バテバテ常念岳

2022.06.04(土) 日帰り

活動データ

タイム

12:23

距離

16.2km

のぼり

2129m

くだり

2115m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
12 時間 23
休憩時間
1 時間 16
距離
16.2 km
のぼり / くだり
2129 / 2115 m

活動詳細

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段々暑くなってきて、低山はちょっとしんどいかなという季節になってきたので、高いところにでも行くかなと考えたとき、「アルプスなんてどうだろう」という考えが浮かびました。 そこから、「具体的にどの山が良い?」「そういえば、前に表銀座縦走をしたときに常念岳が気になったなぁ」「なんか山行記録いっぱいあるけど、みんな雷鳥に出会えてる?見たい!」とトントン拍子に考えがまとまり、行き先は常念岳に。 そして、いつものように、「せっかく遠くまで行くんだから、近くのピークももう一つくらい楽しみたいよね」ということで、三股からの常念岳、蝶ヶ岳周回コースを歩くことにしました。 ......まさかあんなに苦労するとは思わず。   金曜日の夜に松本入りして前泊し、翌日(土曜日)3時過ぎに出発、4時半前に三股駐車場に到着。ハイシーズンでもなく、また土曜日の朝ということもあってか、第一駐車場にはまだ多少の空きがあり、すんなりと停められました。 お手洗いを済ませて準備したら、早速出発して、まずは三股登山口を目指します。三股登山口までは渓流沿いをのんびり歩く、癒される林道が続きます。 20分ほど歩いたら三股登山口に着きます。ここに登山届を出す場所と最後のお手洗いがあるので、必要な人はここで済ませる感じですね。   三股登山口から登り始めると、早速、常念岳方面と蝶ヶ岳方面の二つにルートが分かれるので、常念岳ルートに向かいます。今回のメインはあくまで常念岳なので、途中でバテて常念岳を諦めるなんてことにならないよう、メインを先に目指します。 三股登山口から前常念岳までのルートは展望のない樹林帯の中、比較的傾斜のキツいところをひたすら登り続けるので、忍耐力が試されます 笑 とはいえ、新緑の季節ということもあり、見上げれば木漏れ日に映える若芽が青々として綺麗で、標高の高さもあって気温も10℃前後と比較的涼しいので、足を止めて森の空気を楽しむのも気持ちがいいものです。足元を見れば朝露に濡れたコケや、コイワカガミ、ニリンソウ等の可憐な花も顔をのぞかせ、楽しませてくれます。   そんな具合で、マイペースにのんびり登っていると、徐々に木々もまばらになり、木々の奥に見える空には白くモクモクとしたものが...。 「これは...!」とはやる気持ちを抑えつつ、先に進み、梯子を上ると、ちょっとした展望台のようになった岩場があり、一気に視界が開けます。 目の前には見渡す限りの雲海、そして、雲の中から頭を出す八ヶ岳、南アルプス、富士山等のそうそうたる顔ぶれ。これだけでも来た価値があると思える絶景が広がります。 しばらく景色に見惚れながら動画や写真を撮り、気が済んだら再スタート。前常念岳を目指します。   ここの展望ポイントから常念岳山頂までは岩場メインになり、傾斜もなかなかキツく、その上、若干ルートが分かりにくく、浮き石もところどころ出てくるので注意しながら進みます。 展望ポイントから少し進むと前常念岳の避難小屋に着きます。ここまでくると、森林限界もとっくに超えているので、どちらを向いても素晴らしい景色が見えます。 そんなわけで、休憩しつつ周りの山や、常念岳の山頂等を眺めていると......大きな岩の先に鳥の影が。 本当に遠くにシルエットを見ただけなので、断定はできませんが、おそらく雷鳥だったと思います。ここで、「今日は常念岳を登るだけじゃなくて、雷鳥にも会わないと!」と本来の目的を思い出し、ここからは周りを注意深く眺めながら進みます。   ...が、そんな注意深く観察するまでもなく、登山道のど真ん中にひょっこりと雷鳥が...笑 まるで人を気にする素振りもなく、マイペースにハイマツをついばんでは、ぽけーっと周りと見ています…。 「じゃあ、遠慮なく」ということで、たっぷりと写真と動画を撮らせてもらいました。ここで軽い雷鳥渋滞が起こりました 笑   これで今日の目的は一つクリアしたので、あとは常念岳山頂まで200mちょっと標高を上げます。数字だけ見れば大したことはないのですが、今まで以上にキツい岩場になり、ここに来て予想以上に足に来てしまったのかペースダウンしてしまいました。 ...が、特に危険な場所もなく、マイペースにゆっくり進み、常念岳山頂へ。 とても天気が良く、これ以上にない絶景が360度見渡す限り広がります。