八甲田山(仙人岱まで):令和4年登り初め

2022.01.10(月) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
3 時間 24
休憩時間
35
距離
6.4 km
のぼり / くだり
452 / 452 m

活動詳細

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青森県を代表する一座である『八甲田山(はっこうださん)』。多くの高原湿地と豊かな高山植物群に恵まれおり、県内最高峰である『岩木山(いわきさん、1625m)』と並んで日本百名山の一座にも数えられている。また、火山でもあることから『酸ヶ湯温泉(すかゆおんせん)』や『城ヶ倉温泉(じょうがくらおんせん)』などといった多くの温泉地も点在するほか、ロープウェーやスキー場も整備され、登山者のみならず、県内外の多くの人々から親しまれている。一方で、本峰周辺は冬季における世界有数の豪雪地帯でもある。とりわけ樹氷の名所としても知られており、雪山登山を楽しむ登山者にとって、憧れの存在ともなっているのだ。なお、『八甲田山』とは18のピークから成る峰々の総称であるが、登山においてはその主峰である『大岳(おおだけ、1585m)』を目指すのが定番とされている。   ともあれ暦も令和4年の新たな年を迎え、早10日が過ぎようとしていた。できれば正月三箇日の間に今年の登り初めに出掛けたい所ではあったものの、生憎、中々天候には恵まれない日が続いていたのである。結局筆者は自宅に籠りつつ、駐車場や車の雪かきに勤しみ、夕方には近所の温泉へ行き来しながら正月休暇を終えることとなった。それから仕事始めを経て、迎えた最初の三連休。今度こそどこかへ山行に赴きたいと考えていたところ、成人の日の月曜日、上述の『八甲田山』は比較的良好な気象条件となる模様である。本峰は一昨年の夏、ここ青森県に越してきて以来、何度か足を運んできたお気に入りの山であり、今年の登り初めにはまさにうってつけであろう。   そんな訳で、令和4年最初の山行はこの『八甲田山』の花形である『大岳』に決定。この一年の登山ライフの幕開けを良き思い出とすべく、意気揚々と早朝の列車に乗り込む筆者であった。     <アクセス> ※データは全て令和4年1月10日現在のもの ・往路  08:00 青森駅前バス停(11番乗り場)     JRバス『みずうみ700号』乗車  09:15 酸ヶ湯温泉バス停下車      運賃:1360円 ・復路  15:15 酸ヶ湯温泉バス停     JRバス『みずうみ705号』乗車  16:57 青森駅前バス停下車      運賃:1360円 ※JRバス『みずうみ号』は時期によってダイヤや運行区間が異なることに注意。特に晩秋~初春の間は、今回筆者が復路で利用した便が最終便となるため、それらを踏まえたうえで計画を立てること。 ※WEB検索の仕方によっては古い時刻表が上位に表示されることがある。必ず最新のものであるか確認すること。   <記念バッジ> ・酸ヶ湯温泉の売店にて購入可能。   <下山後のいで湯> ・酸ヶ湯温泉にて日帰り入浴が可能。料金は大人1000円(フェイスタオル、レンタルバスタオル込み)。『千人風呂(混浴)』は7時~18時、『玉の湯(男女別)』は9時~17時。『玉の湯』はボディソープ、シャンプー、リンスの備え付けあり。『千人風呂』には洗い場なし。レストランあり(そば類中心のメニューのため、アレルギーのある方は注意)。

