活動データ
タイム
20:56
距離
18.6km
のぼり
2220m
くだり
2222m
活動詳細
すべて見るかねてより約束していた3人(エミ、ヤスネエ、オラ)での8月の鹿島槍。 またもやエミのドタキャン(コロナによる)によりヤスネエと二人で行くことになった。 もともとヤスネエはエミを通しての友達。先回の火打山で初めて出会った人だ。まだ互いによく知らない。なのでややぎこちない二人旅が始まった。 10日の当日は6時に登山口出発、俺は前日の夜から登山口前で車中泊。平日なのにあと2台程度のアキしかなかった。起きたら隣にヤスネエの車が停まっていた。 柏原新道は先週、針ノ木サーキットで下りに利用したばかり、針ノ木雪渓や赤沢岳などを眺めながら気持ちの良い登りが続いた。途中、予定していた雪渓のトラバースも先週よりだいぶ雪が無くなっていて雪の上を歩くことは無かった。 種池山荘で休憩と思ったが凄い人。サッサとパスしてお花畑の斜面に腰かけて広々した風景の中で気持ち良く休憩。いよいよここからが鹿島槍への稜線歩きの始まりだ。お昼に近づき雲が上がってきたが降られることは無かった。 爺ヶ岳南峰への道から今日の目標点の冷池山荘が見える。背後にある布引山、そして鹿島槍。爺ヶ岳南峰あたりが丁度山脈の折り返す地点。種池山荘と冷池山荘とを両サイドに見て眼下には黒部川の十字峡へと接続する棒小屋沢が走っている。絶景だ。その向こうには立山、そして劔が見える。爺ヶ岳の中峰、北峰と回り、冷池山荘に14時頃到着。まずは小屋の前の展望広場でビールで乾杯だ。ちょっと早いがオレはツェルトなのでテント場へ移動。ヤスネエは小屋泊。テント場は小屋から更に10分位登る。トイレが面倒なところにある。テント場に着くと既に大勢の登山者がテントの設営中。人の多いところは苦手なので、少し戻ってハイ松の隙間に丁度ツェルトの張れるくらいの狭いスペースを見つけた。近くにもう一組、張ってるカップルがいた。いいなーこんな所でシッポリと二人で劔を眺めながらテント泊できるなんて!!と過ぎた人生を振り返ってみた(笑) やがて、ヤスネエが缶ビールを買ってきてくれたので二人で焼き鳥を焼いて宴会だ。 17時になり小屋の食事の時間との事でヤスネエが帰っていくと西の空が焼けてきた。 近くのカップルのシルエットの写真も撮ってあげた。その後、おもむろにスケッチの道具を出して夏の夕暮れの立山を描いた。描いてるうちに暗くなったので途中で止めた。このあたりはテキトーだ。(笑) 描くならもっとハヨから描くべきだったがまぁいいかー♪ 翌朝は天気が良くなる気配。星空写真を撮るために2時半に起床。ツェルトからおもむろに顔を出して見上げた空は雲の中に明るい木星が見える程度。こりゃダメだと水も少ないし火を炊くのも面倒なので行動食程度の朝ごはんを済ましデポする荷物を整理して4時の集合時間までヤスネエを待つ。しかし現れず(>_<)。仕方なしに朝焼けとツェルトの写真などを撮っていると4時20分にヤスネエ登場だ。さて鹿島槍の北峰まで行けるかな。南峰まで行った都合で決めようとスタート。 布引山を登る頃に日の出を迎えた。周辺のガスがオレンジに染まり、その中から真っ赤な太陽の一部が顔を出した。とても幻想的な空間に浸ることができた。 鹿島槍南峰の直下にくるとカッパを必要とする位の雨になりカッパを着込む。南峰の頂上では運良く雨は止んで、山頂では登山客が富士山が雲の間から見え隠れしていると騒いでいた。 さて北峰まで行って行けないことはない時間だが帰路で万が一トラブルがあった場合はギリギリになる可能性がある。ここで引き返した方が無難かもとヤスネエに話すと大賛成みたいな雰囲気だ。 だが、次回冬に来る時のために少し下見をしておきたいと北峰へ向けて少し下ったあたりでヤスネエの小屋の弁当をとってもらった。 帰路、ガスが少しずつ晴れて日本海、そして能登半島までもうっすらと望める位になってきた。岩稜帯の間から浅間山や八ヶ岳なども望める上天気だ。 爺ヶ岳南峰を越えて種池山荘まであと10分という所で先行の登山者が立ち止まっている。 なんで???とよーく見るとなんと熊がいるではないか!!(以下の動画参照) 俺は腰ベルトに引っ掛けた熊スプレーのレボルバーに右手を掛けた。しかし良く考えると風向きが微妙だ。吹きかけるにしても俺や他の登山客が風上にいる必要がある。 そこで種池山荘に電話で連絡。 暫く熊が過ぎ去るのを待つこと30分弱。過ぎ去った頃を見計らって大勢いで熊鈴を鳴らしながらガヤガヤと通り過ぎた。その頃になって小屋のスタッフがスコップを持って走ってきた。スコップで戦うつもりだったのだろうか??? 小屋で他の登山者が一昨日は種池のテント場に出たらしいと話していた。 コワー、そのテント場はつい5日前にツェルト泊してたんですけど(>_<) 小屋の前の登山者の行列ですぐ前の女性が振り向いて「あのーこれから下山される方いますかー?」と呼びかけた。瞬間「ハーイ」と手を挙げた。こういう風に聞かれると学生時代からすぐ手を上げる癖があったので何の気なしに手を挙げたのだ。 すると「一人で来たので熊が怖いから一緒に下山して下さい」との事。遅れてやってきたヤスネエを紹介し、ここから3人で下山。 そして柏原新道も半分を過ぎる頃、休憩しているとまたも一人の女性が下りて来た「あのー心細いんで一緒に下山させて下さい」と。「いいですよー」と俺。いつの間にか2人のパーティーが4人になってしまった。この調子でどんどん増えていったらどうしようと内心不安(>_<) そうして賑やかに話しながら下山していると後ろを歩いていたヤスネエが段差で右足を木の根かなにかにぶつけたみたいだ「痛いー」と顔が歪んでいる。俺の持っていたファーストエイドキットで応急処置しロキソニンを飲んでもらった。 途中も痛みを訴えるので片足づつ荷重がゆっくりと乗るように普通の3倍以上の時間をかけて下山した。途中から同行した2人には先に下山してもらった。 最悪、暗くなる前には下山したいと思ったが焦ってまた痛めてしまってはもっと大変になる。俺の右足も痛めたのだと言い聞かせるようにして彼女の気持ちを理解できるようにゆっくりと歩いた。 駐車場が見えた時には心底安心した。明るいうちに下山できて本当に良かった。 北峰まで行かないことで助かったと思った。 痛みもだいぶ和らいだとの事で帰路は大町温泉郷でひと風呂浴びて晩御飯を食べて解散となった。 今回、多様な天候と熊も含めて色んな出会い。そしてトラブルがあっても無事に下山でき、 バリエーションに富んだ山旅をすることができました。
動画
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