八甲田山(大岳):行く手は白霧か、蒼穹か

2022.02.11(金) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
4 時間 37
休憩時間
32
距離
8.0 km
のぼり / くだり
717 / 717 m

活動詳細

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本州最北の地、青森県を代表する山の一つ『八甲田山(はっこうださん)』。多くの高原湿地と豊かな高山植物群に恵まれおり、県内最高峰である『岩木山(いわきさん、1625m)』と共に、日本百名山にも数えられている。周辺は温泉地や紅葉スポットなどとして県内外から広く親しまれている一方、冬季における世界有数の豪雪地帯でもある。そのため本峰は樹氷の名所としても知られており、スキーや雪山登山を楽しむ人々にとって、憧れの一座ともなっているのだ。なお、『八甲田山』とは18のピークから成る峰々の総称であるが、登山においてはその主峰である『大岳(おおだけ、1585m)』を目指すのが定番とされている。   ともあれそんな『八甲田山』であるが、筆者も一昨年の8月にここ青森県に越してきて以来、何度か足を運んできた大変お気に入りの山域である。此度の冬シーズンも是非赴きたいところであったが、こと県北の山域においては天候の安定しない日々が続き、そのタイミングも掴みづらいものがあった。しかしながら、そんな中で迎えた2月連休の初日は幸いにして、登山日和の天候に恵まれる模様である。この好機を逃すまいと、此度の建国記念日はこの『八甲田』の主峰、『大岳』へ向かうことに決定。純白に彩られたその頂へ想いを馳せつつ早朝の列車に乗り込み、いざ登山口へ出発である。     <アクセス> ※データは全て令和4年2月11日現在のもの ・往路  08:00 青森駅前バス停(11番乗り場)     JRバス『みずうみ700号』乗車  09:15 酸ヶ湯温泉バス停下車      運賃:1360円 ・復路  15:15 酸ヶ湯温泉バス停     JRバス『みずうみ705号』乗車  16:57 青森駅前バス停下車      運賃:1360円 ※JRバス『みずうみ号』は時期によってダイヤや運行区間が異なることに注意。特に晩秋~初春の間は、今回筆者が復路で利用した便が最終便となるため、それらを踏まえたうえで計画を立てること。 ※WEB検索の仕方によっては古い時刻表が上位に表示されることがある。必ず最新のものであるか確認すること。   <記念バッジ> ・酸ヶ湯温泉の売店にて購入可能。   <下山後のいで湯> ・酸ヶ湯温泉にて日帰り入浴が可能。料金は大人1000円(フェイスタオル、レンタルバスタオル込み)。『千人風呂(混浴)』は7時~18時、『玉の湯(男女別)』は9時~17時。『玉の湯』はボディソープ、シャンプー、リンスの備え付けあり。『千人風呂』には洗い場なし。レストランあり(そば類中心のメニューのため、アレルギーのある方は注意)。

