再び断念!霞沢岳-2022-02-28(モーメントの続き)

2022.02.28(月) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
8 時間 26
休憩時間
1 時間 47
距離
13.2 km
のぼり / くだり
1107 / 1135 m
20
6 17
53
25

活動詳細

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ごめんなさい。モーメント(https://yamap.com/moments/387516)だけのつもりでしたが、今後のために、自分向けのレポを作成しました。 せっかく書いたので、公開いたしますが、スルーしていただいて結構です。 2月27日 15:15:自宅出発(途中、ガソリン補給)    東海北陸自動車道 17:30:ひるがの高原で休憩、夕食の肉まん、ファミチキ 19:30:道の駅 風穴の里(車中泊) 2月28日 4:40:道の駅 風穴の里出発 5:07:坂巻温泉に駐車(¥1000) 5:30坂巻温泉スタートー6:00中の湯バス停―06:26釜トンネル出口―06:43太兵衛平06:55-09:20標高1990mテン場―10:06標高2020m―11:51太兵衛平12:02―12:19大正池12:46―13:03太兵衛平―13:41中の湯バス停―14:05坂巻温泉 プロローグ 昨年は3月に入ってここを登り、途中、雪解け水がルート前面に硬く氷結していて歯が立たず、断念して大正池、田代池から河童橋、小梨平、梓川の散策を楽しんだ。今度は早めに計画し、核心の岩場での下降を想定して、懸垂下降の練習も地元の山で何度もこなしてきた。鈴鹿の雪山を徐々にステップアップして、アイゼンや冬靴の調整を行ってきた。年度末の諸行事を考慮して有給を取得して2月28日に霞沢岳に、3月1日は乗鞍岳か大日が岳を計画した。お天気は2日とも良好な予報であったが、徐々に変わり、1日は荒れ模様との予報になり、比較的容易な大日が岳も怪しくなってきた。さらに前日の27日に降雪も予想される。27日に登山者がなかったらノートレースでの登山になることが予想された。その前日26日はまれに見る好天で多数の方が霞沢岳に登られた。そのトレースが残っていればありがたいのだが。 現地入りは27日の夕方。東海北陸自動車道から中部縦貫を利用して高山へ。ここから平湯に向かうが山越えになると路面は全面雪となった。雪道には慣れているし、スタッドレス装着なので問題なく運転できたし、交通量が非常に少なかったのにも助けられた。快適に運転して、19時過ぎに坂巻温泉を通過して、20分余り経過して道の駅 風穴の里に到着した。すでに店は閉まっているが、自販機やトイレは問題なく使用できた。先着さんも2台居た。夜はゴーゴーと強風の音がして、時折クルマが揺さぶられたが、夜半には静かになった。冷え込みはひどくなく、ナンガシュラフで快適に眠れた。翌朝3時過ぎに起きだし、パンと温かい紅茶で朝食とし、坂巻温泉に向かった。道の駅内は雪解け水が凍結していたが、道路は夜間に融雪剤を撒いていただいたのだろう。道一面の雪は消えており、安心して通行できた。 坂巻温泉は5時にゲートが開く。5時過ぎに到着すると先着の方、私のあとから2台の車が到着した。玄関によって車のナンバーを申告し、夕方までの駐車料1000円を支払った。ここで、楊枝を1本いただいて、ココヘリのスイッチをONにした。 車の後ろで準備されていた方は上高地を散策されるとのことだった。もう2人の方は後で聞いたところ、西穂に行かれるとのことであった。新穂高のロープウエイは土日しか運航してないので、西穂に登るのは上高地からになるとは聞いていたが、そうしてでも登られる方があるんだなあ。 坂巻温泉から路面の一部は雪や氷のため、チェーンアイゼンを装着して歩く。30分で中の湯バス停。ここから釜トンネルに入る。最初は暗がりで、入り口には雪が吹き込んで凍結している。中間地点に灯りがあり、大きな除雪車のところでアウターを脱いだ。この先をもう少し行くと明かりがありヘッデンは不要になった。釜トンネルを抜けると焼岳が顔を出す。焼岳の南方の雲が焼けてきた。明るい上高地トンネルを歩いて抜けると太兵衛平はすぐだ。 除雪されて押し込まれた雪の壁の右側を登る。やはり、前日の降雪のために、以前のトレースは見当たらず、新雪の上を歩いていく。ワカンは持参しなかったが、さほど沈まなかった。