剣山系の縦走路調査(名頃〜見ノ越)

2015.10.12(月) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
7 時間 1
休憩時間
1 時間 4
距離
19.5 km
のぼり / くだり
1476 / 1435 m

活動詳細

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名頃から見ノ越と聞けば、四国の岳人なら99.9%は三嶺から剣山の縦走を連想するはず。 しかし、その反対側にも縦走ルートが存在する。それが塔ノ丸から丸笹山の縦走路である。 この縦走路、塔ノ丸山頂〜丸笹山山頂まではよく整備された一般登山道であるが、名頃〜塔ノ丸、丸笹山〜剣神社(見ノ越)はバリエーションルートとなり、山岳地図には載っていない。しかし、薄いながらも踏み跡はあるらしいので、今回ルート調査という名目でマゾることとした。 午前4時に自宅を出発し、午前6時30分に剣山見ノ越登山口に到着する。ここに自転車をデポするのだが、見ノ越から見る剣山は見事に色付いている。山が色付けば、登山者も色付くはず! そう、剣山にはカラフルなウェアを着た山ガールが集まるはずだ! 山ガールとの出会いを求め剣山に登りたい…、登りたい…、登りたい…。しかし、己の中の女王さまが許してはくれない。「貴様の最近の山行は浮き足立っているんじゃないか⁈」、女王さまはそう言って僕を突き放す。 「しょうがない、今日はマゾるか…」 自転車をデポし、三嶺の登山口である名頃駐車場に移動する。道中から見る三嶺は山頂が赤く色付いている! 「俺、やっぱり三嶺に登りたいっすよ」と女王さまに懇願するが「お前みたいな下ネタ野郎に紅葉を楽しむ資格はない。藪に入っていろ!」という、愛のムチが振り下された。 「しょうがない、今日はマゾるか…」 名頃駐車場では、みんなが三嶺登山口に向かっ歩いているのに、僕だけが登山口を背にして歩き出す。後ろ髪を引かれ何度も登山口を振り返り「何で俺だけ…」とつぶやき、そして肩をガックリ落として名頃駐車場から出て行く僕の姿はかなりシュールな光景だったと思う。そして、カカシしかいない名頃の道を哀愁を漂わせながらとぼとぼ歩いて行く。 昔、妻に言われた言葉を思い出す。貴方は加藤文太郎さんのように「孤独」の人だねと。いや、そこは「孤高」の人と言ってくれないと、僕はただの可哀想な人になってしまうじゃないか…。でも、今は妻の言う通り、可哀想で残念な「孤独の人」なのである。 【名頃→塔ノ丸】 名頃から塔ノ丸への登り口は、以前は民家の裏庭にあったらしいのだが、現在は名頃小学校近くの橋の袂となっている。勿論、登山口には標識なども無い。この藪に覆われた登山口の前に立った時、何か自分が惨めに感じてならなかった。やっぱり華やかな剣山や三嶺に登りたい…。 でも、ここまで来たら行くしかない。意を決して、いや、半ばヤケクソで、藪に覆われた登山口に足を踏み入れる。あー、この藪を掻き分ける感覚久しぶり。でも嫌いじゃない。早くもマゾの血が騒ぎだす! この時点でもうルートが何処なのか全く分からない。いや、ルート自体存在しないのだ。山師さんのものであろう薄い踏み跡が付いているが、どうやらそれは塔ノ丸には向いてないようだ。 以前登られた方のGPSログを頼りに尾根を探して登って行く。踏み跡はかなり薄いので、人のものなのか、獣のものなのか判断できない。ただ幸いにも、下草が殆ど無いので基本どこを歩いても構わない。危険箇所は無いが急登の連続。しかも人の気配など全くなく、ただただ孤独。これは登山という名の罰ゲームなのか⁇と思う位のつらい登りが続いた…。 登山口から1時間程で尾根に出た。ここからは快適な森歩きと思いきや、またも急登。木々の隙間から三嶺が見えるたびに、あちらに登れば良かった…と後悔する。登山口から約3時間で塔ノ丸山頂に到着する。道中出会ったのは鹿二頭のみ。山ガールどころか人間を見ていない。 身は無事であったが、自撮りのマストアイテム三脚を奉納してしまうというミスを犯してしまった。 【塔ノ丸〜ラフォーレつるぎ山】 塔ノ丸山頂に到着した途端に雲行きが怪しくなった。