【南ア】小日影山(2506m)

2021.11.13(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
12 時間 47
休憩時間
0
距離
17.0 km
のぼり / くだり
2018 / 2012 m
6 28
6 8

活動詳細

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✻✻✻ 釜沢ゲート~トンネル登山口 ✻✻✻ 何てこった。前回登れなかった小日影山に登ろうと言うのに、さっそく寝坊野郎だ。林道はズタズタだが「勝手知ったる」的な。早立ちして暗いうちに林道を通過したかったのに。 この時点で、早くも黄信号が点滅した。トンネル前の急崖の取りつきを、闇に巻かれて下山するのはリスクまみれ。 捨て試合のつもりで、やさぐれてスタート。おまけのつもりで、登山口にあるトンネル内をのぞいた。泥が堆積して、いきなり靴がはまり込む。時間が許せば、トンネル先の別尾根で登ってやろうと思っていたけど、尻尾巻いて退散。   ✻✻✻ トンネル登山口~2128標高点 ✻✻✻  前回のトライから4か月。季節も移ろい、紅葉と冠雪の季節。きのこは晩秋のカレバタケくらい。でも、紅葉と落ち葉はゴージャスだ。ヤマモミジやハウチワカエデ、メグスリノキと、原色の洪水が目を奪う。 それに輪をかけ、木々の間に見え隠れする景色が誘いかける。林道歩きの友は大沢岳と赤石岳。背後に控えるのは奥茶臼と前茶臼。その稜線が丸山、赤石岳、荒川岳へとつながっていく。そこに木曽駒や空木など、中央アルプス勢が加わる。やがて前聖岳がひな壇に登壇。 雪が散り敷きはじめる。クマの足跡まであるじゃないか。進行方向右に岩峰がそびえる。小日影山の前衛だ!思わず襟を正した。 2128標高点に到達。時間読み必須の時間帯になった。山頂までの等高線の数は8本。斜度、水平距離から到着時間を予想する。そこにヤブと雪をこなす時間、ルート読みにかける時間が必要になる。到着予想を12:30~12:45、とはじき出した。 常識のある人なら、この時期のこの手の山では、リミット12:30では遅すぎる。とりわけ、帰りの2128南尾根末端部は、明るい時間帯に通過する必要があった。 ✻✻✻ 2128~小日影山 ✻✻✻ 打ち捨てられたワイヤロープの輪を越えると、シャクナゲのヤブが始まった。獣道を使って、腰を落としてくぐり抜ける。 なつかしき二児山~本谷山尾根が見えてきた。黒河山・笹山・入山・樺山・小黒山を連ねて、本谷山に伸びあがっていく。手前の鳥倉山や豊口山が、三伏峠に吸い込まれる。そこに乗鞍や、槍・穂の北アルプス勢が加わる。青田山の背後は、大川入山や恵那山だ。 小日影山は前衛峰が厄介だ。岩壁を避けながら、北西面にルートを伸ばしていく。2050m~2200mの標高帯が一番気を遣う。登りはまだいい。問題は帰りだろう。前衛峰をクリアすると、標高差200mのホームストレッチが迫った。 苦しい登りの末、山頂に立った!三角点に積もった雪をはらい、コケに覆われた標石を確かめた。 東に少し移動すると、冠雪した塩見岳が見える。その前景が小河内岳・烏帽子岳・本谷山だ。じわじわ喜びが広がっていく。 ✻✻✻ 小日影山~2128南尾根末端部 ✻✻✻ しかし、歓喜の時間は、あっけない。腕時計を見て、置かれた状況をただちに理解する。さあさあ下山だ!前衛峰からの下りは、最初の核心部。雪に刻まれた自分の足跡を丹念に拾って歩く。時に見失い、ルートを探し直す。ロストしてコースアウトしたり、あやまって崖上に立てば、ピンチだ。 ようやく2128標高点。たった一人の作戦会議。日没は16:45。薄暮の限度は17:00と見た。しかし、山の端が高くて、実際にはそれより早く陰るとみておかねばならない。 この尾根は傾斜がきつくて、下りであっても時間が稼げない。もとより、登りと違って下降は難関だ。この尾根は明るい時間帯でないとルートの見極めが難しい。      ✻✻✻ 2128南尾根末端部~釜沢ゲート ✻✻✻ 林道に降りる直前、あと一歩というところで闇が迫る。気づくと足元に現役のワイヤーロープが固定してあるじゃないか。こいつは、林道の落石防止工の網留めワイヤだ!しまった!下りすぎたぞ。 登ってきたルートにこだわり、来た道を登り返して立て直そうとする。しかし、暗闇のヘッデン行動は困難を極める。何で赤布つけなかったんだ。 誤って滝口に滑落したり、崖上からスリップする悲劇は避けたい。暗闇の中で見慣れた景色を探すよりは、独自に安全ルートを見つける方が良さそうだ。 沢筋にたぐり寄せながら、全身を耳にする。滝頭に降りるシナリオだけは避けよう。水の流れを身体で感じ取り、滝の位置を探った。 慎重に高度を落としていく。登ってきたルートより、上流寄りと知れた。滝の右岸のルンゼを慎重に降りる。これでフィニッシュだ!静かにガッツポーズを決める。 因縁の山は、最後までサービス満点だった。

塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 スタートは釜沢の登山口
7月と同じスタート地点
スタートは釜沢の登山口 7月と同じスタート地点
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 複数箇所にわたる
崩壊地は相変わらず
複数箇所にわたる 崩壊地は相変わらず
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 復旧のめどは
いまだ立たず
復旧のめどは いまだ立たず
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 林道沿いのモリノカレバタケ
林道沿いのモリノカレバタケ
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 前茶臼と奥茶臼コンビ
前茶臼と奥茶臼コンビ
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 丸山・大沢岳・赤石・荒川三山
丸山・大沢岳・赤石・荒川三山
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 そうこうするうち
トンネル手前の登山口に着く
そうこうするうち トンネル手前の登山口に着く
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 沢の右岸の岩塊直下を
かき登るのが
一般ルートだが
写真に見える滝脇右岸の
凹地を登っても良い
沢の右岸の岩塊直下を かき登るのが 一般ルートだが 写真に見える滝脇右岸の 凹地を登っても良い
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 大岩の直下を這い上がると
見事な紅葉に迎えられる
大岩の直下を這い上がると 見事な紅葉に迎えられる
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 オオモミジ
オオモミジ
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 コハウチワカエデ
コハウチワカエデ
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 ダンコウバイ
ダンコウバイ
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 尾根がまとまってきた
尾根がまとまってきた
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 クマの足跡にびびり
クマの足跡にびびり
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 赤石岳の勇姿に
心がはずむ
赤石岳の勇姿に 心がはずむ
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 2128地点
2128地点
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 ケモノ道を追って
ヤブをくぐると
小日影山の前衛が見える
ケモノ道を追って ヤブをくぐると 小日影山の前衛が見える
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 南面は休斜面で
取りつく島もない
南面は休斜面で 取りつく島もない
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 北西面に回り込んで
勝機をうかがう
北西面に回り込んで 勝機をうかがう
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 振り返ると
二児・黒河・笹山・入山・樺山・小黒山の本谷山尾根
振り返ると 二児・黒河・笹山・入山・樺山・小黒山の本谷山尾根
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 鳥倉山・豊口山のラインが
三伏峠に吸い込まれて行く
鳥倉山・豊口山のラインが 三伏峠に吸い込まれて行く
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 針葉樹の森を抜けると
針葉樹の森を抜けると
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 恵那山・大川入山・青田山
恵那山・大川入山・青田山
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 ぼやーってしてるけど
槍ヶ岳など北アの山並み
・・・そうこうするうち
ぼやーってしてるけど 槍ヶ岳など北アの山並み ・・・そうこうするうち
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 泣けるっ
小日影山の三角点!
泣けるっ 小日影山の三角点!
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 小河内・烏帽子・本谷・塩見
小河内・烏帽子・本谷・塩見
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 塩見岳みーつけたっ
塩見岳みーつけたっ
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 大沢山・赤石岳
大沢山・赤石岳
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 時間に追われ
下山にかかると
時間に追われ 下山にかかると
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 わたくしごときのために
大沢岳があいさつに現れた
(意味不明)
わたくしごときのために 大沢岳があいさつに現れた (意味不明)
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 私と共に歴史を築いた
除山が眼下に見える(笑)
私と共に歴史を築いた 除山が眼下に見える(笑)
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 ふたたび
小日影山の前衛を振り仰ぐ
ふたたび 小日影山の前衛を振り仰ぐ
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 このワイヤを見れば
まもなく2128分岐点
このワイヤを見れば まもなく2128分岐点
塩見岳・権右衛門山・蝙蝠岳 ガンガン高度を下げる
美しすぎるぞ
恵那山!
・・・ゆっくり見ていたいが
夕陽と追いかけっこだ
ガンガン高度を下げる 美しすぎるぞ 恵那山! ・・・ゆっくり見ていたいが 夕陽と追いかけっこだ

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