八甲田山・高田大岳・雛岳 青森駅からバスに乗り換え、1時間15分ほどで麓の『酸ヶ湯温泉』へ到着。全国的に有名な温泉の一つだが、『八甲田山』への登山基地としても知られている。
なお、天気が良ければ温泉前の駐車場から『大岳』の頂きを望むことが出来るのだが、到着してみるとその姿はガスに厚く覆い隠されていた。これは少々雲行きが怪しいか・・・?と感じつつも、ひとまず登山口へ向かうこととした。
青森駅からバスに乗り換え、1時間15分ほどで麓の『酸ヶ湯温泉』へ到着。全国的に有名な温泉の一つだが、『八甲田山』への登山基地としても知られている。 なお、天気が良ければ温泉前の駐車場から『大岳』の頂きを望むことが出来るのだが、到着してみるとその姿はガスに厚く覆い隠されていた。これは少々雲行きが怪しいか・・・?と感じつつも、ひとまず登山口へ向かうこととした。
八甲田山・高田大岳・雛岳 『酸ヶ湯温泉』前から車道を少し登り、道脇の雪壁をよじ登れば(大抵の場合、先行者の方が登りやすく段切りしてくれている)、登山口が見えてくる。ここでスノーシューを装着し、いざ登山道へ進出だ。
『酸ヶ湯温泉』前から車道を少し登り、道脇の雪壁をよじ登れば(大抵の場合、先行者の方が登りやすく段切りしてくれている)、登山口が見えてくる。ここでスノーシューを装着し、いざ登山道へ進出だ。
八甲田山・高田大岳・雛岳 登山口からトレースを辿って樹林帯へ。この日の積雪はかなり深かったものの、先行者の方々が刻んでくださったトレースの恩恵で、非常に歩きやすかった。
登山口からトレースを辿って樹林帯へ。この日の積雪はかなり深かったものの、先行者の方々が刻んでくださったトレースの恩恵で、非常に歩きやすかった。
八甲田山・高田大岳・雛岳 少し登ると、左手が大きく開けた地形に出る。ここは火山ガスの影響を受けやすい場所のようで、無雪期は荒涼とした景色が広がっているが、この季節には全く異なる趣を魅せてくれる。
少し登ると、左手が大きく開けた地形に出る。ここは火山ガスの影響を受けやすい場所のようで、無雪期は荒涼とした景色が広がっているが、この季節には全く異なる趣を魅せてくれる。
八甲田山・高田大岳・雛岳 ところで、『八甲田山』には大きく分けて『北八甲田』と『南八甲田』の二つのエリアが存在し、『大岳』は『北八甲田』に属している。
道中『南八甲田』の峰々を見晴らせる展望地も存在するが、この日はそちらの稜線も望めなかった。
ところで、『八甲田山』には大きく分けて『北八甲田』と『南八甲田』の二つのエリアが存在し、『大岳』は『北八甲田』に属している。 道中『南八甲田』の峰々を見晴らせる展望地も存在するが、この日はそちらの稜線も望めなかった。
八甲田山・高田大岳・雛岳 進むにつれ、周囲の木立もより多くの雪を纏うようになる。その姿は独特の存在感を放っており、雪山へ来たことを一層強く印象付けられる。
進むにつれ、周囲の木立もより多くの雪を纏うようになる。その姿は独特の存在感を放っており、雪山へ来たことを一層強く印象付けられる。
八甲田山・高田大岳・雛岳 登山口からしばらくは、夏山とほぼ同様のコースを進む形となるが、途中からそちらを逸れて、『地獄湯の沢』と呼ばれる谷あいの道のりへ入る。ここから後述の『仙人岱(せんにんたい)』までは、積雪期限定の登山コースとなる。
登山口からしばらくは、夏山とほぼ同様のコースを進む形となるが、途中からそちらを逸れて、『地獄湯の沢』と呼ばれる谷あいの道のりへ入る。ここから後述の『仙人岱(せんにんたい)』までは、積雪期限定の登山コースとなる。
八甲田山・高田大岳・雛岳 少しずつ傾斜を増す『地獄湯の沢』を、頑張って登り続ける筆者。しかし、あたりを取り巻く白霧は次第にその濃さを増しつつあった。
少しずつ傾斜を増す『地獄湯の沢』を、頑張って登り続ける筆者。しかし、あたりを取り巻く白霧は次第にその濃さを増しつつあった。
八甲田山・高田大岳・雛岳 やがて、再び夏山ルートに合流。写真では非常に分かりづらいが、このあたりから岩肌に吹雪が描いた独特のテクスチャが見られるようになる。
やがて、再び夏山ルートに合流。写真では非常に分かりづらいが、このあたりから岩肌に吹雪が描いた独特のテクスチャが見られるようになる。
八甲田山・高田大岳・雛岳 こちらは道中に出会う、背の高い道標。この時期、氷雪に覆われても比較的分かりやすい出で立ちのため、無雪期に本峰へ登った経験があれば、ランドマークとして活用できる。
こちらは道中に出会う、背の高い道標。この時期、氷雪に覆われても比較的分かりやすい出で立ちのため、無雪期に本峰へ登った経験があれば、ランドマークとして活用できる。
八甲田山・高田大岳・雛岳 沢沿いを登りきって平坦な地形に出ると、『仙人岱(せんにんたい)』と呼ばれる台地へ到着だ。同所周辺には数多の樹氷が多彩な姿で立ち並び、その威容はさながら非日常の世界観を醸していた。
