幸いなことに今シーズンは雪が多い。 会越県境付近にも連日雪が降ったようだ。 天気予報によれば本日唯一晴れマークが付いている。 気温が高くなることがいまいちであるが大日岳を眺めに高森山に突撃である。 高森山は弥生から登る山である。 残念ながら弥生は住む人がいなくなり,今はもう行くことはできない。 下山後に除雪の終了地点に住む高齢の夫妻にお茶をごちそうになったことが良い思い出だ。 最後に弥生から登ってもう8年が経つ。 昨年,高陽山に登った時に天気も良かったので一瞬,高森山まで足を延ばそうかと思った。 ただ,その時は単独だったので一人で行くのはもったいないと思ってやめた。 齢を重ね,いつまで体力が持つか分からない。 懐かしの高森山に行くなら今シーズンだろう。 天気は良い! 幸い同行隊員を得た。 突撃である。 登り口から雪は多い。 十分に多い。 多いがすでに腐っている。 おかげでラッセルはない。 先週のカッパン倉,死のラッセル行軍は一切ない! ようやく筋肉痛がとれた年寄りにはありがたい。 いつ来てもここのブナには癒される。 会越県境には穏やかなブナの山があって癒される。 こういう山がいい。 高陽山の山頂(一等三角点)は東側を巻いてパスする。 高陽山のてっぺんもまん丸の頂上台地となっている。 穏やかでいい。 一等三角点よりわずかに高いところでシールを外して高森山に続く吊り尾根に滑り込む。 雪は予想よりも良い。 良いはずである。 天気予報では本日はガッツリ青空だったはずである。 はずであるが高陽山への登りの途中から雲行きが怪しくなってくる。 怪しくなってくるどころか小雪さえ舞ってくる! どうなっているんだ! 大日岳を眺めに行くのに視界が無いようでは高森山へ行っても仕方がない。 高陽山で終わりにしようと思いながら登っていると再び青空が見えてくる。 ということで高森山へ向かっているのである。 ということで雪は良い。 締まった粉雪,大量の霧氷堆積斜面を滑る。 滑るが落とし穴が待っている。 尾根筋なので風による段差ができている。 気を付けながら滑っていたが突然飛び越せない深い段差が現れる。 突然現れても困る! 物事には準備が必要だ。 見事に風の段差にはまり込む。 後続隊員に知らせるいとまはない。 後続隊員に激突されないように速やかに横に移動する。 そうして後続のN隊員も穴にはまり込む。 よい子は飛び越せない穴にはまり込むのはやめよう! 高森山へ続く尾根の最低鞍部でシールをセットする。 残念ながら滑っても疲れるだけでそれほど楽しむところもない。 そのままシールで来たほうが良かったようだ。 尾根筋は東側に大きな雪庇ができているが,最低鞍部からは尾根も広がり好きに歩けるようになる。 ようやく高森山が近づく。 高森山のてっぺんには小さな四つのポコがあって,一等三角点の山頂は一番奥のポコである。 そこまでは広大な山頂台地となっている。 こんなところに雪洞,テントで泊まれたらどんなにかいいだろう。 もはやそんな元気はない。 ようやく山頂に至る。 残念ながら大日岳には雲がかかっていて時折雲が切れたときにかすかに山頂が見える程度だ。 鏡山から三国岳に続く尾根がよく見える。 一等三角点からは木が邪魔で大日岳が見えないので一つ手前のポコにフライを張って視界が良くなることを期待して昼の憩いとする。 結局大日岳山頂は肉眼でかろうじて確認できる程度だったが,これが見納めである。 帰りの高陽山が遠いこと。 くたびれました。 もう高森山に行くことはないだろう。 見納めである。 もう行くことはないが,懐かしの高森山に立てたことがことのほかうれしい。 ようやく一年越しのなんとはなしの念願が叶った。 天気と視界はいまいちであったがまあ良いことにしよう。
雪,いつもより多い。
癒しのブナ林を行く。
高陽山一等三角点,ここは寄らずに東側を巻く。
高陽山最高地点
初めは広い尾根を滑る。
目指す高森山への尾根
よい子は風による段差を飛ばないようにしよう!
終始東側に雪庇が発達
奥が高森山
滑ってきた尾根,ここでシールを着ける。
大量の霧氷の堆積
高森山,最初のポコが近づく。 この辺りで弥生からのルートと合流する。
最後の登り
頂上台地,四つのポコがあって,最奥が一等三角点
一等三角点山頂,残念ながら大日岳山頂は,薄っすらと見えたり,雲に隠れたり。
山頂到着
山頂から飯豊山方面
三国岳に続く尾根,疣岩山,巻岩山の下に鏡山が見える。 中央のくの字に白く見える尾根は立石山
昼の憩い,大日岳山頂は残念ながら雲の中
頂上台地,来し方を帰る。 最後の見納め
高陽山
尾根ずたいは終始ブナ帯
息も絶えだえ,高陽山への最後の登り
ようやく高陽山一等三角点,あとは腐れ雪に意図しない前方シンゴルコーク540°を交えて転げ下るだけ。