和賀岳/甘露水

2022.07.10(日) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
10 時間 33
休憩時間
2 時間 13
距離
15.5 km
のぼり / くだり
1383 / 1380 m
15
2 52
52
26
28
31
22
28
1 51
10

活動詳細

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2022/6/11、僕は甲山・薬師岳を周回していた。2019年の夏に甘露水から和賀岳をピストンして以来、実に3年振りの和賀山域だった。そこに開き始めた花を見て、確かに僕は呟いた…「3週間後にニッコウキスゲとイブキトラノオの競演さ見に来るべ」と。現在の主だった興味は神室山域にこそあるのだけれど、昨年の真昼漫歩に始まった「県境の旅」プロジェクトも未だ生きている。 でも、そんな口先だけの呟きなんて何のあてにもなりはしない。酷い移り気なんだ。平日の夜に読んだガイドブックの一節に首根っこを掴まれて引き摺られたり、天気図の高気圧に吸いつけられるように流されたり…。そんな、軽薄と罵られても仕方のない一面が僕にはある。そして、片付くよりも速いピッチで積み増しされる宿題に悩み、ピリオドを打つことのできないプロジェクトのリストに溜息をつきながらも、なお、書棚からあふれた古いガイドブックの頁を微笑みながらめくり続けている、それが僕だ。だから、山吹色に染まった和賀の稜線を2022年の夏に歩くか否か、そこには確定的な決心など存在しないに等しかった。 でも、あの日から4週を経過した日曜を狙って、山仲間から入った連絡には「和賀岳」の指名があった。さらに会社の後輩からもフリープランOKで連絡が入った。ならば、皆で和賀岳に行こう。僕の愛車に二人を積んで、小さな落石が散らばるマギ林道を時速15kmで甘露水まで行こう。あとは本能に従って山を歩けば、僕と仲間は天国のお花畠で山吹色の歓迎を受けられるに違いない。円かなる和賀の柔らかな稜線を、花に囲まれて今、歩こう。 …というわけで、和賀岳です。花の情報がインターネットで広く共有されたためか、車も人も随分と多い一日だったと感じています。そして、確かに、10年に一度と言われるニッコウキスゲの大群落は圧巻でした。 そういえば、甘露水から涼見長根までの刈り払いが終わったそうです。ありがとうございました。