ケーブルの塔が見えると、左側が登り口になる。ここは新雪で覆われた踏み跡がわかる。ここでチェーンアイゼンを12本爪アイゼンに変える。気温は低く、-9℃。素手でアイゼンの紐を調節していたら、指の動きが悪くなってきたのですぐに防寒テムレスを履きなおした。さて、急斜面の登りにかかるが、雪はふかふかで崩れやすく、2日前のステップも見当たらない。昨年は既に笹が出ていて、ロープをもって登ったが、今回は深雪でロープは雪の下だ。一歩一歩踏みしめて登る。それでも足元は崩れやすく、両ストックを短く持って、登り切ったがこれからこんな感じで登りが続くと大変だ。嫌な予感がした。 尾根に上がると田代池方面、向こうには奥穂高が見えてくる。西穂までの稜線が見えるはずだが、雲に隠れている。風は強く、北から吹いている。ここから急な斜面をひと登り。先ほどと同じく、踏み込んで作ったステップは容易に崩れる。それでも登りきると息が切れる。これは結構大変だ。それでも緩斜面になると2日前のトレースの起伏が見え、その上の雪の上を歩けばあまり沈み込まない。見失って逸れると、腰まで埋まる。這い上がってルートに復帰する。新雪の起伏を見れば、トレースの在処はわかるが、全く足掛かりがない。尻セードで全部潰されているのだろうか? 仕方ないので一歩一歩蹴り込むが、締まってない雪は体重を乗せると崩れる。3度、4度、5度と踏み込んでようやく安定するが、そんなことばかりやってられない。急斜面では、帰りに備えて、ピッケルで雪を払い、ブレードでステップを作る。これも時間がかかる。こんなことばかりしていては日が暮れると思いながら、悪戦苦闘して、昨年の到達点を越えた。しかし、その先の深雪の急斜面のトラバース部分では、トレースは消え去っており、一から踏みしめて一歩ずつ慎重にトレースを付けるが、雪が柔らかく、一部は谷方面に崩れ落ちていく。ピッケルを深く差し込んで滑落に備えて何とかやり過ごした。1900m台のテン場を越えるが、風が依然と強く、BDソロイストを装着しても指の動きが悪い。声を出してみたら顔の筋肉がこわばっていて、うまく話せない。頭脳はしっかりしているので問題ないのだが、貧血気味で少し座って休憩する。もうしばらく行けば稜線の端に出られるが、ルート造りで時間が随分とかかっている。太兵衛平から登りだしてもうすぐ3時間になる。この先も状態が変わらず、このペースでしか行けないと、山頂まで3時間かかるか。それほどかからないだろうと思いなおし、さらに急斜面を登り切ったあたりで息が切れて小休止。 このルート、自分だけで、あとを追ってくる方はおられない。一人で踏み込んだ不安定なトレースを戻ることを考える。振り返るとなかなかの急斜面。足元の雪が崩れると、相当下まで滑り落ちそうだ。落ちたら・・木にぶつからないで停まったとしても、滑落のショックに耐えてルートに復帰するには結構な体力を使うことになる。山頂に立った時点で体力の半分は残しておかないといけないと思うが、自分の体力、集中力はどうだろうと考える。一人なので、何があっても一人で対処しないといけない。それだけの体力、スキルを使える余力があるうちに対応しないと。一人だからと臆病になりすぎることは避けたいが、その場にいる自分としては、降りるべきだと判断した。今なら十分、余力を持って引き返せる。上を見上げると青い空が見える。せめて、稜線まで出て景色を見てからでもよいとも思ったが、そこまでも、トレース造りに相当苦戦しそうであった。 下り始めると、苦労して登ったところを簡単に下りてこられる。下れば下るほど、体調は良くなるし、風も収まってくる。そういうものだよね。下に降りるにつれて悔しさが増してくる。リタイヤした時点では悔しさはなかったのに。ああ、またここに登りに来なくては。別にここを登らないと先に行けないわけじゃないけど、ここだけはどうしても登りたいと強く思った。 太兵衛平でチェーンアイゼンに履き替えて、今回も大正池へ。前回は春近くて道路は雪どけされており、工事業者さんは車で入っておられたが、今日は大正池付近は道路の雪が多く、徒歩でしか入れない状態。大正池でゆっくり穂高を鑑賞した。この辺りで10名くらいの方に出会った。静かな大正池から河童橋付近まで歩いでも良さそうだが、太陽を浴びて既に雪が重くなってきた。ここから、相当重くなった気がするザックを背に、とぼとぼと歩いて戻った。

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