日帰り前掛山

2022.05.08(日) 日帰り

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活動データ

タイム

07:58

距離

11.7km

のぼり

1247m

くだり

1244m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
7 時間 58
休憩時間
1 時間 10
距離
11.7 km
のぼり / くだり
1247 / 1244 m
8
56
48
7
40
8
14
8
24
3
53
54

活動詳細

すべて見る

同期・後輩たちと一緒に、ずっと行きたいと思っていた前掛山へ。 もともと天狗温泉から登るつもりでいたが、当日朝から浅間山荘で山開きのイベントがあると知り、混み合いや駐車の困難を避けるため、車坂峠の方から登ることにした。 車坂峠の登山口は高峰高原ビジターセンターの近くにあり、駐車場もビジターセンターのものを利用することができる。ただし、駐車場は午前8時にならないと開かないため、一旦浅間2000の駐車場に駐車し、準備をしてからビジターセンター駐車場へ向かった。 午前8時、表コースで登山開始。風弱く快晴。絶好の登山日和である。車坂峠は登山口の時点で2000m近くあるため、開始直後からシャクナゲ・ダケカンバなどの亜高山帯の植物が出迎えてくれる。木々はまばらで樹高も全体的に低く、道が明るい。登り始めからこういう高山の雰囲気を味わえるのはこのコースならではで、なんだか新鮮だった。 徐々に高度を上げていくと、浅間2000の斜面の向こうに、白馬の山々が見え始める。そこから視線をすこし南に向けると、まだ雪を被った北アルプスの山々や乗鞍岳が遠くに見える。その手前には八ヶ岳が見え、眼下には佐久盆地が広がる。この高度感がたまらない。冬と同じ場所から、全く異なる景色を楽しむことができ、季節の移り変わりを切々と感じた。 1時間ほど進むと、不意に浅間山の山体が顔を見せ、ほどなく「槍が鞘」に到着した。やはりいつ見ても浅間山はとにかくデカい。雄大という形容がぴったりである。まだ午前9時前だったが、前掛山頂付近にはすでに人影が豆粒のように見えた。「今日はあそこまで登るのか」と考えると、楽しみでゾクゾクした。 槍が鞘から一旦下り、登り返すと「トーミの頭(かしら)」に到着する。トーミの頭からは浅間山がますます大きく見えた。このトーミの頭を過ぎてすぐの所に分岐があり、ここを右に行く。冬は行けなかったルートであり、完全に未経験のコースとなる。どんなところなのか、期待は高まるばかりだ。 分岐からは、トーミの頭の直下の急斜面をつづら折りに下る。この斜面は「草すべり」と呼ばれている。低いササに覆われた斜面は見通しが良く、下っていて気持ちが良い。時折あるマツの木や岩がササ原によく映えていた。草すべりの下の方まで来ると、まだ展葉していないカラマツの疎林が広がり始める。風のせいか、はたまた土のせいか、周辺のカラマツは全体的に小さくてかわいい。なかなか他の山では見られない景色に、静かに感動を覚えた。 不思議なカラマツ林を進むと、天狗温泉からの登山道との合流分岐に到着した。この分岐を左に行きしばらく緩やかに登ると、カラマツたちが徐々にまばらになっていき、浅間山の山体に取り付く頃には、木が無い荒原の風景が広がるようになった。黒い砂と、ゴツゴツして赤みを帯びた灰色の石のみが斜面を構成しており、なんだか殺伐としている。この周辺は「賽の河原」と呼ばれているが、まさに言い得て妙である。景観が目まぐるしく移り変わり、面白い山だなと改めて思った。 ひたすら砂の斜面を登っていくと、左手に群馬県の畑風景が広がり始める。目線を少し上げると、まだ雪が残っている志賀高原や草津白根山が遠くに見える。左手前、トーミの頭のある稜線の奥には四阿山が見えた。歩いてきたコースもよく見える。一度下って登り返すかたちで来ているため、高度感が半端ではない。風が気持ち良い。最高である。 斜面を登りつめると、浅間山の肩に出る。平らな地形にゴツゴツとした岩場が広がっており、休んでいる人たちがちらほらいる。噴火時に逃げ込むシェルターが設置されていて、いつ噴火してもおかしくない活火山であることを改めて意識させられた。 ここから稜線を少し登り、前掛山へと向かう。稜線の左側は切れ落ちていて、右側は砂の斜面が広がっている。20分ほど歩くと、前掛山頂に到着した。砂の山頂には遮るものが何もなく、360度の大パノラマが広がる。看板の後ろには浅間山の本体が鎮座していて、あそこまで行って火口を覗きたいという気持ちを抑えるのに苦労した。 風がすこし強かったので、山頂からは早々に引き上げ、先ほどの肩で昼食を食べることにした。ゴツゴツした岩が風防の役割を果たしてくれて、ガスバーナーの火が安定した。昼食はカップヌードルのチーズカレー。やはり山で食べるカップ麺は至高である。 寒くなる前に下山開始。トーミの頭までは来た道を戻るだけだが、草すべりを登り返すのはなかなか大変だった。しかも、草すべりの途中で、片方のサイドバッグ(グミ入り)が無くなっていることに気づいた。不覚である。去年の9月にも烏帽子岳で同じミスを犯しているだけに、本当に悔やまれる。烏帽子岳の時は山頂に忘れたため、のちに色々あって回収できたが、今回はおそらく登山道のどこかに落としているため、その望みは薄いだろう。本当に悔やまれる。 草すべりではもう一つイベントがあった。登りもあと少しというところで、至近距離でカモシカ先輩と鉢合わせたのだ。距離は5mといったところで、不覚にも上をとられている。前を通り過ぎようとすると立ち上がって威嚇してくる。いかに縄張り意識のない草食動物とはいえ、ああも威嚇されたらさすがに怖い。10分ほどお互いに牽制しあったが、最終的にはカモシカ先輩がどこかに行ってくださった。あーよかった。助かった。 トーミの頭から先は、行きで通らなかった中コースを使って下山した。完全に森の中のコースで、日当たりが悪いため雪がそこそこ残っており、雪と戯れながら下っていくと、ビジターセンター駐車場に到着した。 今回のコースは本来予定していたものではなかったが、思っていたよりもはるかに面白い山行になった。歩きやすいが景色は良く、山にほとんど行かないメンバーもいたが、楽しんでくれていたようでなによりである。こんどは天狗温泉からも登ってみたいものである。

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