操山:古墳と見晴らしの散歩道

2021.12.22(水) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
3 時間 24
休憩時間
10
距離
13.0 km
のぼり / くだり
532 / 533 m
3
9
25
56
1 2
7
4

活動詳細

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師走も下旬に入り、早いもので今年も残すところ10日を切った。此度の年の瀬は諸事情によりオフピークに休暇を取り、少々早めに実家の岡山県へ帰省する運びとなった筆者。地元で過ごせる期間は短いものの、この機会に近場の山へも足を運んでおきたい所である。そこで今回は、以前より気になっていた一座である、岡山市の『操山(みさおやま、169m)』を訪ねてみることとした。岡山市中心市街地の東側に位置する本峰は、多くの古墳が築かれた史跡の山であると同時に、多種多様な登山道が整備されており、地元の人々からハイキングスポットとしても親しまれている存在だ。市街地に隣接した裏山であるためアクセスも良く、気軽に楽しめるのも魅力的である。かくして、馴染み深い公共交通機関を乗り継ぎ、登山口を目指す筆者であった。     <アクセス> ※データは全て令和3年12月23日現在のもの ・往路  10:35 岡山駅前電停     岡山電気軌道東山線乗車  10:55 東山電停下車      運賃:140円  登山口までは徒歩10分程度。 ・復路  14:29 東山電停     岡山電気軌道東山線乗車  14:47 岡山駅前電停下車      運賃:140円 ※ダイヤは平日と土日祝祭日で若干異なることに注意。 ※岡山電気軌道の日中の列車はかなりの高頻度で運行されているため、そちらの時刻表を気にして登る必要は特に無い。   ・この他、岡山駅東口バスターミナルから両備バスも利用可能だが、普段から乗り慣れている方でもない限り、乗り場や路線が極めて分かりづらいため、登山目的であれば路面電車の方がお勧めである。

