25Kgほどの装備を持ち長期戦に備える。 国見岳付近にベースを張り、12時捜索活動開始。長谷方面に向かい、枝尾根から小国見谷右俣を下降する 角割林道は荒れており、谷との出合はほぼ崩落している。 林道に出て、なんとなく遭難のいきさつが想像できた。もし、小国見~五勇東面方面で遭難していたら主稜線からゆるく派生する枝尾根へ入り込み、そのまま角割林道に出くわし、方向的には五勇方面に歩き出し、崩落で行動不能になった。こんな感じかな。 小国見谷から林道を五勇方面に進み、最初のゆるい尾根から小国見を目指す。もし迷い込めば鹿道を登山道と思い込んでも不思議ではないきれいな尾根だ。主稜線・小国見岳14:50。国見岳15:20。 途中、樅木方面への分岐を国見岳方面から見るが、注意力が落ちていたら間違えて、五勇方面にも行くかもしれないと思った。 国見岳山頂で明日からの捜索ルートを目視で確認していると、熊本のU君からLINEが入る。「遭難者発見+生存」とのこと。峰越から入った、TさんやOさんのチームで捜索していて、Oさんともう一人の方が発見したとの情報。 ヘリが16:00ピックアップ予定。だが、現場はガスがかかったり晴れたりの状況。日没のタイムリミットも近い。 自分らのベースキャンプから現場まで急げば60分以内で行ける。一応、遭難者がピックアップされず、明日以降まで下りられなくなるかもしれないことを想定し、ベースをたたみ、現場に行きそこにテントを張る準備をする。 17:15遭難者収容の連絡が入る。 そのまま下山し内大臣橋21ごろ到着。活動終了。 ▼▼今回発見できたポイント▼▼ ▼「ECO九州ツーリスト」のTさんやUさんが中心にまとめた「捜索済軌跡図」の存在が極めて大きい。これがあったから捜索範囲を絞り込めたのだ。だからと言って、捜索活動に参加しながら発見に至っていない多くの方々の働きは無駄かというと全然そうではない。一つ一つ地道に捜索して、軌跡データを増やし、範囲を少しずつ狭めていった結果です。そういう意味では携わった方々すべてが発見者と思っています。 今後はこのような遭難事案の場合は、「捜索済軌跡図」のような一元化された情報を早くまとめることができるようなシステムや組織間のすり合わせが重要だと思いました。 ▼警察や消防は大規模な捜索ができる反面、どうしても組織として行動に制限がかかります。例えば一人の力のある隊員がいたとしても、いちいち上司の許可が必要で、個々の力を発揮しにくいのはどうしようもありませんし仕方のないことだと思いました。 ▼大きな組織で登山道などを大規模捜索する一方、アルパインクライマーを中心に枝尾根や谷、岩場の捜索をする。今回、山岳会レベルや個人レベルで多くの山屋、沢屋、藪屋、トレイルランナー、アルパインクライマーが参加されました。実際発見されたのはトレイルランナーやアルパインクライマーです。 ▼これらの民間団体の情報の一元化は「ECO九州ツーリスト」のTさんたちが中心に行われたと存じています。こういった民間の情報収集センターの存在が極めて重要だと思いました。消防や警察など行政中心では情報の一元化は難しいのかなあとの印象も持ちました。 ▼また別な印象として、昔からあったメインの登山道に対して、個人レベルで整備しているピンクテープも問題があるのではないかと強く思いました。とにかく、一般のハイカーが入ってはいけないようなところにも、たくさんピンクテープがある。これってどうなんでしょうかね? また、本来名前のついていなかった源流部や無名のピークにも名前がついてプレートが設置してある。これはいいのか悪いのか。テープがあればそれを能動的に使っている人には有効かもしれませんが、関係ないハイカーが迷い込む可能性は高いと思います。 僕の個人的な考えですが、メインルート以外にはマーカーや標識は一切つけないほうがいいと思います。特に入り口には! 本来の自然を傷つけないという意味ももあります。そういうルートを歩きたいのであれば、登山者としてのスキルを高める。つまり、歩くことで自然にダメージを与えることを自覚し、地形や地図が読め、GPS機器も自由に使える。遭難した場合も自分で対処できるあるいはその担保を持っているといった人が行けばいいと思います。 もしマーカーをメインルート以外にどうしてもつけたいのであれば、それがもとで遭難が起こった場合は、永遠に責任を取っていくといった『覚悟』が必要だと思います。 ▼さらに今回痛切に感じたのは、 ①ココヘリ ②スマホのGPSアプリ(YAMAP・ジオグラフィカ・ヤマレコなど) ③モバイルバッテリー は必ず持つ。 当然、GPSアプリは十分使いこなせる。 これらがあればほとんどの遭難事案は起きないかもしれないし、短期間で終了します。 ▼さらに常識ですが、日帰りでもヘッドランプ・紙の地図・コンパス・高度計付き時計・ライターこれも必ず持つ。例えば今回の遭難者がライターを持っていて、焚火をして煙を上げればすぐに発見できたかもしれません。 あくまで個人の考えをまとめました。ご意見はいりません。
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