師走の飯能アルプス

2021.12.17(金) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
11 時間 5
休憩時間
1 時間 2
距離
27.3 km
のぼり / くだり
2321 / 2122 m
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活動詳細

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東久留米のホテル、4:00に起床し4:40に出発。登山に関係のない荷物はホテルが預かってくれた。夜明け前の駅は寒くホットカフェオレで暖まる。西武鉄道で飯能駅へ。5:30、ここから飯能アルプスの縦走が始まる。埼玉県の山は以前に両神山を歩いたことがある。その時は帰りのバスの時刻を気にしながらの飛脚のような登山であった。今日は比較的ゆったりとした気持ちである。 天気予報では朝方は雨、9:30頃には止むそうだが、ずっと曇りの一日とのこと。今日歩く飯能アルプスは、飯能駅から正丸駅までの30km足らずの道のりだ。大まかに言って、出発点から北西方向へずっと歩いていけばゴール地点に辿り着く。最初のポイント、能仁寺の前を通りぬけるとあっという間に天覧山の山頂195mに着いた。お日さまは見えないが、あたりは明るくなっている。晴れていれば富士山が拝めるそうである。しばし街並みを見下ろし、多峯主山(とうのすやま)へ歩いていく。登りと下りを少し繰り返すと山頂271mである。ポツポツと雨が降り始めた。カッパを着たが、着なくても何とかなるくらいの、弱い雨である。 分かりやすい目印の久須美ケルンを左折し、久須美山を越えて更に北西へ。左手にはゴルフ場が広がっている。飯能グリーンCCだそうだ。ルートをそれると片道20分のところに「かまど山」というのがあるが、そこへは寄らずに歩き続ける。 東峠を越えてしばらく歩くと445m天覚山である。金曜日の小雨の山歩きである。ほとんど誰にも会わない。前坂から阿宇山までは、YAMAP地図では点線になっている。バリエーションルートのような道ではないかと警戒していたが、そんなことはなく、いたって歩きやすい山道であった。ただし針葉樹がメインで、山道は薄暗く、眺望もあまりよくない道であった。 登って、下って、山すそを巻いて、なおも歩いていく。今日は平日である。有給休暇をとって来たのだが、それでも仕事のメール・電話は容赦なく入ってくる。電波状態の良くない山中で、会社の同僚と会話。無粋な図であるが、誰も歩いていなくてよかった。 だんだん腹が減ってきた。ちょうど昼頃に子の山(ねのやま)640mへ。この辺りでは雨もやんでいた。お日さまのあたる場所で昼ご飯を食べたいとおもったが、あまり良い場所がない。仕方なく、陽ざしのあたる道端にザックを降ろして昼ご飯にする。腹が減った。梅おにぎり、野菜ラーメン、赤飯おにぎり。お腹が膨れて身体が暖まると、周囲を見渡す余裕がでてくる。と、白くて大きなものが目に入った。巨大な「白い両手」が山腹に置かれているではないか。なんじゃこりゃー。 天目指峠(あまのめざすとうげ)で県道を横切り、また山道へ入る。大きな樹が立っていた。プレートには「ヤマザクラ(バラ科)」とある。なぜ桜が薔薇の傘下に入らねばならぬのか。東洋が西洋の風下に立ったようで、面白くない。バラがサクラ科の植物であってもいいじゃないか。でもそんなことは、ヤマザクラ君にとってはどうでもいいことだよなー。 天目指峠で県道を横切って、また山道へはいる。既に14:30、出発から9時間ほど歩いてきたことになる。その先で7-8名の中高年パーティにでくわした。どこまで行くと問われ、正丸駅までというと、それは健脚だと感心された。 彼ら彼女らは9:00に正丸駅から歩いてきて、今ここにいるという。となると未だあと5時間半も歩かなくてはならないのか。不安そうな小生の顔をみて、パーティの女性たちは口々に、私たちは何度も休んだから貴方ならそんなにかからないでしょうと言う。でも不安は消えない。少し急ぐことにした。 中ノ沢ノ頭を越えると、目の前に見上げるような大きな山が現れた。これが伊豆ヶ岳だなと思うと足取りが軽くなる。下って登って山すそを巻いてを繰り返す。山頂への最後の部分は、そこそこの急登であった。登り切ってみるとそこはなんと高畑山であった。伊豆ヶ岳はどこだ?すでに15:00を過ぎている。また山を下って登って山すそを巻いて歩いていく。今日は何度このように歩いてきたことだろう。ひょっとして同じ場所を何度もあるいているんじゃないか、そんな気持ちになってくる。 やっと伊豆ヶ岳かと思うと、古御山という山であった。なおも歩いてやっと伊豆ヶ岳850mに着いた。着いたが山頂からの景色は特に良いものではなかった。この飯能アルプス、あまりご褒美感のない山道である、といっては失礼だろうか。 伊豆ヶ岳から正丸駅へは、関東ふれあいの道から外れて舗装路を歩く。足の向きも北東方向に変えた。10時間近く歩いて来て、スマホのバッテリーも切れかけだし、YAMAP地図も別の山域地図に切り替わってしまうしで、現在地が地図上で表示されなくなった。空を見上げると満月手前の月が見えた。昼の月であるが、少しずつ明るさを増してきている。16:00を過ぎた。日没が迫ってきている。ここで道迷いすると危険である。プリントアウトした地図を見て、山道の道標に注意を払う。方位磁石で歩く方向に間違いがないか確認する。スマホでYAMAP上の現在地が確認できなくなるというのは、想定していなかった。道を間違わぬよう、細心の注意を払う。 まだ正丸駅につかぬかとため息をついたら、頭上に鉄道の線路が見えた。やっと着いたのだ。やれやれ11時間半も歩いてきたよ。それほど良い景色には出会えなかったが、それでもひどい雨に合わず下山してこれた。終わりよければすべて良し、という言葉があるが、小生に言わせれば、下山良ければすべて良しである。山の神様ありがとう。そして家族にも感謝の一日であった。

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