四国遍路 88+別20 : Day 19

2022.05.13(金) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
3 時間 36
休憩時間
4
距離
8.6 km
のぼり / くだり
608 / 483 m
1 54
1 11

活動詳細

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四国歩き遍路(88&別格20)19日目。 勝浦町横瀬橋〜稼勢山(鹿背山)〜旧えびす神社跡〜ふれあいの里さかもと 勝浦町道の駅ひなの里〜ふれあいの里さかもとまで、とにかく可能な限り山の中を行くルート企画第2段。 第1段は5月8日、南北両側を山脈に挟まれた勝浦町の北側の山脈、中津峰山から剣山系の稜線を逆走して杖立権現から坂本地区に下りるルートでした。 今回はそれでは南側の山脈ですが、道の駅の南側の山はモロに次の20番札所鶴林寺なので、それは明日へ後回しです。勝浦町横瀬地区の東端、横瀬橋を渡ったあたりから「横瀬富士」稼勢山(以前は鹿背山という字をあてていたそうです)経由で「ふれあいの里さかもと」へ行けるのではないかと考えました。 (勝浦町のもっと東のエリアの南側の山々、つまりお隣の阿南市加茂谷地区との境界沿いに連なる山々ですが、こちらにもアンテナ整備用の林道がほぼ稜線沿いにずっと通っています。ローソンを過ぎてすぐの小道を南へ進むと山の中に入っていき、鶴林寺手前の鶴峠までずっと行くことができます。整備道路なので車でも通れないことはないのですが、頻繁に陥没しているので軽トラかオフロード車でなければ無理。歩きやランなら大丈夫です。) 稼勢山の南側、勝浦川沿いには舗装林道が上勝までずっと続いていて、巨神兵のお気に入りのランニングルートでもあります。景色が良く日陰で車はまず通らないので。また、坂本地区側から稼勢山の旧えびす神社跡までは登山道があるらしく、YAMAPでもいくつか以前歩いた方々の記録が見れました。 また、国土地理院のサイトで地図を拡大してみると、旧えびす神社跡付近を通る林道が数本、下の舗装林道まで繋がっているようです。これで一本につながったルートができました。 13日の金曜日の朝、徳島駅前のホテルをチェックアウトして10時台の勝浦町行きのバスへ。今日の天気は雨模様なので傘は用意済みです。 「横瀬東」バス停で下り、すぐ横のJAのショップ前の自販機で最後の水分補給。 霧雨と靄で煙る山々の美しい景色の中、稼勢山南側の林道へ繋がる道路を上っていきました。これぐらいの雨であれば、気温が下がってかえって歩きやすく、山々や緑も水に濡れて緑に光、霞たなびき幽玄な雰囲気がたまりません。なにより、ギラギラとした明るい光で名所と暗所の激しすぎるコントラストができないので、写真の撮影成功率が飛躍的にアップという、私的には晴れで真っ青な空よりはむしろ好きな天気です。 稼勢山南側の細い舗装林道はアップダウンはなくほぼ平行移動。足元に見える勝浦川と対岸の山々の景色がとても良く、とても静かです。小さなダムを過ぎ、行く手に水力発電所が見えるとそろそろ曲がるサイン。 ちょうど発電所の対岸あたりにある無人の家の左手の脇に上っていく道に入りました。 ちなみに、もしも山の上の方の林道が荒れていたりなんだりで歩けなさそうな場合は、またここまで戻ってきて、下の舗装林道をまっすぐどこまでも行くと上勝町の入り口のトンネル付近に出るので、そこから県道16号を戻って新坂本トンネルからふれあいの里さかもとに行けばいいや、というプランBも考えてはいました。 山へ上っていくコンクリ舗装道はなかなか状態も良く、どうやら近隣の農家・林業さんたちが定期的に行き来はしているようです。雨で道路脇のあちこちの水路がそこそこ見ごたえのある滝になっていました。 ゆるい傾斜でジグザグと登り高度が上がっていくと、少しずつ周りの景色がけむり始め、雲や靄に包まれた部分に入ったようです。木々の間が白くかすみ、靄の濃い部分だと巨神兵が少し離れると見えにくくなるぐらいで、とても良い雰囲気。