活動データ
タイム
31:32
距離
30.1km
のぼり
2880m
くだり
4712m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る2022年夏の予定は裏剱に行こう!といつもの山友A氏と決めていたのだが、出発までが大変であった。 まずはコロナ。7月には自身のコロナ感染、その後の爆発的感染者増、職場にも休職者続出、山友A氏ギリギリまで感染予防。さらに水平歩道が未開通(7/28にようやく開通)、なので誰も歩いていないから雪渓など情報不足、直前にトロッコ列車が運休(8/2に復旧)。最後は天気、ド真中の3日4日が雨予報、最悪山域変更も考えましたが、予備日があるので停滞ありきで出発となりました。 8/1 23:15 新宿発扇沢行きバスに乗り出発。もう、こうした状況で出発できることが、ほとんど奇跡! 8/2 予定より早く扇沢着。朝飯、準備、始発7:30の順番待ちをして過ごす。立山黒部アルペンルートにて室堂へ。荷物シェア・水補給し出発。今回は水3Lを入れると約24Kgとなり、自己タイ記録の重さになります。夏山では持たないアイゼン・ピッケルがあり、食糧5日分となると二人で荷物シェアしてもこの重量でした。 雷鳥沢野営場まで温泉ガスが噴き出る立ち入り禁止区域を横目に下っていきます。すり鉢状の底に当たるこの場所は環境・ロケーションもよく、いずれは泊まりたいキャンプ場。ここから別山乗越まで約500mのアップ。久しぶりの20Kg超えにペース上がらず、やっと別山乗越に着くと剱岳が顔を見せます。2019年(https://yamap.com/activities/4221614)以来の再会。いつ見てもカッコイイ!見事なお花畑を抜け今日の泊地、剱澤キャンプ指定地着。明日から崩れる予報のためか?この時期なのにガラガラ、お祭りみたいな賑わいだった3年前を知っているだけになんか寂しい感じ。 8/3 夜明け前、早くも剱岳をみるとライトの明かりが点々としていました。暗いうちは晴れていたが、すぐに剱岳山頂付近はガスに包まれていました。この日の予報は昼過ぎから雨。なんとか池の平小屋まで降らないうちに着きたいと予定の5時よりも前に出発。剱澤小屋から下り、クロユリの滝を過ぎると雪渓が現れアイゼン装着。十分な厚さがあるのである程度は安心して歩けます。程なくして平蔵谷入口の大岩、間近で見る平蔵谷は迫力があり、ガスで最上部までは見れませんでしたが、かなりの斜度があることがわかりました。 続いて長次郎谷、傾斜はそれ程でもないように見えましたが距離の長さを感じました。真砂沢ロッジの水源ホースを見てたどると、左岸の夏道の入口が見えます。今回はナムの滝が見える所まで行き夏道に入りました。ナムの滝を過ぎると真砂沢ロッジが見えてきます。ここで小屋から最新情報を入手、三ノ沢雪渓は問題ないが四ノ沢雪渓は薄く注意が必要との事。実際、沢に下りて先廻りして厚さを確認し無事通過しました。 次は二俣の手前にあるへつり。ホント、沢ギリギリを丸太の足場とクサリを頼りに進みます。増水するとかなりキビシイと感じた。二俣からは樹林帯を約500mアップ。狭く急な所もあり、下りるのも難儀しそうなポイントを抜けると三ノ窓雪渓が目の前に見えます。仙人峠を過ぎた所で雨がひどくなり、雨の中テント設営。この夜から翌朝まで断続的に激しく降っていました。 8/4 朝を迎えても雨は止まず、ネットも繋がらず得られる情報はラジオの天気予報。聞いていると東北はかなりひどい状況。隣の福井・石川県にも警報が出され、ついに富山県にも。こうした状況でこの日は停滞と決め、翌日以降どうするか?山友と協議。というのも、先に進んだ場合、仙人温泉の先の沢に橋が架かっていないため、増水してはたして渡渉できるか?