天上山・霜山・木山・木無山・三ッ峠山(開運山)・御巣鷹山

2022.01.08(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
9 時間 16
休憩時間
2 時間
距離
16.5 km
のぼり / くだり
1218 / 1458 m
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活動詳細

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河口湖駅のやたら広い駐車場には、車は3台くらいしか停まっていなかった。 車の窓には、霜が降りて結晶模様が出来ていた。 河口湖駅は木造の駅舎で大変綺麗に整備されていた。 しかもそのバックには広大な富士山が広がっている。 その後ろから昇る朝日が青空を明るく染めていくので、これから出発するぞ、という気分が高まりワクワクしてくきた。 今回は駅から徒歩で出発。 途中、ほうとうや天ぷらの店が何軒もあり賑やかだが5分も歩くと閑静な住宅街になる。 登山口は、小さな神社の脇にあり、まずは天上山というピークを目指す。 ここは、アジサイの名所であり、登山道と言うよりもハイキングコースに近い道だ。 実は今回の登りは全体的にほぼ傾斜はなく、緩やかな登りが続く感じだ。 30分程で山頂に到着した。 そこは天上山ロープウェイの終着駅であり、縁結びの鐘があり、小さな食堂と観光案内板(カチカチ山のモデルになったとのこと)があった。 それくらいならよくあるものだが、富士絶景を望む巨大空中ブランコ(2021年11月OPEN)や、武田信玄の本陣のジオラマなど様々なアトラクションが設置されており、賑やかを通り越して笑いがこみ上げてくる。 「こいつは凄いや!」 一通り観光した後、そう呟いて山頂へ歩みを進める。 道は再び静かな林道が続いた。 歩みを進めていると、こちらに気がついたのか不意に数羽の鳥が飛び立った。 さらに一歩、また一歩と進む度に十羽、数十羽と次々に小鳥が飛び立ち、やがて巨大な群れが登山道を横切っていった。 オレンジ色が印象的なその鳥は、アトリというらしい。 アトリが沢山とまった木は、花が咲いているように見えることから、漢字は「花鶏」と書くそうだ。 また小休止していると、たまたまイカルの群れが近くの木にとまった。 その他にもゴジュウカラや、ウソの鳴き声がどこからか聞こえるなど、野鳥の名所として名高い富士近辺ならではの自然にふれることが出来た。 3時間の登りを終えると、三つ峠山の山頂のひとつ木無山に登頂した。 ここまでくれば他の二つの山頂ももうすぐだ。 次なる山頂、開運山へ進む途中、三つ峠山荘が現れた。 三つ峠山荘は、小さいながらも味のある山小屋だった。 中へ入るとすぐ左側が畳の上がりになっており、ストーブが炊かれていた。古い本や雑誌が棚に沢山並んでおりゴロゴロ転がって読みたい気持ちになった。 しかも、2階にはテラス席があり富士山や街並みが一望できるという。夜景も美しいだろう。 惜しい気がしたが、バッチだけ購入して後にする。 少し進むと、本山とも言える開運山が姿を現した。 その南側は、切り立った岩壁になっており、屏風岩と呼ばれている。 そこで嬉しい出会いがあった。 なんと犬小屋が建っており、3匹の甲斐犬に会うことが出来たのだ。 屏風岩をバックに、ケージの上に立つその姿はニホンオオカミそのもの。 開運山の山頂付近にはNHKやNTTの電波塔が建っていた。 この山は、本当にイベントが尽きることがない賑やかな山である。 延々と続く雪に埋もれた階段を上りきると山頂へ到着した。 山頂からは八ヶ岳や南アルプスが一望できた。 それは言うまでもなく絶景であった。 だがそれ以上に私は富士五湖周辺の山のおもしろさに心を打たれていた。 「こんなに面白い山が近くにあったなんてねえ・・」 そして、日本アルプスよりも、身近にそびえる御坂山系の山や御正体山、杓子山などを山座同定しながら、「次はあの山に登ろう」などと登山家っぽいことを考えていた。 もう一つのピーク「御巣鷹山」を往復して戻ってくる。 それにしても奥多摩には鷹ノ巣山というのがあったが、偶然の一致だろうか。 山頂で、いつものカップラーメンはもちろん、今回はキノコクリームスープも作ってみる。 これが美味い。 今度は、パスタをゆでてキノコクリームスープのカップの中にぶち込んでスープパスタとして食べようと誓う。 帰りは、屏風岩の下を通過し南方の西桂町へ下山する。 屏風岩は幅200m以上もある大岩壁で、ロッククライミングの登竜門として名高い。 残念ながら練習している人々に会うことは出来なかったが、岩壁に打ち込まれた足場の数がシーズンの賑わいを想像させる。 途中、氷瀑と化した清水や、巨大な氷柱を眺めながら急降下する道を降りていく。 下界が近づくにつれて、氷は川へと姿を変えていき、やがて渓谷沿いの遊歩道へ出た。 遊歩道を下りきると、三つ峠グリーンセンターへたどり着いた。 立ち寄ることは出来なかったが、温泉やテニス、ボルダリング等を楽しむことが出来る小リゾート施設であり人数は少数ながらも楽しそうであった。 しかし、三つ峠グリーンセンターを通り過ぎるとそこは寂しい町だった。 家も空き家が目立ち、歩いている人も少なかった。 おまけに夕方になり川沿いの道は急に冷え込み、それが寂しさに拍車をかけていた。 だが、ふと遠くに目をやると、夕日に照らされた橙色の富士山が輝いていた。 三つ峠駅は、住宅街と一体になった小さな駅だった。 線路は単線で電車も45分に一本と言うところだろうか。 西桂町の観光パンフレットを手に取ると、そこには三つ峠山のコースと、対にそびえる倉見山のコースが見開きに載っていた。 いつか倉見山にも来てみたいと思った。 電車に乗り込むと中は木造になっており、よく暖房が来ていて暖かかった。 途中、車窓からは夕闇に包まれる美しい富士山を眺めることが出来たし、富士急ハイランド駅ではイルミネーションが綺麗だった。 しかも下吉田駅では、なんとフジファブリックの「茜色の夕日」が発着のBGMに使われていたのだ。 電車は終点の河口湖駅へ到着した。 あたりはすっかり真っ暗だ。 信玄餅を買って、ほうとうを食べて帰路に着く。 三ツ峠山、河口湖側の賑やかな登山道もよいが、西桂町の鄙びた空気もまた味わい深い。 その二面性にふれた山行となった。

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