南アルプス深南部 黒法師三山縦走

以前茶臼小屋で出会ったAtsushiさんと深南部を水窪側から寸又峡へ縦走しました。お誘いいただき、本当にありがとうございました。 この縦走ルートでは公共交通機関を利用するのは非現実的なため、お互いの車を登山口と下山口にデポしておく方法を取りました。山から降りた後、さらに5時間のドライブは中々クルものがありました… 寸又峡に集合し、Atsushiさんの車で野鳥の森を目指します。スーパー林道から見えた山に雪がついており、二人してビビる。途中通行止めの区間もあったものの予定時刻よりも早く到着し、登山開始。登るにつれてやはり雪が出てきます。新雪を踏みしめる感覚に高ぶりました。打越峠からの登り返し、高度を上げるにつれて木々が霧氷に覆われ、神秘的な光景です。 バラ谷の頭に無事到着。早速設営を始めます。つま先の感覚がなくなって来たのでホッカイロ投入！これがなかったらやばかったかも…。晩酌は日本酒と焼酎で盛り上がりました。 夜は寒くて1時間に一度起きる始末。朝起きると飲み水はシャーベットになっていました。 バラ谷の頭からのモルゲンロートが本当に美しかったです。一瞬、聖岳がバラ色に燃えたと思ったらその光が広がり、目前の黒法師岳も朝日を浴びて陰影がはっきりと写し出されます。南アルプスが照らし出されると、次は中央アルプスが燃え始める。凍えた夜を耐えきった人間には有り難すぎる日の出でした。 黒法師岳への上りでは何度も滑りながら、笹を掴んで登ります。(実はアイゼン持ってきてない) 有名な×の三角点を写真に収めたら、いよいよ核心部の前黒法師岳への区間へ。何度もトレースを失うも、Atsushiさんにナビゲートしてもらい、迷うことなく突破できました。本当に心強かったです。 1810m点以降は傾斜も落ち着いて、広い尾根に出ます。ここがとても深南部らしく美しかったです。広がる笹原と立ち枯れの木。光る駿河湾と真っ白な南アルプス。寒さを耐えきったご褒美です。 前黒法師岳までくれば寸又峡まではもうすぐです。急斜面の連続ですが、難なくクリアー。 寸又峡温泉で体を温め、猪汁とおにぎりを食べた後再度野鳥の森へ戻り解散。 【ルート状況】 野鳥の森～打越峠：一般ルート 打越峠～バラ谷の頭：一般ルート(若干踏み跡薄い) バラ谷の頭～黒法師岳：踏み跡外さなければ一般ルート。コルから下った水場は未確認。バラ谷の頭北東斜面はかなりの急登。雪・凍結時注意。チェーンスパイクもしくは軽アイゼンあると良い。黒法師岳直下は顔丈の笹薮で、笹を掴んで登る。 黒法師岳～ヘリポート(1766m点と1706m点の鞍部)：黒法師岳～1810m点まで踏み跡・ピンクテープ薄い。また笹薮も濃く何度かトレースを失った。1810m点以降は広い尾根になり、どこでも歩ける。踏み跡は薄め。 ヘリポート～前黒法師岳：1706mピークを巻き、林道上を歩く。1706m点東側コルより尾根に取り付く。取り付きにピンクテープ有。前黒法師岳直下は枝多い急登。 前黒法師岳～寸又峡温泉：一般ルート。鬱陶しいほどにピンクテープとマーキングがある。 【テン泊適地】 バラ谷の頭：360°の展望。南アルプス南部、中央アルプス、御嶽山、恵那山、富士山、駿河湾から伊豆諸島まで見渡せる。平場が数箇所あり、合計で10～15張り程度？ ヘリポート：まるで平地のキャンプ場。整地された草原になっており、バラ谷の頭には劣るが展望も抜群。