八甲田山・高田大岳・雛岳 青森駅からJRバスに乗り換え、1時間15分ほどで今回のスタート地点となる『酸ヶ湯温泉』へ到着だ。全国的に有名な温泉の一つだが、『八甲田山』への登山基地としても知られている。写真奥のピークは、今回目指す『大岳』の姿である。
青森駅からJRバスに乗り換え、1時間15分ほどで今回のスタート地点となる『酸ヶ湯温泉』へ到着だ。全国的に有名な温泉の一つだが、『八甲田山』への登山基地としても知られている。写真奥のピークは、今回目指す『大岳』の姿である。
八甲田山・高田大岳・雛岳 『酸ヶ湯温泉』前から車道を少し登り、道脇の雪壁をよじ登れば(大抵の場合、先行者の方が登りやすく段切りしてくれている)、登山口が見えてくる。ここでスノーシューを装着し、いざ登山道へ進出だ。
『酸ヶ湯温泉』前から車道を少し登り、道脇の雪壁をよじ登れば(大抵の場合、先行者の方が登りやすく段切りしてくれている)、登山口が見えてくる。ここでスノーシューを装着し、いざ登山道へ進出だ。
八甲田山・高田大岳・雛岳 登山口からトレースを辿って樹林帯へ。積雪は少々深かったが、先行者の方々が刻んでくださったトレースのおかげで、非常にスムーズに進むことが出来た。
登山口からトレースを辿って樹林帯へ。積雪は少々深かったが、先行者の方々が刻んでくださったトレースのおかげで、非常にスムーズに進むことが出来た。
八甲田山・高田大岳・雛岳 少し登ると、左手が大きく開けた場所に出る。ここは火山ガスの影響を受けやすい場所のようで、無雪期は荒涼とした景色が広がっているが、この季節には全く異なる趣を魅せてくれる。
少し登ると、左手が大きく開けた場所に出る。ここは火山ガスの影響を受けやすい場所のようで、無雪期は荒涼とした景色が広がっているが、この季節には全く異なる趣を魅せてくれる。
八甲田山・高田大岳・雛岳 ところで、『八甲田山』には大きく分けて『北八甲田』と『南八甲田』の二つのエリアが存在し、今回目指す『大岳』は『北八甲田』に属している。今回辿ったトレースはいつもと少し違うルートを描いており、夏道の登山道とはまた違った角度から『南八甲田』の峰々を拝むことが出来た。
ところで、『八甲田山』には大きく分けて『北八甲田』と『南八甲田』の二つのエリアが存在し、今回目指す『大岳』は『北八甲田』に属している。今回辿ったトレースはいつもと少し違うルートを描いており、夏道の登山道とはまた違った角度から『南八甲田』の峰々を拝むことが出来た。
八甲田山・高田大岳・雛岳 その後も時折、進行方向右手側の見晴らしが拓ける箇所に差し掛かる。写真奥のピークは『硫黄岳(いおうだけ、1360m)』。
その後も時折、進行方向右手側の見晴らしが拓ける箇所に差し掛かる。写真奥のピークは『硫黄岳(いおうだけ、1360m)』。
八甲田山・高田大岳・雛岳 途中より、無雪期のルートから大きく逸れる形で、『地獄湯の沢』と呼ばれる谷あいの道のりへ入る。ここからしばらくは、積雪期限定の登山コースとなる。
途中より、無雪期のルートから大きく逸れる形で、『地獄湯の沢』と呼ばれる谷あいの道のりへ入る。ここからしばらくは、積雪期限定の登山コースとなる。
八甲田山・高田大岳・雛岳 沢沿いの雪路は少しずつ傾斜を増してゆくが、良好な晴天の下、その先の更なる白銀の世界を楽しみに頑張って進む。
沢沿いの雪路は少しずつ傾斜を増してゆくが、良好な晴天の下、その先の更なる白銀の世界を楽しみに頑張って進む。
八甲田山・高田大岳・雛岳 しばらく沢を登り続け、再び夏山ルートに合流すると、岩肌に吹雪が描いた独特のテクスチャが見られるようになる。
しばらく沢を登り続け、再び夏山ルートに合流すると、岩肌に吹雪が描いた独特のテクスチャが見られるようになる。
八甲田山・高田大岳・雛岳 その先には、少し背の高い道標が立っている。氷雪に覆われていてもそれと分かりやすい出で立ちのため、ランドマークとして活用可能だ。
その先には、少し背の高い道標が立っている。氷雪に覆われていてもそれと分かりやすい出で立ちのため、ランドマークとして活用可能だ。
八甲田山・高田大岳・雛岳 しかるのち、徐々に谷間が拓けてくると、数多の樹氷が独特の威容を成し佇んでいた。非日常的な世界観を醸すこの光景こそ、冬の八甲田の大きな魅力の一つといえよう。
しかるのち、徐々に谷間が拓けてくると、数多の樹氷が独特の威容を成し佇んでいた。非日常的な世界観を醸すこの光景こそ、冬の八甲田の大きな魅力の一つといえよう。
