鋸山～大岳山～馬頭刈山（初心者登山33座目）

今年は北アルプスに行ってみようという漠然とした目標があり、どんなものだろうかとここ数日Youtubeでいろいろな人の北アルプス縦走動画を見ていた。わざわざ動画をアップしているだけはあって、ほとんどが大キレットやらジャンダルムなど見ごたえのある箇所の通過映像ばかり。しかし、私にはいささか刺激が強すぎたようで、際どいトラバースを歩いてからの絶壁の鎖場登りで鎖に手が届かずホールドも見つけられずに詰む、浮石で足を滑らせ滑落しかける、という悪夢を週に2回も見てしまった。当初は表銀座とかいうチャラい名前の定番縦走路なら楽勝だろ、槍まで行くぜ！とか思っていたが、そのルートの難所である東鎌尾根でさえ怖い。無理。という事で、今年は燕岳辺りに登って安全な場所をちょろっと歩いて降りてくるぐらいにしとこうと目標を下方修正する事にした。 しかし、こんな頭おかしい道を有するお山に年間40万もの人間が入って死亡者が年間数十人て何か少なすぎる気がした（不謹慎）。人間の能力、けっこうすげぇなと見直してしまった。今の自分にはあんな道とは言えない道を数時間ノーミスで歩ききる自信は無い苦笑 んで、北アルプスの映像を見ていてもう一つ思ったのは山道の石の多さ。しかし、最近岩っぽい道を全く歩いてないので少し練習せねばという所から、今回の行き先を思案。そういえば前回三頭山からの縦走で途中で心が折れてたどり着けなかった鋸山へ登る尾根には鎖場もあるし、そこから大岳山に縦走し、更にちょいちょい岩場があると聞く馬頭刈尾根を歩けばちょうどいい練習になるりそうだという事で、今回の行き先も奥多摩に決定。 今回は行程に余裕があるので7時前に新宿発のホリデー快速おくたまを利用。流石登山シーズンに入っただけの事はあり、座れない人も多く出る程に混雑していた。 8時過ぎに奥多摩駅に到着。駅前は大勢のハイカーでごった返しトイレも長蛇の列。並ぶ気にもならずさっさと登山口の愛宕神社の入口へ向かう。駅入口の交差点を川方面に下り昭和橋を渡るとすぐ右手に入口がある。駅近登山口最高。入口横のベンチで身支度を整え山へ入る。しばらくは中々の急登を九十九折に登っていく、すると有名な超傾斜の長い階段が現れる。予想以上の傾斜と長さに辟易しつつも黙々と登りきる。全部で180段あるそうで「この階段を登る覚悟のある者のみ来るべし」という人払いの意味もあるとの事。けっ。で、階段からさらに坂を登ると五重塔と平和の鐘がある。そこから奥へ進むと愛宕神社。あまり魅力的に見えなかったのでパス。岩っぽい道を下ると一旦林道へ出る。そこから3分程歩くと鋸山の登山口。 鋸山への道は奥多摩っぽい木に覆われた陰気な山歩きを覚悟していたが、この日は天気に恵まれ木漏れ日とひんやりと乾いた空気が心地良い爽やかな山歩きを楽しむことができた。それと今回は初心に戻り序盤はゆっくりと歩く事を心掛けた事が功を奏し、１日中ペースを落とすこと無く歩く事ができた。 途中、ちょいちょいある岩場や鎖場を楽しみ2時間弱で鋸山山頂に到着。展望の無い地味山頂であるが、20人程のハイカーで賑わっていた。私もベンチに腰掛けオニギリで補給。 鋸山から大岳山まではほぼフラットな道で楽チン。最後の岩場混じりの急登をググッと登ると大岳山山頂。流石の人気山、人多過ぎ。広い山頂で座る場所を確保するのにも苦労した。しかし、景色は最高。空気も澄んでいて久しぶりに富士山、丹沢の山々がクッキリと見えた。 15分程景色を楽しみ続々と登山者が登ってくる大岳神社方面へ下る。しかし大岳神社の狛犬（子熊かと思った笑）、激キャワ！ 大岳神社からは馬頭刈尾根へ向かう。ここからは一気に人が減り静かな山歩きが楽しめる。人は少ないとはいえ20分に１人ぐらいは人に合う個人的には賑やか過ぎず寂しすぎない丁度良い人口密度。また道の所々で展望が開けている場所があり、右手に富士山や丹沢三峰をちょいちょい見ながら歩くことができる気持ちの良い尾根道だった。何でこんなに人が少ないのか不思議である。 大岳神社から40分程で富士見台へ到着。ここまで散々富士山を見ながら歩いて来たので何を今更と思い塩対応で通過するのみ。 富士見台からはぐっと道の岩成分が増し増しでアップダウンも増え楽しくなる。そして、しばらく歩くと目の前に巨大岩が現れテンション爆上がり。ロッククライミングのゲレンデとしても使われるつづら岩である。この日も多くのクライマーが岩に取り付いており活気があった。三つ峠の屏風岩に比べると高さこそなかった気はするが、かなり大きな岩だった。一見の価値有りだろう。 つづら岩を過ぎると鶴脚山までは岩場のアップダウンが続く。期待以上の岩道で来て良かったなーと思う。そして終盤にきて益々体の調子が上がってきてペースを上げ何人か抜いてあっという間に鶴脚山に到着。ここも地味山頂。馬頭刈山も近いのでスルー。 10分程で馬頭刈山に到着。そこそこ広いが展望はない地味山頂。下りに備えてここで補給。 馬頭刈山からはひたすら下り。まぁまぁの傾斜で足を削られる。高明神社（気味が悪い）を過ぎると現れる瀬音の湯へ誘導する道標に従い無心に下る。50分程下ると山を抜け集落が見えるが、そちらへは下りる道はなく道路の上に架かった小さな橋を渡るとシームレスに再び山道へ復帰させられガッカリ。っつうか、これ強制的に瀬音の湯に下りさせたいだけだろ！と本気でムカついた笑 ロスタイムの様な山道の地味なアップダウンにイライラしながら15分程山道を歩き瀬音の湯にゴール。 広い駐車場がほぼ満車になるぐらい混雑していたが、温泉はそこまで混雑しておらず日ノ出山のツルツル温泉と同じ様なヌルっとしたお湯にのんびり浸かって疲れを癒やす。露天風呂からの景色も良かったな。 40分程温泉を楽しんで、食事タイム！と思ったが15:30～17:00までレストランは休憩でおまんまにありつけず。売店の缶ビールと食堂のクソジャンクな自販機飯で我慢する。。。無駄にカロリー高そう。。。 座敷でダラダラして17時前の武蔵五日市行きバスに乗り帰路へ就く。 今回はトレーニング登山ぐらいのつもりの山行だったが、存外馬頭刈尾根が景色も岩っぽい道も良くてとても楽しめた。もっと多くの人に歩かれても良い道だよなーと思った。お勧めです。