できない場合どうする?初めから諦めて来た道を引き返すか?果てしない協議が続きました。 昼前に雨は止み期待できるか!?と思っていると今度は雷を伴って再び激しく降ってきました。不安をかかえ夜を迎えると、20時頃ようやく雨がやみ夜半過ぎには星も見えてきました。 8/5 晴れています。前日の夜から降っていないため、渡渉できると判断して出発。小屋前からの八ツ峰の朝焼けを期待しましたが残念。池ノ平小屋の皆様には天気情報の提供や、ナント!お風呂までいただき大変良くしていただきました。ありがとうございました。 仙人池ヒュッテにて仙人池に映る逆さ八ツ峰、これが見たかったという風景。停滞した甲斐がありました。標高2000mを過ぎると雪渓が現れる。雪渓の厚みを確認し慎重に下りるが、すぐに支流との合流で一度夏道の戻るポイントがある。ここが難しかった。先頭を行く山友A氏は雪渓ギリギリまで行こうとしたが、下りてみると大変薄くなっていて危なかった。支流の雪渓も崩れかけていたがなんとか行けると判断し慎重に渡る。 温泉の湯けむりが見えると夏道合流ポント、さすがにまだほとんど人が入っていない状況で道はあまり良くなかった。廃墟のようになっっている2年間閉鎖中の仙人温泉小屋を過ぎ、問題の渡渉ポイントへ。余裕で渡れました。蒸気が噴き出る温泉源泉を過ぎ尾根のピークへ。ここの標高が1629m、阿曽原温泉は標高855m。奥多摩の鷹ノ巣山が1737m、御岳山が929m、標高だけ言えば真夏に奥多摩を20Kg越えの荷物を持って縦走するようなもんです。雪渓を離れてからは暑さとの戦いとなります。このルートが、夏ではなく秋がメインと言われる理由は紅葉だけではなく、こうした理由があるのでしょう。(雪渓の難易度は大幅に上がるが・・・) コースも下りとはいえハシゴ・ロープのある所が多くキビシイルートです。仙人谷ダムからは以前歩いています。(https://yamap.com/activities/4951252)管理所内を抜け登り返しを過ぎると阿曽原温泉です。野生のサルが多く、テントサイト近くまで来ていました。ご主人の佐々木泉さんに「おかげで来れました!」とHP情報のお礼を申し上げ、しばし話が出来ました。温泉は1組の宿泊客が入った後なので、まさかの我々のみ貸切!堪能しました。 さすが標高855m、シュラフなしで寝れる。っていうか、暑かった。 8/6 出発前にもご主人にあいさつしたら、HPにそのことを書いてくれました。水平歩道は開通こそしていますが、秋に向けてこれから本格的な整備が始まります。ですので、前回とはコース状況、荷物、気温と条件が違いすぎます。欅平の標高は596m、御岳山から高尾山に真夏の縦走する感覚です。そこへ壊れて2段分ないハシゴ、壊れた丸太桟橋、どう行くの?というようなう回路など最後まで気の抜けない道でした。志合谷の雪渓は迫力があり、これが見れるのは夏のみ。大太鼓も狭く高度感もあり、岩をくりぬいた感じが他の登山道にはない魅力です。前回より2:30も遅く欅平着。 五日かけましたが、予備日のおかげでなんとか歩き通せました。道中気の抜けないところばかりで、何度もヒヤッとしたことがありました。天気、道中の危険ポイントを考えると出発からすべてが奇跡といえるかもしれない。しかし、その分他では絶対味わえない魅力たっぷりなコースでした。雪渓歩き、岩稜帯の通過、ルートファインディングなど登山の総合力が試される”総合格闘技”のようなところでした。秋に再び訪れたいが、もっと技術を磨き、体力を維持しないと来れそうにありません。その前に秋に5連休が一番難しいか?65歳の定年後じゃもっとムリか?
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