活動データ
タイム
00:00
距離
0m
のぼり
0m
くだり
0m
活動詳細
すべて見る関東の山仲間達と富士宮ルートで富士登山へ 僕は富士山は初めて 他のメンバーは全員複数回色々なルートから登頂経験がある せっかく遠出するのだから月曜日に有給休暇をとり、富士山を登った後に続けて那須岳にでも登ろうかと話し合っていたのだが、 僕がどうしても仕事が休めなくなり、土日のみの弾丸アプローチ登山となった と言ってもアプローチが弾丸なだけで、 登山計画自体は土曜日の夜からゆっくり登り始め、ご来光を見てから日曜日の午前中に下山するという割と普通の計画(いや、、一泊するのが普通なのかな??) しかしながらまさかの直前の直前に不自然に台風が発生し、土曜日に関東直撃の予報 富士登山自体も難しくなりつつあったのでメンバーと密に連絡をとりながら、別の山へ変更することも検討しつつ様子を伺っていた 金曜日、仕事を終え、空港へ向かう 欠航を心配していたがとくに遅延もなく飛んでくれた、そしてAさん宅へ宿泊 予報ではギリギリ土曜日の深夜の登り始めの時間には台風は過ぎ去り、早朝には雨もあがりご来光も拝めそうな感じになっていたので、とりあえず明日富士山へ行くことは決定 しかし夕方くらいからEちゃんのラインが既読にならない事に一抹の不安を感じながらも明日に備えてすぐに就寝 翌朝、Aちゃんと合流 Eちゃんのラインが既読になってないので当然集合場所には現れない、通話も繋がらない しっかり者のEちゃんにしてこんな事になるのはスマホの故障くらいしか考えにくいのでラインに行程とできれば現地で落ち合いたい旨を書き込み、やむなく3人で出発 お盆だけど台風の影響か高速は空いている しかし直撃のはずなのに風は弱く、普通に雨が降っている程度、時折青空も見える SAで昼食中にようやくEちゃんから連絡が入る 思ったとおり、昨日の夕方くらいからラインのメッセージが全く反映されなくて送信もできない状態だったそうな Eちゃんはこれから電車で出発し、 静岡で落ち合うこととなった 僕らは静岡についてから買い出ししたり温泉に入ったり寝たりしてEちゃんを待つ 夕方Eちゃんと合流! 一時は一緒に登ることを諦めていたのでテンションぶち上がる! しかし、第二の試練が待っていた 高鉢山バス停に到着すると5合目まで車両通行止めになっており、今日はバスもタクシーも動いていないので、登るなら明日の始発6時のバスが出るかどうかにかけるしかない、とのこと 相変わらず台風何それ?って感じの小雨が降っている程度で風もほとんど吹いていない状態なのでめん食らったが、 明日の始発バスで5合目まであがり、登ることにした(明日の始発だとそこそこタイトなコースタイムとなり高山病対策的にもよろしくないので、これから歩いて5合目まで行くことも考えたが3時間くらい車道を歩くらしく、話し合った結果明日のトライとなった) 明日の朝まで死ぬほど時間があったので山中湖に遊びに行く とってもお洒落で雰囲気の良いリゾートだった、 いつか旅行で来てみたい ファミレスで閉店の22時まで夕食をとってから、仮眠をとる為に再度高鉢山バス停へ戻る なんと21時に通行止めが解除されてタクシーが動いていることが判明! 雨は止んでおり、ほぼ無風 朝までまたずに登山開始できることになり、 再びテンションぶち上がる! タクシーを待つパーティーが数組いたので順番を待ち、乗車 運転手さんの話だと、さっきまで通行止めだったので人は普段より異次元に少なく、夏の富士登山で渋滞せずに自分のペースで登れるのはラッキーかもしれないとのこと 5合目に到着し、登山開始 複数のパーティーのヘッドランプの明かりが見えるが渋滞とは無縁で雨も風も弱く快適なナイトハイキング 振り返れば美しい満月 雲海を遠くの海で光り続けている稲光が何度も照す 街の夜景も美しい とても神々しい風景の中、高山病を考慮してかなりゆっくりペースで登っていく 最初は弱い風だったが7合目付近から暴風が吹き始めた 片足を上げると体がよろける程度の強風が向かい風で吹き荒れている上に標高3000m近いので気温も低く、なかなか過酷だ しかしアルプスなどではこの程度の環境になることは割と普通だし、小まめにレイヤリングしてたので寒さは全く感じなかった このまま突き進んでいく しかし標高3000mを越えた8合目の手前付近で先頭のAさんの様子がおかしいことに気づく 足取りがあまりにも遅く時折よろけている すぐにほとんど進まないほどペースが落ちてきたが、このタイミングで運良く屈めば4人全員が風を凌げる岩陰を見つけたのでここで休憩することに Aさんの状態を確認すると震えや強い眠気など、 低体温症や高山病が疑われる症状が出ていた 幸い意識はしっかりしていて、昨日の行動の記憶を問うと事細かに回答できていた すぐにカイロを首の近くに貼り、下にザックを敷いてエマージェンシーシートで包む Aさんは防寒着に関してはガチの雪山でも対応できそうな装備だったが、レイヤリングに失敗して着すぎて登った為に汗をかいてしまったところで強風を浴び続けてしまい、逆に急激に体温と体力を奪われしまったようだ 森林限界以上で身体を濡らすというのは大変危険なことである レイヤリングの基本的な考え方として、ダウンのような保温性の高すぎるウェアを行動中に着るのは汗をかき逆効果であり、普通は着ないので、その辺が動けなくなった要因だったようだ(これも体温は人それぞれだし体調や状況によって正解は変わるので、行動中でもダウンのようなウェアを着た方がいいケースもあるだろう。道具や使い方はあくまで手段であって、汗をかかずに体温を一定に保つという目的を達成する事が全てだ。教科書通りのセオリーに固執して頭でっかちになるのも返って危険だと思う、臨機応変に考えなければならない。しかし今回については明らかに着すぎだったようだ)。 次の山小屋まで自力で登らせるのは無理そうだった ならば高山病らしき症状も出ていたので少しでも高度を下げたいところだが、 暴風を凌げるのはここしかないし、 確実に歩けるようになるまではここから動かない方がいいと判断し、 体温をあげ血流を改善するように努める 身を寄せ合い、できるだけ手足を動かしてもらったり食べてもらったり 高山病改善の為に水分をとってもらったり 寝ないように絶えず会話を続けたり たぶん30分以上岩陰に留まっていたが、風は凌げているので僕を含めた他の3人は特に寒さは感じていなかった 今まで遭難記などを読んできた限りでは、 最後に助かる要素となるのは気持ちだという気がしてたので、不安な状況だからこそ笑わせたり威勢の良いことを言ったりして気持ちを盛り上げた 空が明るくなりだしたタイミングでAさんが立ち上がり、自力で下山できるまで回復したので、 Aさんの荷物は僕が担ぎ、下山開始 途中小雨に降られたりもしたが6合目あたりまで降りると風も雨も止み、全員無事で下山することができた 今回動けなくなったAさんは海外の5000m峰の登頂経験があり、富士山も12回登頂している しかし自然は登山歴など一切関係なく、平等に僕らに接してくる 平等に感動を与えてくれるが、油断したり基本的な技術を怠れば平等に厳しい顔を見せる 今回たまたま風を凌げる岩陰を見つける事ができたのはかなりラッキーだった これがなければ動けない状態で暴風を浴び続け疲労凍死の可能性がかなり高まっていただろう また、雨が降っていればさらに危なかっただろう 以前は常備してたツェルトも最近山に登る機会も少なくなって家に忘れてきてしまっていた 雨風を凌げる場所が少ない森林限界以上の山ではやはりツェルトは必要だと痛感した 風を防げなければエマージェンシーシートも役に立たなかっただろう 夏であれば体力のある人なら初心者でも登れてしまう富士山だが、レイヤリングのような森林限界以上の山では不可欠な技術を怠ると、天候次第では今回のようにたちまち致命的な状況に陥ってしまうこともある 楽しみつつも油断はせずに、これからも安全登山を心がけようと強く思った また、今回登頂は叶わなかったが登りの風景は素晴らしく、全体としてはとても楽しい山登りであった 是非今回のメンバーで富士山ピークに立ちたいものだ😄
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