活動データ
タイム
07:55
距離
10.2km
のぼり
912m
くだり
912m
活動詳細
すべて見る<登山口~南尾根の祠> アセビのブッシュに積もった綿帽子が、不敵な笑みを浮かべている。くぐりぬけるハナから、首筋に雪が侵入する。そのあまりの冷たさに思わず飛び上がった。 なのに、足元の雪は全然足りていない。うすく散り敷いた雪は鬼門だ。雪の下に木の根っこがあるとスリップ事故だ。 河内川の河床に降りる。雪がなければ、転石をぴょんぴょんする場面だ。それが、雪と水アカで危険度A。かといって、古い木橋を渡るのは、さらにサーカス並みだ。 キヨスミイトゴケに目を奪われる・・・しばらくあって、ふと目を上げると二本杉峠のコルにつながる609ピークが見えた。 高度820mあたりに、にぎやかに目印がある。正面のダイレクト尾根をたどらず、祠につながるトラバース道を探した。祠に至るルートは、下平からだけでないはずだ。それを確かめたい。 左のトラバースに入ると、倒木が道をふさいだ。回り込んだが、踏み跡がはっきりしない。いつしか、ケモノ道に吸い込まれた。 やがて、山頂に切れ込むルンゼが上がってきた。ケモノ道は絶妙に谷地形に降りていく。ルートは南向きに針路を変えた。だんだんヤブっぽくなってくる。たまらず、高度を上げる。すると、ピンポイントで『神社・三角点・下平登り口』の標識に飛び出した。 祠に立った。頭を垂れる。秋葉信仰と金毘羅信仰を担う神社だろうか。さらに南には、現役を退いた祠が雪に埋もれていた。 <南尾根の祠~矢岳山~802ピーク> 次は山頂三角点だ。先ほどの標識分岐の東に、もうひとつ分岐標識が立っていた。『左神社(下平登り口)・三角点・羽ヶ荘登り口』とある。本来の祠への登拝路は、きっとここに登りつくコース取りになっているはずだ。 山頂は、すべてが凍りついていた。防寒用グラブの指先がひどく冷たい。氷点下前後で登る山は、気温の日変化で湿雪に代わりやすい。防水機能のない手袋で不用意に雪に触れると、凍傷につながることもある。 さあ、林道をめざそう。西尾根ではなく、天竜川左岸尾根をたどろう。GPSなしでトレースするのは、緊張感が漂う。尾根型に乗るまでがハラハラする。狙う地形はトリッキーに凹凸を刻んでいく。地形と相談しながらじりじりと攻め歩く。 天竜川対岸の山並みがのぞいた。日本ヶ塚山や八嶽山だ。その左奥が碁盤石や離山。832ピークに立ち、明るい日の光を存分に浴びる。南東面は戸口山・愛宕山・竜頭山。北東面は井戸口・大洞・房小山・黒法師・黒沢山・熊伏。その奥手が、塩見岳だ。 <802ピーク~北条峠~登山口> このルートのフィニッシュは、林道「池の平矢岳線」への接続だ。素直に起伏を追えばいいのだが、標高850mラインを前に、身体がうずいた。微妙にケモノ道がトラバースしていく。それを追って、小尾根上に立った。道は、小尾根の南斜面にしぶとく伸びていく。 それを忠実にたどるが、倒木に阻まれた。やがて道を見失った。やむなくルンゼを直上してみる。しかし、谷地形がアイスクライミングになった。苦肉の策で、左岸側に回って上に見えるガードレールを引き寄せる。 ここから林道歩きだ。人なつこいルリビタキに遊んでもらって北条(ほうじ)峠に降りた。 常光寺と熊伏・観音の間に、面白い景色が見えていた。兵越峠から伸び上がる尾根が、朝日山・平森山・白倉山をつないで、中ノ尾根・鶏冠山・池口岳に向かってせり上がっている。 帰り道、中央断層帯を一望する展望台に立った。竜頭・愛宕・登気野・白倉・菖蒲根・戸口たちが勢ぞろい。お別れのあいさつに顔をそろえてくれたのかな。
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