去年の7月から8ヶ月連続で2000m峰に登っている私。最大の難関と思われる2月を何とかクリアし、3月は割と簡単に登れそうな山伏にしようと半ば決めていました。ところが3月初旬に中国出張が入って2回分の週末がパーになり、すでに3月も半分を過ぎてしまいました。 さらに、わざわざ3月15日に有休を取って登るつもりがまさかの寝坊(笑)、予定変更で湖西連峰(351m)に登ることになってしまいました。続く3月16日も有休だったのですが、この日は天気がイマイチなため休息日とし、満を持して3月17日(土)、山伏に登ってきました。 [登山道] 南ア深南部の山々は稜線に出るまでは植林帯…という登山道も多い中で、西日影沢から山伏に向かうルートは初めのうちから広葉樹林を歩く、かなり私好みの道でした。晴れなかったので他との比較がしにくいですが、今まで深南部を歩いた中で、麻布山登山口からバラ谷の頭に向かう野鳥の森ルート、寸又峡から沢口山・天水に向かうルートに並ぶ「例え景色が見えなくたって楽しめるコース」でした。特に山伏から新窪乗越までは、美しい原生林が続く素晴らしい稜線で、さらに今回は、この冬最後かも知れない雪で木々が白く染まっていく様を見ながらの山行だったので、いつもの自分の山登りとはまた違った雰囲気で、思い出に残るものになりました。 [眺望] 今回ばかりはゼロ!と言わざるを得ないです。大山も相当真っ白でしたが三鈷峰を見ることはできたので、ここまで眺望がなかったのはYAMAPに載せている山行でも白山、大無間山に続いて3回目ですね~。 [温度・服装] Garminの温度センサによると登山道の温度はマイナス1℃~プラス1℃。その割にはスタート時に羽織っていたユニクロのウルトラライトダウンは登っている途中に脱いでしまい、そのあと新窪乗越で弁当を食べるまで脱いだままでした。雪は降っていたものの風がほとんどなかったので寒くはなく、例のミレーのアミアミアンダーウェアにバートンのポーラテックT、ペンドルトンのウールシャツ、CW-Xにマムートのパンツで全然問題ありませんでした。 [今回の山行まとめ] 初の山伏は、眺望全くなし!という意味では、なかなかほろ苦いデビューとなってしまいました。いつももっと西の山ばかり登っている私に対する、「お前はとりあえずこういう風景でも見とけ」という洗礼なのかな?と最初は思っていましたが、雪混じりの天気のせいでだんだんと原生林が白く変わっていくのを眺めながら歩いているうちに「これは大サービスなんじゃ?」と気を取り直しました。 3月3日にyo4さんやなっちさんが登った時にはワカン・スノーシュー必須だったようですが、積雪量が減ったのか、トレース上の雪が凍ったせいか、ほぼ踏み抜くこともなく稜線を歩くことができ、割と余力を持って登山口まで戻れました。 登山口からすぐのところに黄金の湯があり、結局明るいうちに家に帰ることもできたし、天候がイマイチだった割には十分楽しめました。そもそも山伏デビューする時には稜線を八紘嶺まで歩くつもりだったので、眺望はその時の楽しみに取っておきたいと思います。次は頼むよ! [(初)静岡百山] 山伏(30) [(初)山梨百名山] 山伏(17)
当日、出かける直前のてんくら、山伏の予報。寒いながらもいい天気になると思っていたのですが…。
3時45分に浜松の自宅を出発、新東名経由で梅ヶ島までやって来ました。で、この写真は5時36分撮影、GoogleMapの指示で曲がろうとした角にまさかの「通行止め」表示が。
5時48分、西日影沢の駐車場に到着。
あれ?天気よかったはずじゃ…。
初めてここに来たのでよく分かりませんが、もともと橋だったはずのところが川になっちゃってるらしいですね。
とりあえず西日影沢沿いを遡上していきます。
ガスっていて、深山幽谷な雰囲気。でもガスった登山道って、去年8月の大山以来じゃないかな。
ここの登山道には植林帯の部分がほとんどなく、いい感じです。この辺は数少ない植林帯。
水場が何ヶ所も(3ヶ所くらい?)ありました。夏に登る時には役に立つかもですね。
石垣がありました。ワサビ田跡なのかな。
大きな岩があり、左側を巻いたら
ルートをロストしました~。ここはどこ~?YAMAP地図を見ると川を渡らないといけないはずなんだけど。
ありました、橋。よかったよかった。岩の右を巻くのが正解だったのかな?