もちろんこれは私達がはっきりとした道の上を歩いているから言えることであって、もし踏み跡も不明瞭な山の中でこの状態であれば、進まずに下の舗装林道を選択したと思います。 ジグザグの登りが終わり、稜線近くに到達して道がほぼフラットな横移動になった所で、いよいよ舗装が消え、未舗装の林道に変わりました。それでも幅は広く、よく整地されていて歩きやすい道です。 静かな静かな白く霞む木々の間をひらすら歩き、ついに何やら奇妙な枝ぶりの大樹の根本に石室に入ったお地蔵さんがある場所に着いた。靄もあり、ぱっと見た目ではそこに分岐があると思わずまっすぐ行きそうになるも、念の為と登山アプリに入れていた予定ルートを確認してみれば、ここが稼勢山の山頂付近の旧えびす神社への山道との分岐点。そして木の後ろ側を見てみれば、しっかりと看板と矢印があった。 ここからは自然の雑木林の中の尾根筋に続く踏み跡とピンクテープを頼りに先程までよりも遥かにきつくなった勾配を上ることに。足元が濡れた枯れ葉で滑りやすくなり、木々の間も狭くなったので、傘は閉じ両脇の細い木々を両手で掴みながら登っていきました。ところどころ勾配の特にきつい箇所ではロープがつけてありました。ここを登るのはまだいいけど、下りはまじめに危ないだろうなぁ、坂本へはここまで戻り返さないといけないのかぁと思っていたら、一番の急勾配箇所は過ぎて神社跡はもう少しという所に、右手の方への下り道があり「ふれあいの里帰路」と看板があり、ほっと一安心。 一旦その分岐点を過ぎ、岩がゴツゴツとでた稜線を少し登のぼればすぐに、旧えびす神社跡地がありました。 今はもう神社を囲んでいた石積みや、御神体が入っていた?石室しか残っていませんが神秘的な雰囲気が漂う場所です。靄の中なので木々の向こうに眺望があるのかどうかはまったくわかりませんでした。来た時と逆の方向、御神体の石室の脇の方から下へ細い山道が続いているようにも見えましたが、あまりにも険しい感じだったのでどうでしょうか。 おそらくこの付近に、稼勢山標高501.4mの三角点も会ったのかもしれませんが、私達はピークハントにはそれほど興味がないので、えびす神社跡地からは早々においとましました。 先程の分岐点まで下り、いよいよふれあいの里さかもとへ向かう下山道です。最初こそ「ああ、これなら気軽に行けそう」と思ったのもほんの束の間、倒木がどんどんと立ちふさがり、しかも勾配がきつい上に降り積もった枯れ葉が当然濡れている。ところどころザレて道が傾斜していたり細くなっていたりで、これはこんな天気の時に下りで利用する道じゃなかった(汗)とヒヤヒヤしながら下りていきました。しかも、長い。けっこう長い。登りならば細かろうとザれていようと滑り落ちる危険は少ないとしても、この距離この勾配を登るのはさぞかしきつかろうと思いました。 それでも、ようやく道が徐々に広くなり平らになり、コンクリ舗装や田舎定番の放棄自動車などが出てくると、坂本地区の集落はもうすぐ。ところどころに地元の人達がつけてくれている「かせ山トレッキングコース」の看板を頼りに道を下りると、どことなく見覚えのある分岐にたどり着きました。真っ直ぐ行くと「慈眼寺」という看板があり、ああ、これはほんの数日前に通った慈眼寺への遍路道に繋がったのか、と初めて納得。ならばこの横の茂みを抜ければもう真下がふれあいの里周辺の集落だと最後の細い山道を下りました。 先程まで中をさまよっていた稼勢山は、幾重もの靄に包まれたとても美しい姿で少し向こうにそびえていました。あれだけの靄の中ならば、周囲が白かったのもうなずけます。 ふれあいの里さかもとには午後3時過ぎに到着。バス停から歩き始めたのが11時半過ぎだったので、実は3時間半ぐらいしか歩いてなかったのでした。 もう何度目かもわからない「ただいま」「いらっしゃい」の後、濡れて汚れた服は洗濯機につっこみ一番風呂。明日からいよいよ本格的にアクセル全開で前進開始の歩き遍路に向け、準備を整え、ゆっくりと休みました。

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