操山・笠井山 まずはJR岡山駅東口から路面電車に乗り込み、終点の『東山』電停へ。岡山市中心市街地を走る『岡山電気軌道』は、私鉄としては全国でも最小規模の路線ではあるものの、岡山市民にとってはそのシンボル的な存在だ。写真は『7500形電車』。
まずはJR岡山駅東口から路面電車に乗り込み、終点の『東山』電停へ。岡山市中心市街地を走る『岡山電気軌道』は、私鉄としては全国でも最小規模の路線ではあるものの、岡山市民にとってはそのシンボル的な存在だ。写真は『7500形電車』。
操山・笠井山 東山電停より、道路を歩くこと10分ほどで『奥市登山口』へ到着(写真左側の階段)。今回はここから入山することとした。
東山電停より、道路を歩くこと10分ほどで『奥市登山口』へ到着(写真左側の階段)。今回はここから入山することとした。
操山・笠井山 『奥市登山口』へ踏み込んだら、すぐ目の前の分岐を左側へ。その先には少々急な上り坂が続いているが、非常に良く整備されているため、歩きにくい箇所は皆無である。
『奥市登山口』へ踏み込んだら、すぐ目の前の分岐を左側へ。その先には少々急な上り坂が続いているが、非常に良く整備されているため、歩きにくい箇所は皆無である。
操山・笠井山 先述の急坂から尾根筋に出ると、今度は十字路の分岐が待っている。『操山』山頂方面へは右側だが、筆者いったん左折し、その先の『三勲神社』という神社の跡地へ寄り道してみることとした。
先述の急坂から尾根筋に出ると、今度は十字路の分岐が待っている。『操山』山頂方面へは右側だが、筆者いったん左折し、その先の『三勲神社』という神社の跡地へ寄り道してみることとした。
操山・笠井山 先程の分岐点から僅か2~3分ほど歩けば、『三勲神社』跡へ到着だ。『三勲神社』は明治初期、この場所に県社として建てられたが、戦後別の場所へ移されたそうである。
周辺には東屋のほか、展望案内板も設置されているが、そちらの方向には既に樹木が生い茂り、あまり見晴らしは得られなかった。
先程の分岐点から僅か2~3分ほど歩けば、『三勲神社』跡へ到着だ。『三勲神社』は明治初期、この場所に県社として建てられたが、戦後別の場所へ移されたそうである。 周辺には東屋のほか、展望案内板も設置されているが、そちらの方向には既に樹木が生い茂り、あまり見晴らしは得られなかった。
操山・笠井山 そののち一旦取って返して、今度は『操山』の山頂を目指す。再び階段状に整備された坂道へ差し掛かると、右手に大きな岩が現れる。落ちそうで落ちない、絶妙なバランスで佇んでいることから、受験生には有り難いパワースポットとされているそうな。なお、そのたもとには何故かオンマラサマが祀られており、縁結びや夫婦円満にも御利益がある模様。
そののち一旦取って返して、今度は『操山』の山頂を目指す。再び階段状に整備された坂道へ差し掛かると、右手に大きな岩が現れる。落ちそうで落ちない、絶妙なバランスで佇んでいることから、受験生には有り難いパワースポットとされているそうな。なお、そのたもとには何故かオンマラサマが祀られており、縁結びや夫婦円満にも御利益がある模様。
操山・笠井山 先程の坂を登りきった右側には、山頂直下の展望台が置かれている。同所には東屋も置かれており、丁度お昼休憩をとっている方もいらっしゃった。
先程の坂を登りきった右側には、山頂直下の展望台が置かれている。同所には東屋も置かれており、丁度お昼休憩をとっている方もいらっしゃった。
操山・笠井山 山頂直下の展望台からは、南西方向へ岡山市街地の見晴らしが抜群である。
山頂直下の展望台からは、南西方向へ岡山市街地の見晴らしが抜群である。
操山・笠井山 展望台から緩やかに進めば、『操山』の山頂はすぐそこだ。写真の小さな丘の上がその頂であるが、こちらは周囲を木立に閉ざされており、展望は得られない。
展望台から緩やかに進めば、『操山』の山頂はすぐそこだ。写真の小さな丘の上がその頂であるが、こちらは周囲を木立に閉ざされており、展望は得られない。
操山・笠井山 『操山』を後に、続いてはその東側に位置する『円山』にも足を延ばしてみることにした。ここから先はしばらく、歩きやすい尾根道の傍らに、様々な古墳の姿を拝みながら進むこととなる。
『操山』を後に、続いてはその東側に位置する『円山』にも足を延ばしてみることにした。ここから先はしばらく、歩きやすい尾根道の傍らに、様々な古墳の姿を拝みながら進むこととなる。
操山・笠井山 なお、『操山』周辺の登山道は割と縦横無尽に張り巡らされており、分岐点も多数存在する。地理院地形図に記載の無い道も多く、狙った通りの山路へ進むのは意外と難しい。しかしながら、道を間違ったところで大した問題は生じえないため、その辺りも含めてのんびり気ままに歩くのが、本峰の正しい楽しみ方と言えるかもしれない。
なお、『操山』周辺の登山道は割と縦横無尽に張り巡らされており、分岐点も多数存在する。地理院地形図に記載の無い道も多く、狙った通りの山路へ進むのは意外と難しい。しかしながら、道を間違ったところで大した問題は生じえないため、その辺りも含めてのんびり気ままに歩くのが、本峰の正しい楽しみ方と言えるかもしれない。
操山・笠井山 しばらく歩くと、立派な石室を構える古墳が現れた。これは『沢田裏山古墳』と呼ばれており、古墳時代後期に築かれたそうな。
しばらく歩くと、立派な石室を構える古墳が現れた。これは『沢田裏山古墳』と呼ばれており、古墳時代後期に築かれたそうな。
操山・笠井山 なお、登山道の一部は送電線の巡視路としても使われているようで、道中、鉄塔にもしばしば出会うこととなった。
なお、登山道の一部は送電線の巡視路としても使われているようで、道中、鉄塔にもしばしば出会うこととなった。
操山・笠井山 続いてこちらは『八畳岩古墳』。大きな岩で組み上げられていて迫力があるが、かつてはもっと大きな円墳であったものと推定されている。
続いてこちらは『八畳岩古墳』。大きな岩で組み上げられていて迫力があるが、かつてはもっと大きな円墳であったものと推定されている。
操山・笠井山 『操山』は、その小さな丘陵帯の周囲を市街地に取り囲まれているが、それでもイノシシが棲んでいる様子。登山道には彼らが掘り返したものとみられる痕も。
『操山』は、その小さな丘陵帯の周囲を市街地に取り囲まれているが、それでもイノシシが棲んでいる様子。登山道には彼らが掘り返したものとみられる痕も。
