活動データ
タイム
03:59
距離
3.5km
のぼり
611m
くだり
611m
活動詳細
すべて見る2022年4月23日、「秩父のジャンダルム」や「クレイジーマウンテン」などの異名を持つ二子山に登りました。駐車場からすぐに岩場が楽しめる「倉尾登山口」から東岳、西岳を登ります。東岳は股峠からのピストン、西岳は上級者コースで山頂を目指し、岩稜を歩いてぐるりと周回するコースに挑戦しました。 【お知らせ】 このルートの解説動画を公開しました!よろしければぜひご覧ください。 ★【危険ルート徹底解説】秩父のジャンダルム・二子山 ~クレイジーマウンテンに挑む~ https://youtu.be/rCv_Q8Go9kQ ★ひとり登山チャンネル https://www.youtube.com/channel/UCMIE12AHq1elXrToA88tqAg 【アクセス】 秩父市街から国道299号を西へ走り、林道西秩父線へ。林道に入るとすぐに二子山への「坂本登山口」がありますが、こちらから股峠へは歩いて50分程かかります。もう一つの登山口「倉尾登山口」を目指して5.6kmの林道を25分程走ります。道は全線舗装されていますが、あちこちに落石があったりシカなどの動物が路上にいたり(特に夜間)します。 倉尾登山口の50m程先の右手に10台ほど停められる駐車スペースと、2つのトイレがあります。トイレは山の仮設トイレとしては匂いもなく清潔でしたが、紙はありませんでした。 今回は二子山と武甲山の2山を1日で巡る計画のため、こちらの駐車場で車中泊をしました。前夜21時頃から早朝に行動開始するまで1台も車は来ませんでしたが、9:30頃に下山すると駐車場は満車。駐車場前後の林道も、路肩に100m以上車が停まっていました。駐車禁止の道ではありませんので、車が通る余地とすれ違い箇所をちゃんと確保すれば路駐しても大丈夫だと思います。 【ルート概要】 ①倉尾登山口~股峠 東岳と西岳の中間に位置する股峠が、今回の登山の拠点になります。倉尾登山口には登山者をカウントする手動のカウンターや注意を呼びかける看板が多数あります。令和3年度に5件の事故があり、そのうち2件は死亡事故であるという表示もあります。なだらかな山道を5分も歩けばすぐ股峠に到着します。 ②東岳 股峠から左を見ると、木々の間に岩峰が見えます。さっそく急傾斜の登りが始まります。両手を使って木や岩をつかみながら登っていきます。岩峰の根元に到着すると、ルートは岩の壁の左側へ続いていきます。足元が切れ落ちた絶壁をトラバースする鎖場が始まります。ここから岩峰の上に出るまでが東岳の核心部です。個人的には西岳の上級者コースよりも恐怖を感じました。トラバースの後は垂直に近い岩場をトラロープを頼りに登っていきます。岩は硬くデコボコが多いので手掛かりは充分ありますが、1か所だけグラつく岩があり危険を感じました。この様子は動画で詳しくお伝えする予定です。 岩峰の上に着き、振り向くと、そびえ立つ西岳の岩峰が見えます。南側には両神山のギザギザした稜線が見えます。絶景を楽しみながら高度感満点の岩稜を20分程進めば東岳(1122m)の山頂に到着です。 山頂から少し先に進むと岩稜の東端に立つことができます。秩父の市街地や武甲山などの山々が望めますので、どうせならそこまで進むことをお勧めします。 東岳には周回するルートはありません。来た道を股峠まで戻ります。 ③西岳(上級者コース) 股峠からしばらくは針葉樹の中のつづら折りの道を登っていきます。10分程登ると垂直の岩壁で尾根が断ち切られ、分岐の看板があります。右は一般コース、左は上級者コースです。上級者コースへの立ち入り自粛を求める看板がありますが、事前に情報を集めて慎重に検討した結果、自己責任で上級者コースを登る決断をしました。かつて鎖を撤去したことが書かれた看板もあります。そして、その看板の後ろから岩壁の登攀が始まります。 岩に残った痕跡や鎖を固定していた金具を目印にして登っていきます。振り返ると大変な高度感がありますが、岩自体はしっかりしており、掴むところも足場も充分にあるのでそれほど難しくはありません。上に登り進めるほどに傾斜が緩くなり、周囲に木も増えてきます。 岩場を登りきり、断崖絶壁の上の岩稜を進んでいきます。基本的には岩の上を歩きますが、完全に切れ落ちていて進めなくなる箇所もあります。このような場所を無理に進むと危険です。冷静に見渡すと、岩を巻く道が付けられていることが多いです。 右から一般コースが合流し、さらに5分程進むと西岳(1165.6m)山頂に到着します。 ④西岳(その先の岩稜) 西岳山頂から西に続く岩稜をさらに進みます。岩稜の幅はさらに細くなりゴジラの背中を歩いているようです。振り向くと、西岳南側の断崖絶壁や、その奥に東岳、武甲山が見えます。南側には常に両神山が見えています。また、岩稜の先には大規模な石灰の採石場が見えます。 尖った岩を乗り越えたり脇道を巻いたりして進んでいくと、ひときわ急な下りの岩場が出てきます。上級者コースと同様に、鎖を固定する金具だけが数個あります。鎖があった方がいいレベルの岩場ですが、鎖はありません。 この岩壁を降りると、左に下山ポイントがあります。そのまま岩稜の西端まで進むこともできそうでしたが、ここで下山することにしました。 ⑤西岳からの周回コース~下山 下山ポイントにはかなり長い鎖場があります。足掛かりが少なく難しい鎖場です。鎖場からしばらく急な岩場を降りると、やっと平坦な地面に出ます。そこからは左に絶壁を見上げながら針葉樹の森の中を進んでいきます。YAMAPの地図ではすぐに分岐があり、右に下っていくルートは坂本方面に下山してしまいます。それを信じて、下る道へは進まず、わずかな踏み跡をたどりながら岩壁に沿って進みました。ところが、しばらく進むと道は完全になくなってしまいました。厚く枯葉の積もった土の斜面を下り、ローソク岩への分岐の看板あたりで登山道に合流することができました。ほかの方の記録を見ると、YAMAPの地図よりも下に周回コースへの分岐があったようです。 クライミング場や坂本登山口への分岐を過ぎてなだらかな登山道を進んでいくと、股峠に戻ります。朝は一人ぼっちの静かな山でしたが、西岳から降りてみるとたくさんのクライマーの方であふれ、駐車場も道も車で一杯でした。 【感想】 倉尾に車を駐車すると、あっという間に岩場にアクセスすることができるので、岩登りを楽しみたい方には最高の山です。駐車スペースに困ることもないと思います。 東岳も西岳も垂直な岩場を上り下りする箇所が沢山あり、その高度感はすごいものがありました。さすが秩父のジャンダルムと呼ばれるだけのことはあります。ですが、岩質は硬くしっかりしていて、手掛かりもたくさんあるので、それほど難しさは感じませんでした。西岳の先のゴジラ岩稜も落ち着いてルートを見定めれば大丈夫です。 東岳の登山開始直後の鎖場のトラバースと、西岳先の岩稜から下山する鎖場、そして周回コースの道迷いに特に注意が必要だと思います。 なお、私が見た限り全ての登山者がヘルメットを装備していました。死亡事故も起きていますので軽い気持ちで登るのはやめた方がいいと思います。
動画
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