和賀岳・薬師岳・高下岳 フロントガラスに雨を受けながらのドライブを経て、3人パーティーで甘露水から入山しました。潤みを貰えたサワハコベが嬉しそうに笑う朝。
フロントガラスに雨を受けながらのドライブを経て、3人パーティーで甘露水から入山しました。潤みを貰えたサワハコベが嬉しそうに笑う朝。
和賀岳・薬師岳・高下岳 蒸し暑さのある森の中を一生懸命に歩けば、いつしか稜線の風景になりました。花開く直前の紫を濃縮したクガイソウ、その向こうに大甲が見えます。
蒸し暑さのある森の中を一生懸命に歩けば、いつしか稜線の風景になりました。花開く直前の紫を濃縮したクガイソウ、その向こうに大甲が見えます。
和賀岳・薬師岳・高下岳 薬師岳分岐の標柱をチェック。ここまでは先月歩いた(下った)道ですね。
薬師岳分岐の標柱をチェック。ここまでは先月歩いた(下った)道ですね。
和賀岳・薬師岳・高下岳 始まりのモミジカラマツがありました。中央黄緑のトゲトゲ玉が雌蕊、ワサっと広がった白い細いのが雄蕊(花糸)だったのか。そうだったんすね。
始まりのモミジカラマツがありました。中央黄緑のトゲトゲ玉が雌蕊、ワサっと広がった白い細いのが雄蕊(花糸)だったのか。そうだったんすね。
和賀岳・薬師岳・高下岳 少し進んでは立ち止まって振り返り、大甲-曲甲-中ノ沢-…の稜線形状を吟味します。神室と比べると柔らかくて落ち着く感じ。
少し進んでは立ち止まって振り返り、大甲-曲甲-中ノ沢-…の稜線形状を吟味します。神室と比べると柔らかくて落ち着く感じ。
和賀岳・薬師岳・高下岳 上は…朝間の雨を降らせた雲に、頭を押さえつけられた和賀岳です。そんな午前の風景でした。
上は…朝間の雨を降らせた雲に、頭を押さえつけられた和賀岳です。そんな午前の風景でした。
和賀岳・薬師岳・高下岳 揺れ動く空模様の下に真昼山地が見えました。昨年は少し多めに歩いたっけ。今季はどこから入ろうか…?
揺れ動く空模様の下に真昼山地が見えました。昨年は少し多めに歩いたっけ。今季はどこから入ろうか…?
和賀岳・薬師岳・高下岳 今度は、袖川沢の対岸にどっしり構えた白岩岳-小滝山に心を奪われて。刈り払いの塩梅はどうでしょうか…?
今度は、袖川沢の対岸にどっしり構えた白岩岳-小滝山に心を奪われて。刈り払いの塩梅はどうでしょうか…?
和賀岳・薬師岳・高下岳 「今日の本題」から逸れてばかりの私ですが、現在地はもちろん把握しておりますよ。
「今日の本題」から逸れてばかりの私ですが、現在地はもちろん把握しておりますよ。
和賀岳・薬師岳・高下岳 薬師岳もいつしか遠くなりました。頭上の雲が重い状況が続きます。
薬師岳もいつしか遠くなりました。頭上の雲が重い状況が続きます。
和賀岳・薬師岳・高下岳 小杉山を通過します。ぐっと近づいた山頂が、木々の隙間に顔を出しました。あと少し。
小杉山を通過します。ぐっと近づいた山頂が、木々の隙間に顔を出しました。あと少し。
和賀岳・薬師岳・高下岳 小鷲倉。この山、新旧2本の標柱が居並ぶケースが多いですね。
小鷲倉。この山、新旧2本の標柱が居並ぶケースが多いですね。
和賀岳・薬師岳・高下岳 藪の中にありながらも超然と輝きを放つ山吹色。その後ろには大甲-薬師の細尾根が。先月の記憶が蘇ります。
藪の中にありながらも超然と輝きを放つ山吹色。その後ろには大甲-薬師の細尾根が。先月の記憶が蘇ります。
和賀岳・薬師岳・高下岳 和賀川の源頭風景、未だ雪渓を失わず。そして、私の手の届かないところにも山吹色の帯が走っていました。
和賀川の源頭風景、未だ雪渓を失わず。そして、私の手の届かないところにも山吹色の帯が走っていました。
和賀岳・薬師岳・高下岳 登山道の無い支尾根の.1162近傍がスポットライトを浴びています。さて、いつからどこまで晴れるのか…?
登山道の無い支尾根の.1162近傍がスポットライトを浴びています。さて、いつからどこまで晴れるのか…?
和賀岳・薬師岳・高下岳 山頂を目の前にして、瑕一つないハクサンシャクナゲのナチュラルブーケを見せてもらいました。その微かな桃色、とても大事ですよね。
山頂を目の前にして、瑕一つないハクサンシャクナゲのナチュラルブーケを見せてもらいました。その微かな桃色、とても大事ですよね。
和賀岳・薬師岳・高下岳 山頂です。「岩根にカモシカ 笹やぶに熊 谷間にサルも遊んでいます」1964年。…カモシカと熊は見たことあるけど、山で猿を見たことはありません。50年でいろいろ変わったのでしょうか。
山頂です。「岩根にカモシカ 笹やぶに熊 谷間にサルも遊んでいます」1964年。…カモシカと熊は見たことあるけど、山で猿を見たことはありません。50年でいろいろ変わったのでしょうか。
