雪の氷ノ山、敢えなく撤退す

2022.03.12(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
4 時間 41
休憩時間
1 時間 51
距離
4.7 km
のぼり / くだり
357 / 353 m
1 18
2 17
56

活動詳細

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3月の陽光に恵まれた今日、兵庫県最高峰の氷ノ山を登ることにした。ここは兵庫県養父市と鳥取県若桜町の県境。豪雪地帯として知られ、麓にはスキー場が広がっている。お相手は例によってM監督である。監督のマイカーで拙宅まで迎えに来てもらい、新神戸トンネルから阪神高速7号北神戸線へ。車中でM監督今日の山行を思い描く。「登山道はラッシュ状態になってるのでは?久しぶりに天気の良い週末だから。6時スタートにしておいて良かった」 そんな話をしながら、さらに舞鶴若狭自動車道へ。福定の集落の直ぐ先、8:30頃に氷ノ山スキー場前の駐車場に着いた。 予定していた親水公園駐車場よりも遥か手前。ものすごい雪である。ワカンもスノーシューも持ちあわせていないが、我らにはアイゼンがある。小生は6本爪の軽アイゼン、M監督は前爪ありの12本爪。「それ高かったでしょう」と聞くと、ネットで3000円だったとか。大丈夫だろうか。 ズボッ!うっ!膝まで雪に埋まる。ズボッボッ!エッ!腿まで埋まる。雪に残った踏み跡に足を置いていくが、踏み固められている訳ではなく、ズボズボである。一歩ごとに埋まった足を雪の穴から引っ張り上げる。雪の上の足跡には大きな楕円形のものもある。ワカンで歩いた後だろう。こういう装備が必要なんだな。 さっきから40分近く歩いているのにまだ登山口にも辿り着いていない。天気は良く風もないので汗が噴き出してきた。辺り一面は銀世界で腰を下ろす場所もない。仕方なく立ったまま重ね着の上着を脱ぐ。水分補給と行動食で小休止だ。そういえばさっき歩いた場所は、ゴロゴロした雪の塊があって足が沈みこまなかったな。雪のガレ場のような場所を横切った。M監督によると雪崩で転がり落ちてきた雪の塊らしい。底の方の圧雪されたものが表面に出ているので、沈み込まなかったんだろう。 やっと登山道までやってきた。脇に立ててある大きな山歩き地図看板は、頭まで雪に埋まっている。トイレの小屋の屋根にも分厚い雪が乗っかっている。ミルフィーユのようにいくつかの層が積み重なっている。まるで分厚い布団が5つ6つ重ねて積んでいるようだ。厚さにして2mはありそう。この重みどれくらいだろう1トンより遥かに重いだろう。10トンくらいあるのかもしれない。 そこから急登が始まった。山道は全て真っ白な雪道である。数日前に歩いた人の足跡を辿って登っていく。ズボッ!ズザーッ!足が埋まり、足場が崩れる。慎重に一歩ずつ登っていく。左脚で支えつつ右脚を少し先のポイントに置こうとするが、その右足の地面の雪がズザーっと崩れていく。一歩登ろうとしているのに、一歩後退している。焦って足場を探るたびに足元の雪が崩れていく。段差がなくなり目の前には高い壁ができてきて、もはや登る場所がない。M監督が雪の段差の奥、横に持ったストックをしっかり埋めて、4つん這いになってよじ登っていく。これは!サバイバル技術か!よじ登ることのできたM監督、ストックを小生に向け、これにつかまれと言う。凄いぞM監督、感謝です。 雪の急登は続く。太い樹がある。その脇に足がズボッとハマると、その下は空洞になっていた。ここに落ち込んだらまずい事になる。既に歩き始めて1時間半。このままのペースで登り続けるとしたら、氷ノ山山頂に着くのは16時。こりゃ計画変更だ。どこで引き返そうかと思ったその時、足元の雪が崩れて身体が反転、頭から落ちる、ヤベーッ! 幸運にも2mほどで身体が雪に埋まって止まった。これは危険すぎる。M監督と相談し、今日はここまで下見に来たと考えて撤退しようと言う事になった。時刻は11時半近くになっていて腹が減っている。この急斜面では食事ができないので、少し降りたところに葛折りのカーブのところが平たくなっており、そこでランチタイムにした。そう言えば今日は登りも下りも登山客の姿は無い。ラッシュ状態って言ってたの誰だったか。まぁそのお陰で登山道の真ん中で食事をすることが出来たわけであるが。 カレーヌードル、赤飯おにぎり、梅おにぎり、どら焼きスイーツにホットカフェオレ。お腹いっぱいだ。普段なら食後はテンポよく下山するところであるが、今日は登りと同様に一歩ずつ雪の穴から足を引っ張り上げて歩いていく必要がある。ワカンやスノーシュー、本当に必需品だと言うことが分かった。今日の難行苦行で身に染みた。でもワカン、値段が凄く高いんです。器用なM監督は「自分で作ろうかなぁ」と言っている。YouTubeで作り方映像上がってないかなぁ。 やっとの思いでクルマのところに帰ってきた。13時半近くであった。スタート時にはガラガラだった駐車場か、ぎっちりと車でいっぱいなっている。山道では誰にも会わなかったので、このクルマは全てスキースノボ客であろう。 帰路は道の駅氷ノ山に立ち寄り、とち餅を土産にし、山椒ソフトクリームをいただく。高速では西紀SAでじゃがりこBOXをお土産に買い求める。今回はいい勉強になった。山の神様ありがとうございました。

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