八甲田山・高田大岳・雛岳 いったん樹氷帯を抜けたら、『仙人岱(せんにんたい)』と呼ばれる開けた一帯へ到着だ。写真奥の半分ガスに覆われているピークは、『大岳』の東隣に位置する『小岳(こだけ、1478m)』。
いったん樹氷帯を抜けたら、『仙人岱(せんにんたい)』と呼ばれる開けた一帯へ到着だ。写真奥の半分ガスに覆われているピークは、『大岳』の東隣に位置する『小岳(こだけ、1478m)』。
八甲田山・高田大岳・雛岳 『仙人岱』からは、いよいよ今回のハイライトである『大岳』への登りに入る。山頂周辺部は、風に乗ってやってくるガスに覆われがちであったが、登りきった先に良い眺めが待っていることを願いつつ、改めて出発だ。
『仙人岱』からは、いよいよ今回のハイライトである『大岳』への登りに入る。山頂周辺部は、風に乗ってやってくるガスに覆われがちであったが、登りきった先に良い眺めが待っていることを願いつつ、改めて出発だ。
八甲田山・高田大岳・雛岳 『仙人岱』から北側へ折れ、再び樹氷帯を抜けると雪路は更なる急坂へ。スノーシューで突破できそうな箇所を見極めつつ、つづら折りを繰り返しながら必死に登り詰めてゆく。
『仙人岱』から北側へ折れ、再び樹氷帯を抜けると雪路は更なる急坂へ。スノーシューで突破できそうな箇所を見極めつつ、つづら折りを繰り返しながら必死に登り詰めてゆく。
八甲田山・高田大岳・雛岳 テクニカルな登坂を経て、比較的歩きやすい斜面に出ると、山頂まではあと少しだ。ここまで来れば、技術的に難しい箇所も特に無い。
テクニカルな登坂を経て、比較的歩きやすい斜面に出ると、山頂まではあと少しだ。ここまで来れば、技術的に難しい箇所も特に無い。
八甲田山・高田大岳・雛岳 しかる後に『八甲田連峰』の主峰、『大岳』へ無事登頂である。台地状の山頂周辺では、大休止をとる方々の姿も多く見られた。
しかる後に『八甲田連峰』の主峰、『大岳』へ無事登頂である。台地状の山頂周辺では、大休止をとる方々の姿も多く見られた。
八甲田山・高田大岳・雛岳 残念ながら筆者が登頂したタイミングでは、頭上にこそ青空が広がっていたものの、それ以外の周囲はガスに巻かれていた。展望も、時折南東方面が僅かに見通せるのみ。しばらく待ってもそれは変わらなかったため、諦めて下山の途へ。
残念ながら筆者が登頂したタイミングでは、頭上にこそ青空が広がっていたものの、それ以外の周囲はガスに巻かれていた。展望も、時折南東方面が僅かに見通せるのみ。しばらく待ってもそれは変わらなかったため、諦めて下山の途へ。
八甲田山・高田大岳・雛岳 下山にあたっては、往路をそのまま引き返すこととした。山頂直下の急斜面では踏み抜きを警戒し、下りでもそのままスノーシューを使用したが、アイゼンとピッケルに換装した方が簡単かつ安全だったかもしれない。
写真奥は『大岳』南隣の『硫黄岳(いおうだけ、1360m)』、その手前の平地が先程の『仙人岱』。
下山にあたっては、往路をそのまま引き返すこととした。山頂直下の急斜面では踏み抜きを警戒し、下りでもそのままスノーシューを使用したが、アイゼンとピッケルに換装した方が簡単かつ安全だったかもしれない。 写真奥は『大岳』南隣の『硫黄岳(いおうだけ、1360m)』、その手前の平地が先程の『仙人岱』。
八甲田山・高田大岳・雛岳 『仙人岱』を過ぎ、引き続き『地獄湯の沢』へ。ここでは条件が良ければ、青森県の最高峰『岩木山(いわきさん、1625m)』の姿を進行方向に拝みながらの下りとなる。しかしながら、この日はガスに覆われており、時折うっすらと窺える程度であった。
『仙人岱』を過ぎ、引き続き『地獄湯の沢』へ。ここでは条件が良ければ、青森県の最高峰『岩木山(いわきさん、1625m)』の姿を進行方向に拝みながらの下りとなる。しかしながら、この日はガスに覆われており、時折うっすらと窺える程度であった。
八甲田山・高田大岳・雛岳 そののち『地獄湯の沢』を経て樹林帯を抜けると、此度の山路も無事締めくくりである。雪山装備を解除し車道へ降りたら、お楽しみのいで湯は目の前だ。
そののち『地獄湯の沢』を経て樹林帯を抜けると、此度の山路も無事締めくくりである。雪山装備を解除し車道へ降りたら、お楽しみのいで湯は目の前だ。

活動の装備

  • ニコン(Nikon)
    標準ズームレンズAF-SDXNIKKOR16-85mmf/3.5-5.6GEDVRニコンDXフォーマット専用
  • ニコン(Nikon)
    デジタル一眼レフカメラD7100ボディーD7100

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