名久井岳:自粛の日々、再び

2022.01.30(日) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
2 時間 8
休憩時間
9
距離
4.8 km
のぼり / くだり
455 / 453 m

活動詳細

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青森県南部の一角に佇む『名久井岳(なくいだけ)』。標高615mの里山ながら、端正な山容から『南部小富士』の異名をとり、その周辺は県の自然公園にも指定されている。古くから霊峰として崇敬を受けてきた経緯もあり、麓には多くの寺社が点在するほか、リンゴや桃、梨、サクランボ等の果樹園も広がっており、地元の人々から広く親しまれている象徴的な存在だ。   一方、令和元年11月以来、全人類社会に多大なる影響を及ぼし続けてきた新型コロナウイルス感染症。ようやくその収束が見え始めたのも束の間、昨年末より再びその猛威は世の中を席巻し、ここ青森県にも『まん延防止等重点措置』の適用が決定された。これに従う形で筆者の職場でも県外への移動を公私ともに自粛する方針が打ち出され、しばらく県境を越えることは叶わなくなったのである。そんな中で迎えたこの週末。多くの山々を頂く県北部は、まだ時期的に天候が安定しないため中々足を運びづらい。その上県を跨ぐことが出来ないとなれば、筆者の居住地から比較的近い岩手県北部の山路を目指すことも不可能だ。おのずと選択肢の幅が狭まる中、ひとまず今回はこの『名久井岳』を目指すこととした。本峰へは何度か訪ねたことがあったものの、積雪期は此度が初めてだ。そんな訳で当日朝、馴染みある山のまだ見ぬ姿に思いを馳せつつ、登山口へ向け車のハンドルを取る筆者であった。     <アクセス> ・『法光寺(青森県三戸郡南部町大字法光寺字法光寺20)』をカーナビの目的地にセット。同院の駐車場から『かもしか遊歩道』入口までは、歩いて5分もかからない。   ・この他、青い森鉄道『諏訪ノ平駅』より南部町多目的バスも利用可能。ただし登山に使えそうな便は一日一本のみで、下山後の帰路は青い森鉄道『剣吉駅』への別路線を利用する形となる。時刻表その他は公式ウェブサイト等を確認のこと。