やはり僕が雨男だからか⁇ それにしても、この天気の急変は異常である。 山頂からは四国を代表する剣山系の山々が一望できる。特に剣山から三嶺に延びる美しい稜線は、この山から眺めるのが一番綺麗だと思った。もっとこの雄大な景色を眺めていたかったのだが、目標タイムをかなりオーバーしている為、次の目的地に向かう事にした。山頂を下り始めて直ぐに、向かいのピークからこちらに歩いてくる登山者を確認する。すれ違う時に挨拶程度の会話を交わして行き違う。そしてふっと気づく… 原因はこれだ! 先程すれ違った登山者は「サンバイザー」を被り、1人で「剣山系の山」を歩き、そして「雨雲」が発生した…。きりやんさんだ…。 雨男同志が鉢合わせする場所が晴れる訳がない(笑) きりやんさんと話をしたかったが、シャリバテ気味で塔ノ丸を登り返す元気もないので先を急ぐ事にする。この塔ノ丸の通常ルートは良く整備されており快適に歩く事ができる。そして何より剣山〜三嶺までの美しい稜線を一望できるというところがこのコースの醍醐味だと思う。また、冬はスノーシューハイクにオススメの山とのことだ。 【ラフォーレつるぎ山】 塔ノ丸の本来の登山口から車道を200m程歩くと夫婦池が現れ、そこにラフォーレつるぎ山という宿泊施設がある。次の目的地の丸笹山への登山口は、この施設の駐車場にある。ラフォーレつるぎ山前に設置されているピクニックテーブルで昼食を摂ることにする。そして赤色に輝く自動販売機を発見してしまった。自分のポリシーとして、登山中の自販機使用は禁止としていたが、山ガールにも会えず寂しい思いをしている自分への景気付けとして、コカコーラを購入する。やっぱり山コーラは最高であった! ふと、駐車場に目をやると、きりやんさんが丸笹山に向かって歩いている。話をしたかったので、私も慌てて身支度をし、後を追いかける。男を追いかけるマゾなおっさん。まさしく「きりやんに忍びよるマゾの影」といった感じだ。 【ラフォーレ剣山→丸笹山】 身支度に時間が掛かってしまい、きりやんさんから10分程遅れて丸笹山に登り始める。この登山口には二つのルートがあるが、一つは登山道が崩落していて立ち入り禁止となっているので、きりやんさんに追いつけなくても途中で鉢合わせする筈。その時に備え、超爽やかな笑顔を準備しておく。しかし、歩けど歩けど、きりやんさんは現われない。40分程で山頂に着いたが、きりやんさんの姿は見当たらない…。さては、コーラを慌てて飲んだしまい、「グゥエ〜、ゲプ〜」という甘い吐息を撒き散らしながら登ってくるマゾなおっさんに恐れをなしてバックれやがったな…。 でも、安心して下さい、私は男より山ガールの方が好きですから。 消えたきりやんさんの真相は、きりやんさんの活動記録を参照して下さいm(_ _)m 【丸笹山→剣神社(見ノ越)】 丸笹山山頂には、更に奥の赤帽子山へと続く縦走路と、先程登って来た登山口に下りる登山道の二つの道しかない。 では、どうやって剣神社に下りるのか? 答えは簡単、道無き道をただ進むのみ。山頂からは見ノ越駐車場も見えるので進むべき方向は明確であり、とにかく尾根伝いに下っで行けばいいのだ! 勇気を出して下っていくが、斜度が半端ない!しかも踏み跡は殆どないし、テープも気紛れ程度。「俺は遭難したのか⁇」というスリルを味わいつつ、高度を下げて行く。すると段々と踏み跡は明瞭となり、テープも目に付くようになる。後は簡単、何も考えず、ひたすら下ればいいのだ。そして剣神社に到着。 無事に到着できた安堵感に包まれる。 【見ノ越→名頃】 デポしておいた自転車でひたすら下る。ペダルを踏む必要は殆どなし! 最後にこのルートに関しては、単体で使うことはお勧めしません。苦しいだけです。 しかし、剣山〜三嶺の縦走に付け加えたいと思うおマゾ様にはお勧めします! 距離にして30キロ、高低差累計3,000メートルは余裕で超えると思いますので、ビバーク覚悟で登られた方がいいかと思います! 我こそはと思うマゾリスト、是非ともチャレンジして下さい^^

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