和賀岳・薬師岳・高下岳 さて、下山しましょうか。有り難い光を貰って。
さて、下山しましょうか。有り難い光を貰って。
和賀岳・薬師岳・高下岳 やはり、光がある稜線は嬉しいですね。
やはり、光がある稜線は嬉しいですね。
和賀岳・薬師岳・高下岳 ところどころに藪っぽい区間もありましたが、足元が見えないほどではありませんでした。
ところどころに藪っぽい区間もありましたが、足元が見えないほどではありませんでした。
和賀岳・薬師岳・高下岳 現在地を変えるたびに見え方が変わる南方稜線。三次元イメージが徐々に仕上がっていきます。
現在地を変えるたびに見え方が変わる南方稜線。三次元イメージが徐々に仕上がっていきます。
和賀岳・薬師岳・高下岳 さて、小杉山からは白岩岳への分岐があるはずでしたが…どうやら濃密な笹薮に埋もれているようです。10mほど入ってみたらピンテありましたが、かなり辛口な印象でした。
さて、小杉山からは白岩岳への分岐があるはずでしたが…どうやら濃密な笹薮に埋もれているようです。10mほど入ってみたらピンテありましたが、かなり辛口な印象でした。
和賀岳・薬師岳・高下岳 再び近づく薬師岳です。
再び近づく薬師岳です。
和賀岳・薬師岳・高下岳 人が笹薮を切ることによって植生が変わるのでしょうか、登山道の脇を狙って山吹色が咲いているような気がしますね。
人が笹薮を切ることによって植生が変わるのでしょうか、登山道の脇を狙って山吹色が咲いているような気がしますね。
和賀岳・薬師岳・高下岳 力をグッと溜め込んで、爆発寸前のあなたはだあれ?
力をグッと溜め込んで、爆発寸前のあなたはだあれ?
和賀岳・薬師岳・高下岳 それにしても…急斜面の笹藪面積が凄い山だったんですね。アバランチリスク大き目と見えます。
それにしても…急斜面の笹藪面積が凄い山だったんですね。アバランチリスク大き目と見えます。
和賀岳・薬師岳・高下岳 さて。そろそろ「10年に一度クラス」を再確認する時間になりました。往路よりは光がありそうな。
さて。そろそろ「10年に一度クラス」を再確認する時間になりました。往路よりは光がありそうな。
和賀岳・薬師岳・高下岳 午後のブライトな光の中で、真昼岳を背景にイブキトラノオとの共演が展開されました。
午後のブライトな光の中で、真昼岳を背景にイブキトラノオとの共演が展開されました。
和賀岳・薬師岳・高下岳 往路では写真渋滞が目に付きましたが、少し遅い時間の下山になったら人も減りましたね。
往路では写真渋滞が目に付きましたが、少し遅い時間の下山になったら人も減りましたね。
和賀岳・薬師岳・高下岳 頭上の雲が無くなることはありませんでしたが、それも味わいということで。また今度、会いましょう。何年後になるのかわからないけど。
頭上の雲が無くなることはありませんでしたが、それも味わいということで。また今度、会いましょう。何年後になるのかわからないけど。
和賀岳・薬師岳・高下岳 傾きかけた午後の光を受けて、陰翳を深めつつある南方の稜線。帰宅後に地形図と首っ引きで、いちばん長時間見た写真になりましたが…やっぱり結局は行ってみないとわからない。
傾きかけた午後の光を受けて、陰翳を深めつつある南方の稜線。帰宅後に地形図と首っ引きで、いちばん長時間見た写真になりましたが…やっぱり結局は行ってみないとわからない。
和賀岳・薬師岳・高下岳 朝は見え切らなかった和賀岳も、なんとか全貌を現してくれました。重厚感ありますね。
朝は見え切らなかった和賀岳も、なんとか全貌を現してくれました。重厚感ありますね。
和賀岳・薬師岳・高下岳 真昼岳もズームで拾っておきます。あっちはギリシャ彫刻のイケメンみたいなゴツゴツ感あるっすね。
真昼岳もズームで拾っておきます。あっちはギリシャ彫刻のイケメンみたいなゴツゴツ感あるっすね。
和賀岳・薬師岳・高下岳 うん。今日もいい一日でした。
うん。今日もいい一日でした。
和賀岳・薬師岳・高下岳 森の中に帰ってきたら、夏の濃い緑の光が歓迎してくれました。
森の中に帰ってきたら、夏の濃い緑の光が歓迎してくれました。
和賀岳・薬師岳・高下岳 そんな緑が輝く森の中を、下って下って、予想よりも僅かに早い下山となりました。
そんな緑が輝く森の中を、下って下って、予想よりも僅かに早い下山となりました。
和賀岳・薬師岳・高下岳 暑い一日の締めくくりに有難い甘露水です。ありがとうございました。
暑い一日の締めくくりに有難い甘露水です。ありがとうございました。

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