名久井岳  今回のスタート地点は、本峰の東麓に位置する寺院『法光寺(ほうこうじ)』だ。駐車場に車を停めたら支度を整え、まずは登山口へ。
今回のスタート地点は、本峰の東麓に位置する寺院『法光寺(ほうこうじ)』だ。駐車場に車を停めたら支度を整え、まずは登山口へ。
名久井岳  『法光寺』から少し車道を登ると、右手に『かもしか遊歩道』と呼ばれるハイキングコースへの入り口が待っている。今回はここから入山だ。
なお、車道はこの先『名久井岳』山頂に最も近い『名久井岳樹海ライン登山口』付近まで続いているが、この時期は冬季通行止めとなっている。
『法光寺』から少し車道を登ると、右手に『かもしか遊歩道』と呼ばれるハイキングコースへの入り口が待っている。今回はここから入山だ。 なお、車道はこの先『名久井岳』山頂に最も近い『名久井岳樹海ライン登山口』付近まで続いているが、この時期は冬季通行止めとなっている。
名久井岳  『かもしか遊歩道』は結構な急斜面が続く箇所も多く、『遊歩道』とはいえ中々侮れない。ただし、足元の雪は良く踏み固められていたこともあって、チェーンスパイクさえ装備していれば歩きにくい箇所は特に無かった。
『かもしか遊歩道』は結構な急斜面が続く箇所も多く、『遊歩道』とはいえ中々侮れない。ただし、足元の雪は良く踏み固められていたこともあって、チェーンスパイクさえ装備していれば歩きにくい箇所は特に無かった。
名久井岳  尾根伝いに続く『かもしか遊歩道』は道中、双耳峰のような二つのピークを超える形となる。周囲は木立に阻まれ展望はほとんど望めないものの、先述の急坂も相まって、ちょっとした里山登山の趣だ。
写真は最初に立ち寄った西側のピークで、写真には写っていないが休憩用のベンチも置かれている。
尾根伝いに続く『かもしか遊歩道』は道中、双耳峰のような二つのピークを超える形となる。周囲は木立に阻まれ展望はほとんど望めないものの、先述の急坂も相まって、ちょっとした里山登山の趣だ。 写真は最初に立ち寄った西側のピークで、写真には写っていないが休憩用のベンチも置かれている。
名久井岳  その後も多少のアップダウンを経たのち小さく登り返すと、『かもしか遊歩道』は終点となり、いったん林道へ突き当たる。
積雪に覆われた車道を左手へ進むと、すぐに今度は『名久井岳樹海ライン登山口』へ。ここからいよいよ、山頂へ向けて本格的な登りに入る。
その後も多少のアップダウンを経たのち小さく登り返すと、『かもしか遊歩道』は終点となり、いったん林道へ突き当たる。 積雪に覆われた車道を左手へ進むと、すぐに今度は『名久井岳樹海ライン登山口』へ。ここからいよいよ、山頂へ向けて本格的な登りに入る。
名久井岳  『名久井岳樹海ライン登山口』から山頂までの道程は距離こそ大したことはないものの、更なる急坂が連続する形となる。
『名久井岳樹海ライン登山口』から山頂までの道程は距離こそ大したことはないものの、更なる急坂が連続する形となる。
名久井岳  少し進むと、小規模ながら岩稜帯も現れる。今回は迂回したものの、アイゼンで岩稜帯を登る練習にも活用できるかもしれない。
少し進むと、小規模ながら岩稜帯も現れる。今回は迂回したものの、アイゼンで岩稜帯を登る練習にも活用できるかもしれない。
名久井岳  先程の岩場を過ぎると、右手に鉄筋コンクリート造りの小さな小屋が。その付近には電波塔も建っており、その管理施設のようである。
先程の岩場を過ぎると、右手に鉄筋コンクリート造りの小さな小屋が。その付近には電波塔も建っており、その管理施設のようである。
名久井岳  そののち登山道は再び、鎖の張られた急登に。
そののち登山道は再び、鎖の張られた急登に。
名久井岳  先述の鎖場を登り切ると、簡素な避難小屋が建っている。室内にはストーブが設置されており、燃料の薪も沢山ストックされていた。写真や記念品なども飾られており、本峰が地元の登山者の方々から愛されていることを感じさせられる。
先述の鎖場を登り切ると、簡素な避難小屋が建っている。室内にはストーブが設置されており、燃料の薪も沢山ストックされていた。写真や記念品なども飾られており、本峰が地元の登山者の方々から愛されていることを感じさせられる。
名久井岳  避難小屋の脇から最後の小坂を登りきれば、『名久井岳』の頂へ到着である。拓けたその中央部には、昭和9年に麓の村の青年団が設置した理想碑が佇んでいる。
