裏同心ルンゼ アイスクライミング&ラッセル

2021.12.20(月) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
12 時間 11
休憩時間
4 時間 33
距離
15.7 km
のぼり / くだり
1210 / 1218 m

活動詳細

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裏同心ルンゼは7年ほど前にパーティを組んで登ったことはあるが、ソロでも行ってみたく計画してみた。大同心までの間には6つほどの滝があり、F2の大滝は多段の40mになる。初級中級者向けのアイスクライミングルートではあるがソロだと流石に大滝はロープを出すこととなりそうだがそれ以外は15m以下なので、フリーで行けば時間もかなり短縮できそうだ。数日前の雪が心配だったが、そんなには降らず滝も埋まってないだろうとうと甘く考えていた。 美濃戸口に車を停めて、真っ暗な林道を進む新月ではないが、曇り空のせいか月や星が見えなかった。それでも気圧計を見る限りでは昼ごろにはおそらく快晴になるだろう。 ロープやアイススクリューやソロ用のデバイスで重たくなったザックを背負い無心で歩いていると、3時間ほどで赤岳鉱泉に着いた。 赤岳鉱泉で、チェーンアイゼンを前爪のアイゼンに交換して、ヘルメットや防寒、ハーネスの確認をして、裏同心ルンゼへと向かう。朝は、気温や体温が低いのせいかグローブをつけていても小指や薬指がジンジンと寒さで痛む、手を握ったり開いたりしながら血流を指先に流れるようにした。 アプローチルートは、一般の登山客が間違えないようにロープが張ってはいるが、既にトレースはほとんどなくラッセルを強いられた。やっとのことでF1の滝に出る。トポでは15mほどと書いてあったが、雪に埋もれていて半分程度だった。 今シーズン初のアイスクライミング、試しにアックスを氷に打ち込もうとする。アックスが真っ直ぐ入り込まず、ブレてガチンという鈍い音がして弾かれてしまった。気を取り直して、もう一度打ち込むとカツっという小気味良い音がして止まった。アイゼンの前爪も蹴り込むとしっかりと効いているのがわかる。 ただ、たかだか7m程度の滝では数回打ってだけで登り詰めてしまう。 次のF2の滝は多段にはなるが40mはあるはずだ、が、残念ながらこちらも雪で埋もれて20mほどだ、ロープを出そうか一瞬迷ったが、下地も良さそうなので、ここもフリーで登りることにした、よく研がれたアックスの歯は氷に真っ直ぐに差し込まれる。アックスを打ち込みアイゼンも蹴り込んでいく。アイスクライミングはダンスに似ているなと、いつも思う、こうやって自分の好きなようにステップができると気持ちが良い物だ。 短いが、大滝を終えたので、あとは楽勝と思っていたが、ここからが大変だった、残りの滝はほぼ雪に埋まっており先に進むにはラッセルするしかない。雪も深くて腰まで入り込む、八ヶ岳の雪は軽めだがその分いくら踏み固めても、ズボズボ入り込みなかなか前に先に進めない。それでもなんとか大同心らしい岩場が出てきたので見上げると、空が青い。ラッセルで気が付かなかったがいつの間にか晴れてきたようだ。 最後の3m程の滝を登り詰め、さらにラッセルで雪と格闘し大同心基部に着いた。見渡すと荒々しい大同心、小同心、そして硫黄、阿弥陀や赤岳も見える。雪の白に岩の黒そして真っ青な空が目の前に広がった、絵の画材になるようなショットを数枚写真を撮ってから、軽く食事をして大同心稜を降りることにした。 大同心稜もトレースがほとんど消えてたが、何回か通ったこともあり、薄く残ったトレースを探しつつグリセードや時々尻セードもしながら降りた。赤岳鉱泉でハーネスなどを外していると、今日ジョウゴ沢に行ったパーティも雪が深くあまり登れなかったとのことだ。 来季はもう少し早く来た方が良さそうだ。

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