操山・笠井山 道中、『金蔵山古墳』と呼ばれる古墳にも立ち寄ってみた。これは4世紀末~5世紀初頭に築かれたものと見られており、この時期の古墳としては吉備国で最大規模とのこと。盛土が完全に周囲の地形と一体化していてどこからどこまでが古墳なのか非常に分かりづらいが、頂上周辺には、わずかに石室内を伺える崩落個所が存在した。
道中、『金蔵山古墳』と呼ばれる古墳にも立ち寄ってみた。これは4世紀末~5世紀初頭に築かれたものと見られており、この時期の古墳としては吉備国で最大規模とのこと。盛土が完全に周囲の地形と一体化していてどこからどこまでが古墳なのか非常に分かりづらいが、頂上周辺には、わずかに石室内を伺える崩落個所が存在した。
操山・笠井山 一度周囲が拓けて不動様の裏手に出たら、その先を鋭角に左折し、次なるピークである『円山』への登りに入る。こちらも、足元は階段状に整えられている。
一度周囲が拓けて不動様の裏手に出たら、その先を鋭角に左折し、次なるピークである『円山』への登りに入る。こちらも、足元は階段状に整えられている。
操山・笠井山 菩薩様の石塔を回り込み、もうほんの少し登れば、『円山(138m)』にも登頂である。周辺は広場状に整備されているが、ここが山頂であることを示す看板などは見当たらなかった。
菩薩様の石塔を回り込み、もうほんの少し登れば、『円山(138m)』にも登頂である。周辺は広場状に整備されているが、ここが山頂であることを示す看板などは見当たらなかった。
操山・笠井山 なお『円山』の更に東側には、『笠井山(134m)』というピークも存在する。筆者もそちらまで縦走したい所であったが、時間の関係上、残念ながら今回は断念。『円山』の反対側へ下った後、これまた大きな石室を見送りつつ、出発地点方面へ折り返す。
なお『円山』の更に東側には、『笠井山(134m)』というピークも存在する。筆者もそちらまで縦走したい所であったが、時間の関係上、残念ながら今回は断念。『円山』の反対側へ下った後、これまた大きな石室を見送りつつ、出発地点方面へ折り返す。
操山・笠井山 そののち、一旦先述の不動様の前へ帰還。丁度この時は、地元の方々が落ち葉掃きをされている最中であった。筆者も手を合わせたのち、先を目指す。
そののち、一旦先述の不動様の前へ帰還。丁度この時は、地元の方々が落ち葉掃きをされている最中であった。筆者も手を合わせたのち、先を目指す。
操山・笠井山 帰路にあたっては、往路とは異なる道を通って周回してみることとした。まずは先程の不動様を後に脇道へ。ここからはしばし、人通りの少なそうな道程となる。
帰路にあたっては、往路とは異なる道を通って周回してみることとした。まずは先程の不動様を後に脇道へ。ここからはしばし、人通りの少なそうな道程となる。
操山・笠井山 往路とは打って変わって、静かな山路を下り基調に進むと、やがて溜池が現れる。写真の池と、もう一つ反対側の池(写真のフレーム外左側)に挟まれた細い道を通ることとなるが、この箇所のみ若干、踏み跡が雑草に覆われつつあった。
往路とは打って変わって、静かな山路を下り基調に進むと、やがて溜池が現れる。写真の池と、もう一つ反対側の池(写真のフレーム外左側)に挟まれた細い道を通ることとなるが、この箇所のみ若干、踏み跡が雑草に覆われつつあった。
操山・笠井山 ともあれ、先程の溜池を過ぎて今度は再度上り坂に入り、多くの登山者の行き交う道へ合流。その先に、本日最後の小ピークである『旗振り台展望台』が待っている。こちらも東屋が置かれた休憩スポットとして整備されているようだ。
ともあれ、先程の溜池を過ぎて今度は再度上り坂に入り、多くの登山者の行き交う道へ合流。その先に、本日最後の小ピークである『旗振り台展望台』が待っている。こちらも東屋が置かれた休憩スポットとして整備されているようだ。
操山・笠井山 『旗振り台展望台』からは、南側への見晴らしが良好だ。なおこの高台は、それ自体が『旗振り台古墳』という墳墓となっている模様。
『旗振り台展望台』からは、南側への見晴らしが良好だ。なおこの高台は、それ自体が『旗振り台古墳』という墳墓となっている模様。
操山・笠井山 『旗振り台展望台』から下山先へ向け、最後の下りへ。こちらはつづら折り状の坂道となっており、少々急な箇所もあるが、広々としており非常に歩きやすい。
『旗振り台展望台』から下山先へ向け、最後の下りへ。こちらはつづら折り状の坂道となっており、少々急な箇所もあるが、広々としており非常に歩きやすい。
操山・笠井山 やがて、写真の石橋に差し掛かれば、此度の山路も無事締めくくりだ。その先には、木立の間から下山先の車道が覗いている(写真の反対側)。
やがて、写真の石橋に差し掛かれば、此度の山路も無事締めくくりだ。その先には、木立の間から下山先の車道が覗いている(写真の反対側)。
操山・笠井山 下山先の登山口には、先の大戦における岡山県出身の海軍戦没者や、同じく岡山県出身の海軍中将、宇垣纏(うがきまとめ)さん達の慰霊碑などが建てられている。筆者もしばし立ち止まって、黙祷を捧げた。
下山先の登山口には、先の大戦における岡山県出身の海軍戦没者や、同じく岡山県出身の海軍中将、宇垣纏(うがきまとめ)さん達の慰霊碑などが建てられている。筆者もしばし立ち止まって、黙祷を捧げた。
操山・笠井山 なお、今回の入山口および下山口のすぐ傍には、岡山県護国神社が鎮座している。せっかくなので、そちらにもお参りしてから帰途に就くこととした。
なお、今回の入山口および下山口のすぐ傍には、岡山県護国神社が鎮座している。せっかくなので、そちらにもお参りしてから帰途に就くこととした。
操山・笠井山 しかる後に護国神社から再び歩いて、スタート地点の『東山電停』へ帰着。丁度のタイミングで迎えに来てくれた電車は、奇しくも往路で乗ったのと同じ車両であった。
しかる後に護国神社から再び歩いて、スタート地点の『東山電停』へ帰着。丁度のタイミングで迎えに来てくれた電車は、奇しくも往路で乗ったのと同じ車両であった。

活動の装備

  • ニコン(Nikon)
    標準ズームレンズAF-SNIKKOR24-120mmf/4GEDVRフルサイズ対応
  • ニコン(Nikon)
    デジタル一眼レフカメラD750

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