加賀禅定道から白山

2022.06.27(月) 2 DAYS

活動データ

タイム

21:12

距離

26.8km

のぼり

3010m

くだり

2296m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
7 時間 43
休憩時間
26
距離
9.6 km
のぼり / くだり
1597 / 392 m
1
4 57
2
52
DAY 2
合計時間
13 時間 29
休憩時間
1 時間 5
距離
17.1 km
のぼり / くだり
1413 / 1886 m
1 3
1 2
3 14
31
56
59
2 21
19
47
1 18

活動詳細

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最短コースはつまらない。人も多い。昔の登山口とか、下の方から延々と登り、反対側の下の方まで延々と降りる。山頂の前後だけ多くの短距離登山者と会うが、残りの部分ではほとんど誰にも会わない。この手のロングトレイルが良い。探していたら、白山を見つけた。別当出合からの往復だけが全てと思い込んでいたら、そうでなかった。加賀から、美濃から、白川郷から。白山はロングトレイルの宝庫だった。もう少し調べると、白川郷からの登山道はあまり歩かれておらず藪がすごいらしい。他方、加賀の白山一里野温泉と、美濃の石徹白まではコミュニティバスがあることがわかった。これだ。石川県の一里野温泉から岐阜県の石徹白へ、白山に登って縦走することを計画した。 【1日目。白山一里野から奥長倉避難小屋】 金沢まで夜行バス。鶴来まで北陸鉄道の電車(金沢駅と、北陸鉄道始発の野町駅の間に連絡バスがあると帰途に知った。西金沢までJRで行くより連絡バスの方が便利)。鶴来から瀬女までバス(途中から小学生の通学用)。瀬女から白山一里野温泉までコミュニティバス(客は私だけ)。最初は檜新宮参道の登り。登山道は状況が良い。眺望は全くない。 そのうち降雨。何度か激しい通り雨。少し蒸し暑いのでレインウェアはできるだけ着たくない。特にズボン。脱着に時間をとられる。携帯電波はけっこう入る。ネットで雨雲の位置を確認するが、それと関係なく降ってくる。ウェザーニュースの雨雲レーダー、当たってない。ハライ谷登山口からしかり場分岐までコースタイム3時間のところ、私は4時間かかった。その後も、奥長倉避難小屋に着くまで断続的に降雨。この区間、雨が止むと羽虫がすごい。目や鼻に入ってくる。羽虫は2千メートルを越えたらいなくなった。小屋は私だけ。2階が入り口用の窓もあって良い感じ。毛布1枚とマット数枚があった。奥長倉避難小屋は携帯の電波が入る。ドコモ。 私は荷物を小分けでジップロックに入れてリュックに詰めて歩くが、今回のように1日じゅう雨の時は、ジップロックのチャックを丁寧に全て閉めておかないと水が入ったりする。要注意。 【2日目】 夜中に雨が晴れ、沿岸の街の灯が見え出した。午前3時に出発。四百丈滝展望台あたりでご来光。天池室跡から断続的に残雪。残雪の向こう側で夏道がどこに出ているかわかりにくい。ヤマップとヤマレコのスマホ地図で、GPSで位置確認して夏道とのずれを判断し、残雪の上をどこに向かうか考える。藪の中を降りて夏道に合流、といった行動を繰り返して進む。この日は晴れたので夏道探しを目視でもやれたが、ガスだとGPSだけが頼り。スマホ地図がないと全く進めない。油池までそういう感じ。四塚山の登りは雪がないが、四塚山から七倉山、御手水鉢にかけては残雪が断続。チェーンスパイクとストックだと限界に近い斜面のトラバースもあり、要注意。道探しとチェンスパ脱着に時間がかかり、コースタイムよりどんどん遅れる。このあたりは携帯電波が入らない。 トラバース時の笹の斜面歩きで滑り、ストックが折れた。伸ばしすぎており、ジョイント部分の樹脂に力がかかりすぎて折れた。ストックの伸ばしすぎは良くないと初めて知った。片方短いストックを使い続けて歩行継続。(下山後、モンベルでジョイント部分だけ注文して買えた。モンベルのストックは材料供給の遅れから全面的に在庫切れで新品は8月末まで買えない) 大汝峰の登りで晴れてきて快晴になった。この日は三の峰避難小屋まで行きたかったので、御前峰(白山山頂)は行かず、大汝峰だけに登った。