柿其渓谷渡渉事故

2022.08.07(日) 日帰り

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活動詳細

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5人から以下の文に事実関係の相違がないことを確認し、公開の同意も得ています。 ① 7月31日柿其渓谷本流を遡行中の事故 メンバーは5人 私は参加していない。 5人に聞き取ったが当時の記憶は曖昧で、主に動画写真を元に推測する。 事故の発生状況は動画を見てもらいたい。 https://youtu.be/-KZ7snBOgd8 この事故で渡渉に失敗したAはかすり傷で済んだが、引き込まれたBは墜落時左膝を岩に打ち、膝蓋骨の開放骨折を負った。 事実関係として、 他の3人は飛び石で渡渉を済ませ、誰も難しい箇所とは認識していなかった。 B(最後尾)の場所には支点を取っておらず、Bはハーネス(ビレイループ)とロープを接続した状態。 A(渡渉者)はロープにランヤードでパス掛けして渡渉しようとした。 ② 動画(スロー再生)からはAが着地した場所は飛び石上であり、少なくとも足は滑らせてはいない。そして、上半身から上流側に倒れている様に見える。 また、写真からはロープの張った位置が飛び石の着地すべき場所より約1m上流側にあることが分かる。 そして、渡渉する前からロープに弛みの無い程度のテンションがあり、“両岸が飛び石より高い位置”にあるので飛び石に乗ると “瞬間的にロープが張った可能性がある。それも上流側の若干上方向に” 両岸の2人は下向きにロープが張るから耐えやすい。 もちろん、Aが飛び乗る際に1人でにバランスを崩した可能性もある。 しかし、動画写真を見るかぎりロープの張りによってバランスを崩したことは否定できない。 ③ 渡渉した先でロープを張たCはベテランであり、 Cはこの位置にロープを張った経緯として 「水に浸かって渡渉する際は上流側に・トラバースする際は高い位置に ロープを張ることがセオリーだから、それが無意識のうちに出たのかもしれない。けれども、飛び石に関しては今回のロープの位置は良くなかった可能性はある」 としている。 Cがロープを引かなければBは転落しなかったという意見もあったが、あの場にいれば誰もが反射的にロープを引いただろう。 引かないロープならパス掛けする必要は全くない。 ④ ロープ位置の悪さに渡渉者は気が付くべきだった。 パス掛けしていたとしてもロープラインの変更やテンションを緩めるよう求めたり、ランヤードを長くとる事で対応出来たかもしれない。 けれどもAは今回が5回目(今年2回目)の沢登りであり気づかなくても仕方ないことだと思う。 また、たとえ気が付いたとして、それを初心者が上級者に伝えることは勇気がいる。 「仲間内で言いたいことが言えないパーティーはリスクが高まる。」 https://ameblo.jp/sanchan33-yamaski/entry-12734885345.html がんちゃんの雪山賛歌より引用 ⑤ ロープの役割として 今回B側で支点を取らなかった以上渡渉者がしがみついたり、転倒を防ぐ能力は無い。 せいぜいロープを手に持って姿勢を安定させる役割しかないと思う。 もし仮にこの下流に大滝があり、大滝に落ちない為や、泳げない人にライフジャケットを着させた上で流れ止めとしての役割はあると思う。 しかし、そういった状況ではなかったのでロープで接続する必要性はなかった。 むしろ、ロープを伸ばせなかったら激流の中で張り付けになったり、ロープが川底に引っ掛かり溺れた可能性もあった。 https://yukinoshingun.com/sounan-poroshiri/ 渡渉にロープの必要性は高くなく、渡渉前のトラバースで使ったロープをその延長で張ったにすぎない。 ロープを途中で畳めないのだから渡渉でロープを張るのは適切な判断だと思う。けれども、渡渉者がパス掛けする必要はなかったと思う。 ⑥ Bがセルフビレイを取っていればBの負傷は防げた。 けれども、仮にB側にクラック等があっても簡単な場所だと全員が認識していたから支点を作った可能性は低い。 その上でBの待機の仕方も問題だった。 支点が取れず足場も悪い場所だったので、たとえAが転倒せずとも多少のロープテンションでBは滑落する可能性がある。 結果論としてBはロープをハーネスで接続せず、ロープを手で握っているだけなら引き込まれる事はなかった。 しかし、ハーネスとの接続を切り替えることはタイムロスと多少の煩雑さがあり実行しずらい。 ベターな選択肢として、ハーネスと接続しハンドコイル的なロープの余裕を作っていれば、滑落は防げずとも受け身や水面への飛び込みをするための時間稼ぎはあったはずだ。 ただこれはベストな選択では無い。 最も大切なのは渡渉者が転倒する可能性を認識して、そうなった際の自らの状況を想像することだと思う。 そして、その想像によってはロープとの接続を切る選択もあるだろう。 ⑦ もし仮にAがロープと接続せず歩行ミスで渡渉に失敗して流され負傷したとする。 それは“沢登りのビレイは難しい”という性質、つまりリスクをゼロに出来ない事を認識するトキでもあると思う。 もちろん、メンバー選定や事前の講習、渡渉点の決定、ライフジャケットの有無が事の有無を分けるのは当然だが “沢登りのビレイは難しい”という事実はクライミングのガイト人口と比べ沢登りのガイド 人口が圧倒的に少ない事からも明らかだ。 だからこそ各個人が沢の難度に見合う能力がなければならない。(沢の難度を決めるのも難しいけれども) そして、初心者は沢の難度・自らの能力を判断出来ないのだから 初心者を沢に連れていく者の“判断”は重い。 “判断”を“責任”に言い換えたとして、その責任とは事故を起こさない事だけだろうか? 事故が起きた場合の責めや償いが含まれる事もあるだろう。 安易に責任という言葉を使えるほど沢登りはやさしくない。 ⑧ (追記、コメント返信として) 今回の場所で両岸に支点構築して適切なラインにfixロープを張り、適切な長さのランヤードでパス掛すれば最も安全なビレイシステムになるかもしれない(チロリアンブリッジを除外して)。 ただ、適切なラインにロープを張るためにはその延長上に支点が必要で そこにカムやハーケンをセットするためのクラックやリスがあるとは限らず、あったとして分散支点の必要から多少の時間は掛かる。 ダイナミックロープを使う場合はロープの伸びを殺す必要があるだろう。転倒して流された際、ロープが伸びて足下の小滝に張り付けになるかもしれないから。 転倒によって片側の支点崩壊もしくはロープの伸びが発生して、水流中で張り付けになった場合、直ぐにfix解除、ロープカットしなければ溺死するだろう。 そして、これらは中間者のみにしか使えない。 最後尾の人がロープで対岸に引っ張られて渡渉するのも危険だ。 滝の落ち口ギリギリを渡渉する今回の場合、転倒した際張り付けになる可能性が高い。 ロープ接続せず流された方が安全だろう。 ⑨ もし僕がこの現場いたとして事故を防げた自信はない。 私自身もロープワークは未熟でここまで書いてきたことが全て正しいとは思わないで欲しい。 もっと勉強してからこのレポを公開すべきだと思ったが盆休み前の注意喚起としてこのタイミングだった。 誤りがあれば訂正したのでコメントいただけるとありがたいです。 ただ返信は休み明けにしか出来ず申し訳ありません。 沢をやる皆さんにはもう一度動画写真を見て、そしてもし今回のような事故直前の状況が目の前で出来上がったら適切な対応が取れるか自問して欲しい。 決して初心者の渡渉ミスで終わらせてはならない。 全員生きていて本当にありがとう

動画

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