【塩尻】鳴雷山(1093m)

2021.10.02(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
1 時間 30
休憩時間
0
距離
3.3 km
上り / 下り
326 / 325 m
1
32
43
2

活動詳細

すべて見る

<はじめに> うちには、刃物を研ぐために父親が使った砥石がたくさん転がっていました。人工の砥石が登場するまでは、もちろん、人は天然の石材を掘り出していました。 和食や宮大工、刀剣の世界のみならず、砥石は縄文の昔から「生活」や「経済」を成り立たせるための裏方の道具として、重要な意味を持っています。塩尻市にある床尾村(宗賀村)でも、砥石用の良質な粘板岩が掘り出されてきました。 「鳴雷山(なるかみやま)」の名は、インパクトがありますね。火祭りだけでなく、「砥石地蔵」を拝むためにも、是非とも訪れたいと思っていました。 <登山口~山頂> 床尾神社近くに車を置いて出発。登山道の入口にクマ注の警告がある。夏草を踏んで入山。奥に分岐があり、「大門先経由鳴雷山」方面を取る。驚いたことに、見上げる位置の草むした台地に、埋もれるようにして鳥居があった。 18号鉄塔の広場から、再び草ヤブを踏んで尾根道に入る。ほどなくして床尾神社の奥宮の前に立った。五穀豊穣・家内安全・・・ここは、天保年間より信心を集める神社だ。毎年8月に、伝統の火祭りが行われる。 村人が集う火祭りのYou Tube映像もポイントが高い。床尾は、米ではなく、麦を作って生活の糧にしていた。麦わらで作った松明を持って山頂に登り、豊作を祈願するんだって。 <山頂~登山口> 山頂から東に降りかけると、クマの大きな落とし物がある!ビビリながら、砥石地蔵にお参り。僧形の石仏だ。台座には天保14癸卯(みずのとう;1843年のこと)・砥山連中の刻印があった。彼らはこの山域一体で砥石を切り出していた人たちだ。砥石用の石で石仏を建立した人々の、厚い信仰心に触れる思いだ。 ここからの下山路は、拡幅されて高速道路なみだった。2020年に宗賀地区が小型重機を使って、のり面掘削と路面整地、土留め工事を施している。道幅も1.5mに広げた。 里山の良さが凝縮された山なんだけど、お祭りの後継者も少なくて、どこも同じ悩みを抱えている。旅人の目線だから気づく魅力であっても、住むとなると別の話かもしれない。 それでも、振り返り振り返りしつつ、後ろ髪引かれながら、車のアクセルを踏む私がいた。

もしも不適切なコンテンツをお見かけした場合はお知らせください。