天狗岳西尾根ビバーク、激風の中の登頂

2022.02.26(土) 2 DAYS

チェックポイント

DAY 1
合計時間
4 時間 6
休憩時間
1 時間 1
距離
3.1 km
のぼり / くだり
699 / 64 m
2 31
29
DAY 2
合計時間
35
休憩時間
3
距離
315 m
のぼり / くだり
141 / 0 m

活動詳細

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 先週の茅ヶ岳に都合悪く参加できなかった山友女子のユキちゃんに茅ヶ岳の動画を送った。「また行きましょうね」とコメントすると、「今月テント泊でどっか行きましょう!」と反応の良さにビックリ♪ そこで、前から気になっていた天狗西尾根ルートで黒百合ヒュッテを提案したらオッケーとの事。「今週末なら行けるよ」と俺。「今週末って明日?」とユキちゃん。おっと!!今日は金曜日だったことを忘れていた(笑)、しかも昼の2時!慌てて仕事を片付けて大急ぎで準備に入った。そもそも山行に行くのに前日のお昼に決定するなんて初めてだ!しかも歩いたことのない雪山。現地の状況がどうなってるか普通はせめて1週間位前から準備に入るもんだ。運よくユキちゃんが無雪期に歩いた事があるとの事。まるで学生時代のような気楽さだ。これでいいのか!(>_<)  当日は、彼女のジムニーをオレが運転して唐沢鉱泉に向かった。アプローチ道路は除雪はしてあるものの車一台が通るのがやっと。対向車が来ない事を祈りながら唐沢鉱泉に到着。7時半頃から西尾根を登り始める。日陰だったルートもやがて日が差し込み始めて気持ちが良い。2時間程歩くと突然視界が広がり第一展望台に到着。快晴のもと他の登山者も素晴らしい眺望に歓声をあげていた。お互いの写真を撮り合ったりした。その後暫く行くとトレースが突然なくなり慌てたが腰位まである段差を乗り越えると崖の方にトレースらしきものがあるのが見えるが自信がない。とにかく行ってみると崖に近い急斜面のトラバース箇所があった。足幅位しかないところを5~6m移動する。その後、しっかりしたトレースが現れた。恐らく風の通り道でトレースがすぐ消えてしまう箇所と思われた。暫く行くと第二展望台。そのあたりからユキちゃんの体調がおかしいらしい。眩暈がするようだ。突然の山行で昨夜遅くまでの準備が良くなかったかも。こんな調子で西天狗・東天狗を回って黒百合までいけるのか不安になるがとりあえず森林限界を越えるあたりまで行ってみることにした。二人で相談の結果、今日は森林帯まで戻って早めにビバーク適地を探して休み、明日、登頂してピストンで帰ろうと言うことになった。  ビバーク適地をやっと見つけてピットを作り始めるがけっこう積雪があり普通にツボ足で歩くとお尻まで埋まってしまう。スコップで切り盛りしたり、足で踏み馴らしたりしてピットを作った。さてテントを張るかと言う段になって、なんと!ユキちゃんのテントのポールが折れてしまった(>_<) 見ると切断面が平になってしまい補修用スリーブが入らない。プライヤーのようなものがあると簡単に平から丸に戻せるのだが考えあぐねた結果、スコップの柄を下敷きにしてピッケルで切断面を叩くというやり方だ。ユキちゃんにポールを持ってもらって叩くのだがポールが回転して思うようにヒットしない。それでも根気良く叩いているとやっとスリーブに無理無理押し込めるようになった。買ったばかりのスノーフライを使いたいとの思いで決行した雪中キャンプ。テントが張れなければあまりにも可哀そうだ。 その夜は、星空の写真を撮ったり日本酒でよもやま話などして早めにシュラフに入った。  翌日、4:30出発で東天狗でご来光を見ようとの約束がオレがぐっすり寝てしまい起きたのが4:30。ユキちゃんは3:30から起きて準備をしたらしくもう行くばっかりの恰好だ! ゴメーン(>_<)いつも目覚まし無しでも起きれる自信があったので目覚ましなしで寝たのが災いしてしまった。大急ぎで準備。寒い中、ユキちゃんを待たせてしまい平謝り。出発後、森を抜け天狗のアタックに入ると猛烈な風が襲ってきた。雪交じりの風は恐らく風速25m以上あったと思われる。ヘッテンで雪面を照らしてもルートがよく判らない。二人で相談するが激風で声が良く聞こえない。それでもなんとかルートを探して登った。やっと西天狗の山頂に着くが物凄い風とホワイトアウトで東天狗へのルートが判らない。今後の天候の悪化を冷たくなったスマホで確認。相談の結果、撤退することとした。 テントまで戻り朝ごはんも単独行の加藤文太郎に倣って甘納豆にお湯をかけるだけで簡単に済ませた。昨日通過したトラバース箇所やトレースの無い箇所が心配なため早々に撤収して出発。昨夜少し降雪があったようで樹木やルートの雪が増えていた。問題のトラバース箇所はやはりトレースはなくなっていた。猛烈な激風の中、シャフトを雪面に差し込んみダガーポジションの横移動のような恰好で滑落の不安を感じながらなんとか通過できた。何か所かトレースが消えているところがあったが昨日歩いた所だから何となく分かるが初めて歩く場合はまず分からないだろう。 森の中に入ると風も止み下山してくると優しい雪が降っていた。  今回、急遽のビバーク、テントポールの折れ切断、激風とホワイトアウトの登頂、危険個所のトラバースなど雪山のパワフル&ワンダフルな経験を積むことができた。 帰りは小淵沢の道の駅でおいしいソバを食べて解散となりました。 (尚、ログはヤマップと連動していたスマートウォッチの電池が途中で無くなり飛んでます)

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