活動データ
タイム
29:02
距離
29.3km
のぼり
2752m
くだり
2747m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る各山域ごとに白い魔女が凄んでいるとしたら、多分今週は一週間、シベリア辺りで師走のお泊り同窓会に出払っているんじゃないだろうか。。てんくらABC判定は私のお天気の基準とちょっとずれているのであまり当てにはしていないのですが、こう毎日大雪山の予報がA続きだとNHKのお天気予報も安定を宣言していることもあって今回ばかりは都合よくてんくら予報に乗っかってみることにしまして。。冬の大雪山稜線で泊まるには安全確保された数日間になること間違い無しです。 黒岳で設営すること以外は、その日の気分次第で何処散策するか決めればいいさ。手足道具は念のため全部持って行きますが黒岳山頂直下以外は、青い空のもと白くなった丘陵地をスノーシューでパタパタ歩く感じで羽伸ばし休暇になるでしょう。 黒岳石室周辺は大ざっぱに平なので風向き次第でどこでもテント張れるだろうと思っていましたが、雪と風がひと月かけて作り上げた雪面は細かな凸凹と吹き溜まり傾斜様々で整地無しでは不愉快な寝床になってしまいそう。石室は風の通り道になるのかそこだけは常にドライアイスから湧き出す白い冷気が休みなく移動中。小屋の影ならどうだろうと思ってそこにしばらくかがんでみてもどういうわけか風は小屋を勢い良く一周して去っていくようなのです。 石室は諦めてニセカウが目の前に臨める谷方向へ少し下るとそこは風し~んと、でした。どのみち3日間の風は吹いても風速10ⅿ以下だろうし、そう神経質になる必要もあるまい、しかし私は稜線からちょっと下がった樹林帯にテント張ることが常なので今回のこんな裸の地に設営するのはチョイ冒険です。 キラキラしているところはガチガチの雪、新しい大きな風紋の雪面はまだ凍り付いておらず、足で踏んで平出しは出来ずともスコップで綺麗なブロックが切り出せる扱い良い雪です。せっかくなので高いところの雪を掘り出して壁でも作っておきましょうか。。とあまり深く考えず谷側に土留めをする心理でブロックを積んでしまいました・・こちらが風下。気付いた時には既にブロックが軽く凍ってしまった後だったので掘る必要ない所から追加でブロックを持って来て西風対応の壁を盛ります。子供の砂場遊びみたいで夕暮れぎりぎりなのにちょっと楽しい。。 12月の大雪山にしては随分暖かな週で3日間ちょくちょくテント周りで寒暖計を見ていましたが最低が外気ー12℃、テント内ー9℃。テントだけは冬仕様ですがシュラフやコンロは夏仕様で充分です。(あ、夏仕様とは言え下界のオールシーズンシュラフしか持っていないので・・私の夏シュラフは厳冬期用と300gしか違わないことを最近計量して知りました。。)もちろん12月なので日中も夜間も寒いと言えば寒い。。中日、夕方遅くテントに戻ると内気は既に‐8℃です。しかし夏の残りビールを2晩分持って来ていたので調理しながら室内暖まったらぐいっとやる所存です。。 冬は行動中あまり水分とらないので、テントに戻るなり喉の渇きは、ストレッチや膝マッサージをしながら内気暖まるまで我慢、必死の我慢です。そして心の準備整い、プシュッ!こ、これは何と!ごくごくのふた口で終わってしまったではないか!!何と大口なこと。。?と缶の半分は崩れた霜柱のように凍ってシャリシャリになって残っていました。湯沸かし中の鍋の上に置いて時折ゆすり溶かして、もちろん一滴も残さず飲みほします。最後、ずずっと天井を見上げるほど頭を後ろにかしげるとテントの壁にドン!痛くはありませんがその振動で座りの悪いところに置いていたテルモスが倒れ、中の作りかけの水がじょろじょろ~っと。慌てて拭いた手拭は翌日は大きな日高昆布のようになっており、マットの下の拭き残しの湿気は薄い氷となって掃き集めて外にポイです。 気温の話はさておき、風。 これもまた冬の大雪には珍しく連日そよそよでした。暖かいとは言え晩秋よりは気温は低くそよそよでもシャツ一枚というわけにはいかない風。ちょっと吹けばすぐ体は冷えます。持っている防寒具を全部着ればそれでも休憩時、ゆっくり景色を楽しんだりお茶を入れたりするくらいの心の余裕は持てる風でした。記憶に留めておくべきは、風が無い時間の方でしょうか。夜中に目覚めるんです。。耳の中で「ミー」だの「シー」だのいうあまりの静寂がやかましくて。。。 あれまあ、風、まったくなくなったよ。。とうつらうつらしていると遠路から「ふご~っ」と一風大きいのがこちらに向かって吹いてくるような音が。。静寂にいきなり飛び込んできた聞きなれないその音が不気味でシュラフから思わず顔を出して薄目を開いてぎょっとします。テントの上から誰かが光照らしている?!!真上でホバリングしているUFOか、寝ぼけてんのか?きっと夢だ??と体が戦闘態勢で硬直し・・・徐々に意識が覚醒すると、それが灯し放しの蝋燭の灯りで黄色いテントの天井が煌々と反射していただけだったことが分かりました。音の正体は正気になれば察しがつくはず、すぐそこの空港から発着する便はまだ営業時間内、今夜はもう何便か更に通過することでしょう。 山はもうすっかり白く硬くどこでも好きに歩ける冬となっており、まだ一度も登ったことが無い旭岳の下見以外は別段目標もなく、ピークを巻く、ということを真剣に考えさせられた3日間でした。旭岳からの帰り、時間に余裕があれば愛別岳を眺めに比布岳まで行きたいな、北鎮の腹を巻けばちょっとは時間稼げるだろうか(埋まり切っていない谷のアップダウンが結構あり、、、)。帰り道に巻くべき鋸岳は急斜面のトラバースが苦手なスノーシューでヒールあると急斜面の登りがエライ楽で気が付いたら岩の上まで行ってしまっていました。。(巻くべきピークだったけど夕陽が綺麗でした)そして最後の上川岳、あれは一体何だったんだろう。前回はガスの中で姿が見えなかった凌雲岳からの上川岳全様、ごりごりの縦列にいささか興奮して、わ~い!と快適に凌雲から上川岳方面に駆け下り勢い余って岩稜帯に突っ込みました。馬鹿と煙は何とやら、、で目の前に高い岩場があると登ってしまいます。。が上川岳に行きたいならこの岩稜帯の二つコブってトラバースで巻くのが正解?先輩、教えて。。。 最後に。。 皆さんの日記を読んでいて「最近はナイトハイクが流行ってるんだワ」と私もとうとうヘッドランプで暗闇歩行初体験です。予想以上の好天に欲張ったルートでそうなっちゃっただけですが。そして「古い人間」と言われようが、今まで忠実に「冬の縦走、行動は15時までにすべし」という冬山の掟を守って来た私が脱皮した、所々にハラ・ドキ有りのこの冬初めてのテント山行となったのです。まあその日はテン場連泊で日帰り登山だったわけですが。。
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