今回、念願の高崎山に登る機会を得ました。晴天に恵まれ、近場かつ低山ながら森林セラピーに相応しい山道の魅力を存分に体験でき、充実感いっぱいです。 【はじめに】 高崎山(628m)は大分百名山の一つで、別府湾を挟んで大分市(最西部)と別府市を分断するような位置にあるヨットのメインセイル(帆)を想起させるような山容を特徴とします。 別府湾に迫り出す独特な山体は、火山活動による湾周囲に形成された溶岩ドームに由来するためです。 別府湾に面する北面山麓には、そこに生息する野生のニホンザルを餌付けした有名な高崎山自然動物園(約1100頭)があり、ピーク時には年間約40万人もの観光客が全国からここを訪れています。 高崎山山頂は、中世に建立された高崎城跡であることから樹林が少ない居住平地が広がり、そこからのパノラマ眺望はどの方向も絶景となっています(価値ある眺望!)。そのため、高崎山は歴史的には「四極山(しはつやま)」が通称だったようです。 高崎山の山頂には、 (1)別府湾田浦ビーチからスタートする田浦ルート、(2)柞原八幡宮からスタートする柞原ルート(途中田浦ルートと合流)、そして標高415m地点にある銭瓶峠駐車場から1km登ったところにある(3)南登山口(415m地点)ルートの3つの登山ルートがあります。 (1)(2)は長い登山ルートとなりますが、途中合流し、それはさらに(3)南登山口ルートとも合流して最終的に1つのルートとして南斜面から山頂につながります。 特に(3)ルートは、大分市森林セラピーロードに認定された爽やかな気分にさせてくれるトレッキングルートとして多くの市民に長年愛されています。 (3)の登山道には、霊山や本宮山の参道では気づきませんでしたが、山頂付近に近づくと山道傍に森林セラピーロードの匂いをプンプンさせるような「座観」の標柱がやたらと目につくようになります。 「座観」? 「座観」とは、絶景ポイントなどに立ち止まり、そこの自然から感じ得るすべてを五感(視覚・嗅覚・聴覚・平衡覚・味覚)に隈なく受容させることで、ストレス過多の時代に生き抜くすべての人たちに生理的・心理的な癒やしやストレス軽減効果をもたらす術を意味します。 ちなみに、森林セラピーロードは単なるハイキングや気分転換を図るような森林トレッキングとは明らかに違うらしい(難しい!)。 どうも森林セラピーには固有の医科学的エビデンス(副交感神経活性化など)があることが強調されています。確かに、森林セラピーでは、わざわざ「五感の開放」というスピリチュアルな表現を用いており、瞑想ともとれるような座位姿勢(静かに座り閉眼)において、視覚以外の特殊感覚を研ぎ澄ますことを「座観」で表現しています。座観に潜むスピリチュアルな側面(魅力)に鋭敏な嗅覚をもつ日本人の習性を捉えた健康志向も刺激するキャチフレーズとなっています。 残念ながら、今回私自身、時間制約(2時間以内)があり「座観」とはほど遠いトレッキングとなったことを、下山後、あらためて振り返り恥じているところです。 次回は時間に余裕をもって、高崎山において「五感の開放」を、かつて山頂に築かれた大友氏の詰城(高崎城)跡・関連遺構の探索も含めて体感してみたいと考えています。 [追補] 現在、大分市森林セラピーロードに認定されているのは、①高崎山、②霊山、③おしどり渓谷、④本宮山、⑤宇曽山(障子山)、⑥樅の木山(本神崎)、⑦天面山(中判田)、⑧平成森林公園・鎧ヶ岳(野津原)となっています。 【高崎山へのアプローチ】 南登山口を利用 1 .銭瓶峠駐車場(挟間町から県道51号別府挟間線経由) 2 .林道を1km移動 (途中、作業道が左手に2回出現:要注意) 3 .南登山口到着(防御柵から進入)(鉄柵内にも数台の駐車スペース有り) 4 .右周りの登山道からスタート(途中、左手に1枚岩壁出現)1km 5 .左周りの登山道(途中、西大分を見渡す絶景ポイント有り)500m (城遺構の堅堀群が出現開始) 6 .高崎城正面口・遺構出現(緩やかながらロープ場が一ヶ所出現) 7 .山頂(628m)到着 700m (四方に絶景ポイント有り) 8 .⑦~①を経て下山 (天候、晴れ一時曇り、銭瓶峠駐車場、気温14度)
銭瓶峠駐車場から南登山口を目指します。約1km。
南登山口までの林道を振り返ると、由布岳が見えます。なかなかいい!
南登山口まで400m。林道から高崎山の西斜面が見えます。
西斜面は、大きく崩れて岩壁が露出しています。迫力あり!
南登山口に到着。鉄柵扉を開いて登山道に侵入します。
南口登山道のスタート。 なかなか雰囲気はいい!テンションアップ間違いなし。
右に大きく迂回しながら癒やし登山道にて森林セラピー効果を実感。
途中2回ほど石積みケルンが出現します。
登山道唯一、一枚大岩壁が右手に聳え立ちます。
南斜面には春の息吹を感じます。
森林セラピーロードの仲間、霊山と本宮山が見えてきます。
高崎城の歴史、大変興味深い!
城遺構のなかで、特徴的な堅堀群が小さな尾根の鞍部に現れてきます。
東斜面の眺望ポイントが山頂まで600mのところに現れます。西大分が眼下に広がります。
山頂近くの山道。
山頂到着。最初に北斜面(別府湾)からの眺望を楽しめます。別府湾を見下ろす光景は驚きの雄大さです。
城跡地が頷ける広大な平面山頂。ベンチ、テーブルが多数あり、憩いの場所であることは間違いありません。
山頂の三角錐モニュメント! 森林セラピー対象の山頂のみに鎮座。
北斜面の西方面は、やや降ると枯れ木場が広がっています。本来降りたらいけないかもしれません。
北斜面をやや下り降り、そこからみた山頂の光景。
山頂から100mほど西にやや下り進むと、高崎山最高の絶景ポイントに出会えます。とにかく素晴らしいの一言!由布岳、鶴見岳、別府市街が一望できます。リピートしたいビュースポットです。
別府市街の眺望は、鶴見岳山頂からのそれよりも素晴らしい!高崎山最高です。
絶景ポイント(2)。
やや南方向の眺望。大船山と平治岳がはっきり見えます。写真では分かり難いですが平治岳は雪化粧しています。
山頂南方向。森林セラピーです。座観スポット!
ささやかなランチタイム。遠くに国東半島の山々が見えます。
山頂モニュメントから西方面の光景。大きなテーブルが3つあります。
山頂から東方面に移動。
下山開始。緩やかな斜面がとにかく気持ちいい!
堅堀群のひとつを覗く。
南斜面の眺望。苔の感じがいい!
西大分方面の眺望。ゴルフ場が見えます。
南登山口に到着。登山口左手には枯れ木から作った貸出杖が沢山置いています。一部は少し長すぎませんか?
南登山口から銭瓶峠駐車場までの林道に入ります。コンクリート路です。
下山後、高崎山をあらためて遠くから眺めて本日の感動を再確認。タイトルにある座観標柱の写真を撮り忘れました!次回ですね。高崎山に感謝です。
この活動日記で通ったコース
高崎山(大分県) 登山ルート
- 02:15
- 5.3 km
- 345 m
- コース定数 9