そこから急に人がいる。一里野から大汝峰まで誰にも会わなかった。室堂までも残雪トラバースあり。室堂から御前坂(トンビ岩コース)を降りて竜南山荘に向かった。このあたりは携帯の電波が入る。梅雨明け宣言が出たことを知った。快晴になるわけだ。 トンビ岩の先で急な残雪地帯があり、雪渓をずっと降りて行っても夏道に出ない。雪渓の斜面がどんどん急になる。チェンスパだと止めきれないので雪渓の端の笹につかまりながら降りていくが、夏道がない。そのうちクレパスみたいな穴・割れ目が見えてきた。クレパスを避けるには、笹につかまるのをあきらめて雪面に出ねばならないが、斜面が急すぎてチェンスパだと滑落する。笹の斜面も急すぎて、残雪から離れて上がって進むのも無理。これ以上進めない。 晴れたので、雪渓の下の方に竜南山荘が見えている。しかし行けない。前面の別山の斜面も雪がけっこうついている。この先どんどん残雪が多くなり、チェンスパでは通行不能でないか。これまでの残雪地帯も、チェンスパ歩行の限界に近かった。ストックも折れた。縦走はあきらめて別当出合に下山した方が良い。そう決めて、室堂に引き返すことにした。 あとで考えると、室堂から竜南山荘へは、私が通ったトンビ岩コースのほかに、展望歩道など3本の道があり、それらのいずれかを通ればたぶん竜南山荘に行けた。あとでヤマップの記録を見ると、さいきん展望歩道を歩いた人の記録もあった。あとでヤマップの記録を見ていたら、実のところ別山方面は雪も少ないとわかった。別当出合に下山する必要など全くなかった。時間切れで三の峰避難小屋まで行けなくても、竜南山荘に泊まれば、翌日の夕方には石徹白に下山できたはず。しかしこの時の私は、急斜面の残雪の連続の末に、もう進めないと勝手に思い込み、他の方法を考えることもせず、別当出合に下山することにしてしまった。不必要に安全を過度に重視していた。残雪パニックだったともいえる。馬鹿でした。 室堂から別当出合への道は、延々とステップが作ってあり、それまでの登山道に比べて格段に快適だった。下山するほど、どんどん暑くなったけど。登山者が多い。 別当出合から鶴来駅までタクシーに乗った。メーターで16000円。途中のバス停がある瀬女までにしたかったけど、行き先が鶴来駅でも瀬女でも16000円だと言われた。他のタクシー会社もみんなその金額だよとダメ押しされた。仕方ない。制度的?ぼったくり。 後日、石川県タクシー協会に電話して尋ねたところ、別当出合や瀬女がある地域は「白山B」(加賀?)というタクシー営業区域で、そこで営業するタクシー会社は今1社もなく、他の営業区域のタクシーを呼ばねばならないが、その場合、乗車地もしくは下車地が自分の営業区域内にあることが必要で、別当出合から瀬女までのお客を乗せるわけにいかないのだという。鶴来駅は金沢営業区域だから、別当出合から鶴来駅までなら乗せられる、というわけだ。 また、あとで調べたら、別当出合から白山体験村・白峰車庫まで車道を3-4時間、15キロ歩くと1日3本、鶴来や松任に行くバスがあった。車道を3-4時間歩くのは苦痛だが不可能でない。その手もあったのだ。急なコース変更だと、調べ物をする余裕がない。 今回は初めての白山だった。2回目、3回目と来るしかない。16000円は学習代だ。 ★今回の教訓。 ・雨が降りそうな時は丁寧にパッキングし防水に努める。 ・アルファ米をおいしく食べる方法を確立していく。アマノフーズのフリーズドライ食品はおかずとして不適格。というか、おかず要らない。梅干し、うどんスープなどで良さそう。延泊用アルファ米を多めに持参し、何日でも山にいられるようにする。そうすれば歩行が遅延しても焦らず延泊しつつ予定のコースをゆっくり行ける。 ・残雪は危険が多いが、迂回、引き返しなどで柔軟に対応すれば大丈夫。怖くなってしまわない。 ・コースタイムからの遅れに対して鈍感になるべき。コースタイムくそくらえ。今回は山と高原地図も速すぎた。ヤマップは「コースタイム倍率」を1.3にして計画するのが良い。 ・同じ道を引き返す場合に備え、入山時の交通機関の時刻表などを消さずにスマホに残しておく。予定外の下山ルートの交通も事前にできるだけ調べておく。

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