クライミング小川山、春のもどり雪

2022.04.11(月) 日帰り

活動データ

タイム

07:44

距離

1.8km

のぼり

350m

くだり

196m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
7 時間 44
休憩時間
7 時間 16
距離
1.8 km
のぼり / くだり
350 / 196 m
7 49

活動詳細

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山梨県山岳連盟東チベット遠征隊の月例訓練、3回目の今回は長野県川上村にある小川山エリアでクライミングのシステムチェックとチーム登攀での課題の確認などを行った。 川上村の観光パンフレットには小川山周辺を「日本のヨセミテ」と紹介している。今回で3回目か4回目の小川山だ。日本で一番長い河川の信濃川の源流部エリアである。 遅い春を迎えた平日の小川山、空気は清々しく空は青い。所々の谷筋に残雪が眩しい。 7人で乗ってきたワゴン車を金峰山荘から3分程走らせるとチェーンが張ってあり、そこに駐車。先着の車が2台ほど。  この辺りは西股沢に沿って広々とした廻り目平キャンプ場が整備されていて、木漏れ日の中から聞こえてくるせせらぎの音が耳に優しい。 アプローチシューズの靴紐を締め、ガチャ類のぶら下がったザックを車から降ろす。Wロープの60m5本と50m 1本を皆に振り分ける。 皆が荷造りをしている間、俺はストレッチを念入りした。なにせ一番年齢のいってるオレが一番怪我しやすい。 午前8時スタート。午前中の目的地は小川山では最もポピュラーなガマスラブ。 でかい一枚岩がガマガエルの背中みたいだ。20分位歩いて到着。 ここでは久しぶりのクライミングで足慣らしをして2チームに分かれて登って懸垂で降りる。を数回繰り返した。以前もこのスラブを登っているが今回はどうもクライミングシューズのソールのゴムが荒れてきていてスリップしやすい感じがある。そろりそろりとつま先の裏側をスラブに乗せ壁方向に荷重をかけると手を放しても滑らないがもし滑ったらいくらロープでビレイされているからといっても岩壁をずり落ちる時に怪我はまぬがれない。 朝のまだ壁が乾いていない時間は慎重に登る必要がある。 軽く行動食でお昼を済ませ、午後からは少し戻って八幡沢の出会いから沢に沿って上流方向へ歩き途中から左岸の斜面を上がり「春のもどり雪」という岩壁にでた。 取りつきは森の中の斜面地だ。壁を見上げるとかなり上の方までスラブが続いている。 約160mの壁を4ピッチで登るコースだ。 ここでは前回の座学で決めたV型フォーメーションを実施して役割に応じた訓練を行う。 V型はリードが2本のロープを張り、2つのルートをチームに分けて登る。従ってビレイヤーも2人いる。1ピッチ目の俺は中間登攀者の一番最後だ。先行するセカンドクライマーのロープをホローしたり、アルパインドローの回収などをしながら登攀する。チベットではビレイヤーになったりリードをすることもあるが今回はリードはしない。 空は午後になっても青い。テラスから見上げるとジェット機が飛んでいる。音が少し遅れて聞こえてくる。ふとこの同じ大地の先で戦争をやっているんだと思う。そして空が繋がていて飛行機はどこに行くんだろう。などと想いを巡らす。 何ピッチ目だったろう、若い皆の笑顔がはじけているのを見るとこんな平和がずーと続いて欲しいななんて。この岩場のこのテラスでの一時に感謝の念が湧く。 高度を上げていくと下界に広がるまだ芽吹き前の白樺の群落が見事だ。 白い幹に茶色の穂先がシュロ箒のように地面の起伏に応じて密集している。そしてシラビソの緑と折り合いをつけながら西股沢の谷筋に沿って金峰山の方へ続いている。 絶景だ。金峰山の山頂の五丈岩が見える。そんな絵のような風景の中を下をみると一人のクライマーが上がってくる。春の風が壁を伝って走る。 ずーとここに座ってスケッチしたい衝動にかられる。 帰ったらこの風景をスケッチにしようと写真に収める。 最終ピッチ付近でやや前傾の壁を力づくで登り切ると最上部に出た。ラストのクライマーが登ってきた。皆で笑顔の記念写真。爽やかな「春のもどり雪」のクライミングだった。 さーて下りは160mを3回に分けて懸垂下降だ。 楽しい春のシーズン初めのクライミングとなりました。

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