先ほどの展望台からは見えなかった表銀座方面の山々も見え、山頂の祠越しに槍ヶ岳も綺麗に見え、まさに圧巻の景色でした。   しばらく景色を楽しみ、写真や動画も撮り、水分とエネルギーを補給したら、先もまだ長いので早めに出発します。 今回の山行のメインは常念岳と雷鳥でしたが、「正念場」はむしろここからなので気を引き締めて進みます。 常念岳から蝶ヶ岳方面に向かうルートでは、まず山頂から一気に標高を下げていきます。結構急なところで岩がちなので、足元に注意しながらゆっくり進みます。ところどころ、表銀座等でも見るような岩場もあり、アップダウンも多く、徐々に疲れがたまっていくのを感じます。   そして、しばらく進むと......いよいよ残雪エリアに突入です。しばらくはそのままでも歩ける程度の残雪ですが、2512m峰辺りからはしっかりと雪が出てきて、シャーベット状になっているため滑りやすく、また元々傾斜もあるところなので、かなり体力と精神力を使います。 このときは「チェーンスパイクでは役に立たない」という話を事前に聞いていたので、6本爪の軽アイゼンを使っていたのですが、軽アイゼンでもかなり滑りました。シャーベット状になっているので、トレースを辿ってもずるずると滑り、傾斜の急な登りでは蹴りこまないとキツいのに6本爪ではうまくいかないという有様でした。 さらにしんどいのが、残雪ということもあって雪のある箇所が断続的に現れる状況で、いちいちアイゼンを着脱していたら面倒な上に時間も無駄にしてしまうので、雪のないところもアイゼンを付けたまま進まざるを得ないのですが、岩や木の根が多く、アップダウンもキツいルートなので、アイゼンをつけたままでは歩きにくい上にひっかけるリスクもあり、かなり体力を持っていかれる上に、脚に来る感じでした。 このときは、補給も十分にできていなかったため軽いシャリバテにもなっていて、一気にペースダウンしてしまい、下山時刻が気になって多少焦りも出てきていました。 そんな感じで、この辺りはもう前に進むことで精一杯で景色を楽しむ余裕もありませんでした…笑   そんなキツいルートをしばらく行くと、ようやく蝶槍が見えてきます。蝶槍手前の標高2500mちょっとのところからは雪も綺麗になくなり、アイゼンを外し、ポールもしまい、一旦糖分と水分を補給して進みます。既にかなり体力を持っていかれていたため、そこそこ急な傾斜がキツく感じますが、ここさえ登り切れば、あとは蝶ヶ岳ヒュッテや蝶ヶ岳山頂まではほぼ平坦なので、気力を振り絞って進みます。 そして、ヒィヒィ言いながらなんとか登り切ると、目の前には蝶ヶ岳までの気持ちのいい稜線が見渡せます。 これを見た途端、「あ、早く歩きたい!」と思ってしまい、蝶槍での写真撮影もそこそこに先へと進みます。   ここからの稜線歩きは本当に気持ちよくて、右を見れば北アルプスの山々も見渡せ、折れかけていた心も(多少)元気を取り戻しました。ただ、疲労はたまっていたので、ペースはだいぶ落ちたままで、下山時刻がひたすら気になり、あまり余裕こいていられな状況でもありました...。 そんなこんなで、若干焦りつつも、せっかくここまで来たんだからとできる限り今の目の前の景色を楽しんで目に焼き付けようと、しきりに周囲を見渡し、動画も撮りながら気ままに進み、ついに蝶ヶ岳ヒュッテ、そして蝶ヶ岳山頂に到着です。 ここでだいぶエネルギー不足と水分不足を痛感していたので、蝶ヶ岳ヒュッテでペットボトルのコーラとポカリを買い、蝶ヶ岳山頂で景色を楽しみながら、まずはコーラを飲み干します。いつもは下山後の儀式的に飲んでいるものを、今日は下山開始の景気づけに飲みました 笑   糖分と水分を補給し、しっかりと身体を休めたら、蝶ヶ岳山頂手前の急斜面を下ります。 傾斜もキツい上に雪もあるということで警戒していたのですが、この辺りはしっかりと雪が残り、積雪期の雪山と変わらないので、むしろ雪の上をざくざくと歩けばしっかりと足が雪に入るので滑ることもなく、ラクに下りることができました。 問題はそこから先で、また樹林帯の中で残雪が出ては消えという区間が標高2200mくらいのところまで続きます。またアイゼンを履いたまま歩き続けるハメになり、しんどいやら面倒やらで、もう心は無になっていました... 笑 正直なところ、ここまででもう体力も精神力もだいぶ削られていたので、もうひたすら「作業」で三股登山口まで下っている感じでした...。   そして、16時50分頃にヒィヒィ言いながら、駐車場まで無事下山。前半楽しく後半しんどい常念岳・蝶ヶ岳周回を無事に終えることができました。 次に来るときは、常念岳はピストンにするか、大天井岳に抜けようかなぁ...というのが正直な感想です…笑

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