活動データ
タイム
04:54
距離
8.0km
のぼり
822m
くだり
823m
活動詳細
すべて見る甲府行き中央本線普通電車の車内は、思った以上に夥しい数のハイカーで溢れていた。週末の晴天予報であり、さもありなんである。 河口湖方面に行く人が、多いのかもしれない。そう思っているうちに、大月駅に到着したのだが、降車したハイカーは、それ程でも無い。 みんな何処に行くのかと、訊き回る訳にもいかない。お前こそ何処に行くのだ、と訊かれても構わないが、突然訊かれた人の本意では無いだろう。 好天の土曜日に、富士山の眺めが秀逸な高川山に、どれほどの人が向かうのだろう。そう思うと、訳も無く不安になる。 初狩駅で下車する積もりの私は、ハイカーで賑わう場所に巻き込まれるのを好まない。高川山も人気だが、初狩駅を起点として登山道が続く滝子山は、恐らくこの周辺随一の、人気の山である。 みんな初狩駅で降りるのかな、と云う妄想が膨らんでくる。そんなことになれば、降車するのが嫌になってしまうかもしれない。夥しい数のハイカーに揉まれて、駅前から登山口に向かう。その雰囲気が嫌だ。全く以て、利己的な思惟であることは云う迄も無い。 電車が笹子川に沿って走る。大月を通り越しての山行は久しぶりである。前回は、寂寞として感傷的な儘、誰も居ない山に分け入った。それはそれで、充実した行程だったが、何時までも落ち込んではいられないな、とも思う。そんな気持ちに応えて貰ったかのような、好天の土曜日であった。 線路が幾重にも分岐して、貨物用側線の広がる初狩駅に到着した。懸念していたハイカーの降車客は四名ほどで、安堵してしまう。上日川峠行きのバスは、未だ運行していない筈なので、大菩薩嶺とは思えないのだが、みんな何処迄行くのだろう。 今となってはどうでもいいことを思いつつ、去っていく電車を眺める。そうして、独特な風情の駅構内を、歩き始めた。
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