その後も西日影沢に沿って登り、
右に曲がると植林帯のつづら折りが現れますが、
植林帯はすぐに終わり、西日影沢の枝沢に出くわします。
この辺に3つ目の水場がありますが、ここを過ぎると
蓬(よもぎ)峠に向け、最後の登りです。
登山開始から1時間20分、蓬峠(1480m)に到着です。登山口からの標高差550m、山伏までは標高差530m、ちょうど中間地点といった感じですね。
なーんにも見えませんな。一面の白世界です。
蓬峠を過ぎると稜線の北側斜面を歩くこともあるので、そういう場所には雪が残るようになりました。
いつの間にか南斜面のトラバースになっていました。稜線に向かって登ります。
登り切ったところにベンチがありました。ホントは眺望があるのかなぁ。
ベンチの先はしばらく稜線上を歩きます。
雪に覆われている部分が多くなってきたのでチェーンスパイクを装着したのですが、ちっともスパイクが利きません。「雪が固いからかな?」と思ってよく見たら右足のスパイクが裏返しでした(笑)。
こんな風に雪がついている部分もあれば、
雪がまったくない部分もあり、こういう道ではチェーンスパイクは役に立ちます。
岩の上では、スパイクは滑るだけなので要注意。
標高1890m、アイスバーンの急斜面があって、チェーンスパイクだとうまく地面を捉えられなくなってきました。
そこで軽アイゼンに換装。おー、こちらだとちゃんとグリップしてくれます。今回初めて「チェーンスパイクだとイマイチ使えなくて、軽アイゼンだと役に立つ」というシチュエーションに遭遇しました。なるほど、両方あることに納得…というか、両方持ってきておいてよかった!
笹山方面からの南稜線と合流しました。標高1960m、残り標高差は50m、大井川と安倍川の分水嶺を歩きます。
頂上が近くなったところで明るくなってきました!これは晴れるか!?
ササ原に出てきました。
おーっ、空も青みがかってきました。
…と思ったらまたガスってきました…。とりあえず午前9時、登山開始から約3時間で山伏山頂です。今月も2000m峰に登ることができました。
まーったく眺望はありませんが、時々明るくはなり、なかなか気持ちのよい山頂です。
でもさっき空が青く見えた一瞬がピークで、ちっともガスが晴れそうにはありません。
本日唯一のiPhone7によるパノラマ写真。は、山伏山頂にて。
ダメだ~、晴れるどころか雪が降ってきました。待っていてもしょうがなさそうなので、山頂を後にし、大谷崩れに向けて出発します。
稜線上は結構な雪が積もっていて、踏み抜くとご覧の通りヒザ下まで埋もれてしまいますが、幸いトレース部分は踏み固められて氷のようになっているので、そっと歩けば踏み抜かずに歩くことができます。
本日、登山道上でどなたにも会いませんでした。静かな稜線歩きです。
どうも雪が降ったり止んだり…という天気のようです。
3月中旬にして、枝が霧氷化してきました。これはこれでラッキーかも!