沢沿いを登りきって平坦な地形に出ると、『仙人岱(せんにんたい)』と呼ばれる台地へ到着だ。同所周辺には数多の樹氷が多彩な姿で立ち並び、その威容はさながら非日常の世界観を醸していた。
八甲田山・高田大岳・雛岳 樹氷帯を抜けると、周囲が大きく開けた『仙人岱』の中心部へ。同所には目印として建てられた赤い旗が強風になびいていた。ここまで来れば『大岳』の山頂も間近に迫ってくるはずなのだが、その山路は完全に五里霧中であった。
この時点で、『大岳』まで安全に行き来することは不可能と判断。遺憾ながら、同峰への登頂は断念することとした。
樹氷帯を抜けると、周囲が大きく開けた『仙人岱』の中心部へ。同所には目印として建てられた赤い旗が強風になびいていた。ここまで来れば『大岳』の山頂も間近に迫ってくるはずなのだが、その山路は完全に五里霧中であった。 この時点で、『大岳』まで安全に行き来することは不可能と判断。遺憾ながら、同峰への登頂は断念することとした。
八甲田山・高田大岳・雛岳 ともあれ、どこか近くのチェックポイントは踏んでおこうと思い、『仙人岱』に置かれた避難小屋を目指してみることとした。ガスの中でもその姿ははっきりとうかがえたため、そちらを目指して樹氷の間を縫うように進む。
ともあれ、どこか近くのチェックポイントは踏んでおこうと思い、『仙人岱』に置かれた避難小屋を目指してみることとした。ガスの中でもその姿ははっきりとうかがえたため、そちらを目指して樹氷の間を縫うように進む。
八甲田山・高田大岳・雛岳 そののち、『仙人岱避難小屋』へ無事到着。今回の山行はここで折り返すこととした。
ちなみにこの日は、通常の玄関が雪中に没しており、一段高い箇所に設けられた冬季専用の扉より出入りする形となっていた。小屋前にはスキー板やスノーシューが沢山刺さっており、多くの方がここでお昼休憩をとられていた模様だ。
そののち、『仙人岱避難小屋』へ無事到着。今回の山行はここで折り返すこととした。 ちなみにこの日は、通常の玄関が雪中に没しており、一段高い箇所に設けられた冬季専用の扉より出入りする形となっていた。小屋前にはスキー板やスノーシューが沢山刺さっており、多くの方がここでお昼休憩をとられていた模様だ。
八甲田山・高田大岳・雛岳 『仙人岱』を後に、往路を取って返して下山の途へ。再び『地獄湯の沢』に入ると、束の間ではあるが雲が途切れ、振り向いた先に青空を拝む一幕も。
『仙人岱』を後に、往路を取って返して下山の途へ。再び『地獄湯の沢』に入ると、束の間ではあるが雲が途切れ、振り向いた先に青空を拝む一幕も。
八甲田山・高田大岳・雛岳 引き続き、『地獄湯の沢』沿いに下る。登りで辿った時よりも次第にガスは薄くなり、行く手を見失うことは無かった。
引き続き、『地獄湯の沢』沿いに下る。登りで辿った時よりも次第にガスは薄くなり、行く手を見失うことは無かった。
八甲田山・高田大岳・雛岳 『地獄湯の沢』から樹林帯の道へ戻ってくれば、下山まであと少しの道程だ。写真には上手く写せなかったが、進行方向のガスが晴れ、青森県の最高峰『岩木山』の姿を拝めることも。
『地獄湯の沢』から樹林帯の道へ戻ってくれば、下山まであと少しの道程だ。写真には上手く写せなかったが、進行方向のガスが晴れ、青森県の最高峰『岩木山』の姿を拝めることも。
八甲田山・高田大岳・雛岳 しかる後に、『酸ヶ湯温泉』の裏手に出れば無事下山完了だ。スノーシューを片付けたら車道に降り、『酸ヶ湯温泉』への帰途に。
しかる後に、『酸ヶ湯温泉』の裏手に出れば無事下山完了だ。スノーシューを片付けたら車道に降り、『酸ヶ湯温泉』への帰途に。
八甲田山・高田大岳・雛岳 下山後は、『酸ヶ湯温泉』で昼食を摂ったのち、のんびり温泉に浸かっていくこととした。
写真は、食堂『鬼面庵(おにめんあん)』にて頂いた天ぷらそば。この蕎麦は八甲田山の伏流水を活かしつつ、つなぎ粉や添加物を一切使用しないというこだわりの一品で、麺も一般的な蕎麦より白っぽいのが特徴。バリエーション豊かな天ぷら共々、大変に美味である。
下山後は、『酸ヶ湯温泉』で昼食を摂ったのち、のんびり温泉に浸かっていくこととした。 写真は、食堂『鬼面庵(おにめんあん)』にて頂いた天ぷらそば。この蕎麦は八甲田山の伏流水を活かしつつ、つなぎ粉や添加物を一切使用しないというこだわりの一品で、麺も一般的な蕎麦より白っぽいのが特徴。バリエーション豊かな天ぷら共々、大変に美味である。

活動の装備

  • ニコン(Nikon)
    標準ズームレンズAF-SDXNIKKOR16-85mmf/3.5-5.6GEDVRニコンDXフォーマット専用
  • ニコン(Nikon)
    デジタル一眼レフカメラD7100ボディーD7100

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