権現山

　4つ目の権現山。農道終点から点線が延びているが、それらしきものは無し。看板も無い。手入れされていないミカン山を、錆びたモノレールの軌道たよりに、草と蔓を掻き分け進む。身体中ひっつきむし（センダングサ）だらけになり、取るのに40分。段々畑跡を抜け、落葉の積もった急斜面を木の根を掴みながら登る。尾根に上がると、やっと登山道らしき道に。そして頂上。 　世話をする人も、訪れる人も少ないのだろう。人気の山が賑わう一方、身近な信仰の山であったはずの権現山が、里の過疎とともに廃れていく。これが本来の山の姿かもしれないけれど、何だか寂しい。