そう言えば自分がこの冬に登った山は晴れたことが多くて、このようないかにも冬の天気…になったことはなかったので、去りゆく冬を惜しむにはいい山行になったように思います。
晴れたら晴れたでいい眺めなのでしょうが、原生林ってガスも雪も似合いますよね。
さらに着雪してきました。できかけ・できたての霧氷です。
風は西から吹いているので、東に向かって歩いている自分の前では木々は白い姿を見せ、
振り向くと黒々した樹林帯の姿を見せています。樹林帯をバックに雪がいい雰囲気で写り込んでいますね。
霧氷の樹林帯。
ミニえびのしっぽ。
今回は周りの眺望がまったく得られなかったので、ほぼ全篇、樹林帯の写真。
なんと言っても今回は望遠ズームを1回も使わずじまいでした。
樹林帯の写真って見て楽しいかどうかは疑問ですが、
この珍しく雪が降った3月17日に、山伏~新窪乗越の稜線を歩いてレポをアップした方はYAMAPにもヤマレコにもいらっしゃらないので、
珍しい風景として、写真を多めにアップさせて頂きます。このあたり、1944mピークの北側を巻いています。
なんと言っても私自身、樹林帯の写真が結構好きなのです。ご了承下さい。
倒木のコケの上に薄っすらと新雪が。
新窪乗越に近づくにつれ、木々の着雪量も増えているようです。1914mピーク地点。
倒木のコケの上に薄っすらと新雪が、その2。
この辺はブナ林?明るくていい雰囲気です。
このあたり大平沢ノ頭(1923m)。
ダメだ~、みんな同じような写真だからコメントが思い付きませぬ。以降、成長過程の霧氷が織りなす風景をお楽しみ下さい。
…で、新窪乗越(1850m)に到着です。山伏を出発して約1時間20分。
やっぱりガスっていて、何も見えませんなぁ。
大谷嶺に登っても景色は期待できそうにないので、今日はこのまま下ります。ま、いずれ山伏から八紘嶺まで縦走する予定なので、その時のお楽しみということにしておきましょう。
さて、10時半はいつものお弁当タイムです。本日は安倍川流域の時はいつもココ、ファミリーマート静岡牛妻店で購入した3色そぼろ&チキン南蛮弁当。替えの靴下とかが入ったスタッフバッグを座布団代わりにしてベンチに座ります。
さて、下りますか。霧氷がどんどんキレイになっているけど、歩かないとさすがに寒いです。
とんでもないザレ場の急降下。時々落石の音も聞こえて(しかも姿は見えず)スリル満点です。崩れ過ぎててどこを歩くべきかもよく分からんし。
小さな灌木にも霧氷が。
標高1465m、(ここより上部が)落石注意の表示が。つまりこれで落石の危険区間をクリアしたかな。
標高1400m、もう木々にもほとんど雪が付いていませんね。
標高1250m、ここが登山口だそうです。
ここから舗装路。雪がないと分かっていたら、自転車をここにデポするという手もありましたなぁ。
大谷崩れの展望ポイントっぽいですが、やはり真っ白。展望ポイントなのかどうかも分かりません…。
舗装路の横に原生林が。
こんな雰囲気なら、舗装路でも楽しく歩けますね。天気が残念ですけど。
見上げる山の斜面にガスがかかっています。
標高が下がると植林帯になってしまいました。ちなみに路面は濡れていますが、雨は降っていません。カッパを持ってきませんでしたが、特に問題はありませんでした。
この花は何だろうね?
別荘地が見えたら、そろそろ西日影沢の林道入口です。
ここも別荘地。太陽光発電施設の犬が吠えてウルサイです(笑)。
西日影沢の林道入口に来ました。どうやらこれを書いている今(4月3日)には、このあたりは舗装されているはずみたいですね。
砂利道をテクテクと進みます。
奥の登山者用の駐車場には私の車しかなくて、みんな下の河原に車を停めていました。なんで~!?別に釣りをしているようでもなかったし…。
やっぱりこっちが登山者用駐車場だよなぁ。
うーん、やっぱり1台だけだわ。13時32分、登山開始から7時間半で駐車場に帰還。
13時54分撮影、本日のシメは梅ヶ島温泉、黄金の湯。やはりここの温泉はお肌ツルツル系で素晴らしいです!15時出発、帰りも新東名経由で17時ちょうど自宅着。
この活動日記で通ったコース
山伏登山口-蓬峠-山伏-大平沢ノ頭-新窪乗越-大谷崩登山口 周回コース
- 07:55
- 12.9 km
- 1409 m
- コース定数 33