避難小屋の脇から最後の小坂を登りきれば、『名久井岳』の頂へ到着である。拓けたその中央部には、昭和9年に麓の村の青年団が設置した理想碑が佇んでいる。
名久井岳  山頂広場には方位盤も置かれ、周囲の見晴らしが非常に良好だ。写真は北東方面への眺めで、奥の稜線は『階上岳(はしかみだけ、740m)』。
山頂広場には方位盤も置かれ、周囲の見晴らしが非常に良好だ。写真は北東方面への眺めで、奥の稜線は『階上岳(はしかみだけ、740m)』。
名久井岳  こちらは北西方面。条件に恵まれていれば、青森県が誇る山域である『八甲田連峰(はっこうだれんぽう)』まで見晴らすことも可能。・・・なのだが、この日はガスに覆われていた。
こちらは北西方面。条件に恵まれていれば、青森県が誇る山域である『八甲田連峰(はっこうだれんぽう)』まで見晴らすことも可能。・・・なのだが、この日はガスに覆われていた。
名久井岳  山頂で一休みしたのち、まずは往路を辿って下山の途へ。今回は終始チェーンスパイクで歩いたが、急坂の下りでは鎖に頼る場面も多く、本格的なアイゼンでも良かったかもしれない。
山頂で一休みしたのち、まずは往路を辿って下山の途へ。今回は終始チェーンスパイクで歩いたが、急坂の下りでは鎖に頼る場面も多く、本格的なアイゼンでも良かったかもしれない。
名久井岳  ともあれ、足元に気を付けながら下り続けると、あっという間に『樹海ライン登山口』まで戻ってくる。ここから先は、往路とは別ルートを辿ることとした。
ともあれ、足元に気を付けながら下り続けると、あっという間に『樹海ライン登山口』まで戻ってくる。ここから先は、往路とは別ルートを辿ることとした。
名久井岳  『樹海ライン登山口』から先へ進むと、あずま屋や簡易トイレの置かれた小さな駐車場に出る。無雪期であればここまで自動車で乗り付けることも可能だが、冬季通行止めとなるこの時期は、深い雪に覆われていた。
『樹海ライン登山口』から先へ進むと、あずま屋や簡易トイレの置かれた小さな駐車場に出る。無雪期であればここまで自動車で乗り付けることも可能だが、冬季通行止めとなるこの時期は、深い雪に覆われていた。
名久井岳  そののち、引き続き道路を歩いて『法光寺』への帰還を目指す。通常は退屈な車道歩きだが、積雪に閉ざされたこの時期は非日常の世界観を楽しめる。
そののち、引き続き道路を歩いて『法光寺』への帰還を目指す。通常は退屈な車道歩きだが、積雪に閉ざされたこの時期は非日常の世界観を楽しめる。
名久井岳  雪面に刻まれた足跡から、動物たちの息遣いをより深く感じられるのも里山の雪路の魅力だ。これは誰の足跡であろうか。
雪面に刻まれた足跡から、動物たちの息遣いをより深く感じられるのも里山の雪路の魅力だ。これは誰の足跡であろうか。
名久井岳  その後も車道を下り基調に歩き続けると、やがて最初の『かもしか遊歩道』の入口へ帰り着く。冬季通行止めの柵の脇を抜けたら、スタート地点の駐車場は目の前だ。
その後も車道を下り基調に歩き続けると、やがて最初の『かもしか遊歩道』の入口へ帰り着く。冬季通行止めの柵の脇を抜けたら、スタート地点の駐車場は目の前だ。
名久井岳  今回のスタート地点である『法光寺』は、鎌倉時代に北条時頼によって開かれた由緒を持つ曹洞宗の寺院だ。境内には、国内最大の三重塔『承陽塔』が所在するなど、山行後の立ち寄りスポットとしても見逃せない。なお、お参りには拝観料(大人300円、中学生以下100円)が必要。
今回のスタート地点である『法光寺』は、鎌倉時代に北条時頼によって開かれた由緒を持つ曹洞宗の寺院だ。境内には、国内最大の三重塔『承陽塔』が所在するなど、山行後の立ち寄りスポットとしても見逃せない。なお、お参りには拝観料(大人300円、中学生以下100円)が必要。
名久井岳  帰り道に、東側から見た『名久井岳』の姿。ちなみに本峰およびその周辺においては、毎年トレイルランの大会も開催されているそうな。
帰り道に、東側から見た『名久井岳』の姿。ちなみに本峰およびその周辺においては、毎年トレイルランの大会も開催されているそうな。

活動の装備

  • ニコン(Nikon)
    標準ズームレンズAF-SDXNIKKOR16-85mmf/3.5-5.6GEDVRニコンDXフォーマット専用
  • ニコン(Nikon)
    デジタル一眼レフカメラD7100ボディーD7100

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