活動データ
タイム
06:43
距離
11.6km
上り
887m
下り
886m
活動詳細
すべて見る✻✻✻ イントロにかえて ✻✻✻ 今回の山にもストーリーがあって、キーワードは夢想疎石。疎石が修行したのが乾徳山なら、彼の偉業をたたえるために、その名を戴いたのが国師ヶ岳だ。 季節はずれの夏日にため息をついてきた身にとって、標高2360mの登山口の気温6℃は、身にしみる。先発の方はウールの帽子だ。 かつてなめてかかった厳冬期の金峰山で、低体温症まぎわの「氷漬けの刑」にあった苦い思い出がよみがえった。 ✻✻✻ またまた遭難予備軍? ✻✻✻ この標高まで車で上がってこれるというのは、良し悪しだ。雨のそぼ降る国師・北奥からの下山途中、若い登山者に「国師まではあと何分ですか?」「北奥千丈まではあとどれくらいですか?」と細かに聞かれた。続いて矢のような質問が続いた。 「それくらい自分で地図を見ろ」の世界だ。しかし、本人が心配顔なのに、さらに不安をあおっても仕方ない。 彼と別れ、雨脚の弱まらない中、さらに下る。そこへ、ビニ傘とスニーカーの上品な初老のご夫婦が登ってくるのに遭遇。「山頂まで、どれくらいですか?」 ここは丁寧に対応する。天候は改善する兆しがないこと。稜線は風雨が強いこと。展望もないこと。木の階段道は滑りやすいこと・・・お二人には「聞いてよかった」と感謝される。 ✻✻✻ 大弛峠~朝日岳~金峰岳 ✻✻✻ 時計の針を登山開始に戻そう。 ヘッドライトをつけて歩き始めると、明るい岩場で夜が明けた。国師さまが立ち現われたようなご来光。すっきり遠景に浮かび上がる富士山。幸先のよいスタートだった。 朝日岳から一旦高度を落とし、森歩きから岩場に飛びだすと、一転して強風にさらされた。中央アルプスの主峰や、浅間山、瑞牆山・・・私をもてなしてくれた絶景が、一瞬にしてガスにかき消された。 入れ代わり立ち代わり訪れる登山者と言葉を交わしながら、しばし五丈岩に遊んだ。だが、一向に天気は回復しないし、激しい風にもてあそばれるばかりだった。いよいよ見切りをつけて山頂を後にする。 ✻✻✻ 金峰岳~鉄山~朝日岳~大弛峠 ✻✻✻ 帰路はまさに銀座通りと化した。ラッシュアワーに巻き込まれたみたいだ。話し好きさんや、人恋しいさんから、たっぷりと話しかけられた。 深山の趣に包まれたのは、コースアウトして鉄山に道草した時くらい。キノコたちはオフシーズンを告げたが、美しいコケの森が連綿と続いた。 ✻✻✻ 大弛峠~前国師~国師ヶ岳~北奥千丈岳~大弛峠 ✻✻✻ いよいよ雨だ。「お天気姉さんが読みをハズした」的な恨みつらみは無用だ。女心と山岳気象って言うじゃないか(意味不明)。 峠に戻ると、あふれる車の列。ここは一体どこ?都心の歓楽街でもないのに。 会話を交わしたバイクのライダーさんは、思う以上に天気が悪くて、山行をやめるべききか、お悩み中だった。 佐久の方は、長野県側からのアクセスは最悪だったと教えてくれた。四駆じゃなかったらヤバかったって。 ✻✻✻ 大弛峠~国師・北奥千丈往復 ✻✻✻ ぽそぽそ雨の降る中、国師ヶ岳へ・・・展望なし。 しょぼしょぼ雨の降る中、北奥千丈岳へ・・・ここも展望なし。 雨はまだいい。残念だったのは、北奥の頂上だ。〇〇をされている方がみえた。大岩の上で大声で〇〇し、他の登山者さんは遠慮のかたまりで、登頂の喜びを封印しているようにみえた。一言あると違うだろう。山頂は誰のもの?もちろん、みんなのものですよね。 有名山岳は、その魅力を共有するためにも、互いへの気づかいが大切だ。 大弛峠で車に乗り、下界へ下界へ。明るくなってから改めて気づくのは、紅葉の美しさだった。ことに黄金色に彩られたカラマツは別格だった。
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