飯能アルプス全山縦走

2021.11.19(金) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
9 時間 56
休憩時間
46
距離
25.9 km
のぼり / くだり
2078 / 2270 m
17
3
17
5
15
8
25
1
1
10
12
1
7
42
9
6
26
15
49
5
11
18
24
6

活動詳細

すべて見る

 ワクチンの副反応で丸々寝てた週の週末、さすがに山で遊んでる場合でもないかなぁと思いつつ、「高尾山くらいならいっか」からの「トレランコースならいっか」という発想の飛躍を経て──結局、健康体なら手を出すきっかけを作れないまま放置しそうな超低山域に足を運ぶ口実にした。  高度的に青梅丘陵のイメージで行ったから、まあ無謀だったよねェ。  飯能アルプスってほぼ全線トレランコースって聞いてたんだけどな? ふつーにリハビリとかでやっていいコースじゃなかったよ……。  ▼  山の日は始発一択で例外なくめちゃくちゃ早起きになるから、往路はいつも移動時間中に寝るんだけど、秩父行きは乗り換え多くてあんまりゆっくりできないのがちょっとツラい。  とはいえ、バスなし登山道直結の道程が三本指に入る好条件なのは間違いない。できるだけ早く着きたいのももちろんあるけど、小学生だから、車掌席(運転席のすぐうしろ)が封鎖されてる今のバスには乗るモチベーションが上がらなさすぎて。  山麓駅に着いたのがほぼ7時ちょうど。日はとっくに昇っちゃってるけど、北側の斜面はまだ薄暗い。湿度高めのなかなか雰囲気のある集落の舗装路からスタート。  さて、一週間寝転がってた身体の具合はどんなもんか……。なんやかんや言って、先週も山遊びしてるわけだからそこまでナマッちゃいないだろうけど。本気で無理だと感じたら、別に一座目で降りてきちゃったっていいのだ。一人なんだし。エスケープルートが多いのも今回の目的に適ってる。  とかなんとか考えてるそばから、予想を遥か上回る早さでさっそく脚が棒状態に──。  えーっと、……まだ舗装路なんだが??  ふくらはぎに無駄に負荷が入りまくって痛みが全然抜けないから、少し登っては脚を休ませないととても進めたもんじゃない。  こりゃ早々にご帰宅かなぁと思いつつ、ひと気もないので焦らず微速でもうちょっとだけ登ってみる。  伊豆ヶ岳に着いたときは標準タイムオーバーの90分とか経っていて、このペースで一日じゅう行くなら 14時間オーバーでナイトハイク突入するぞって感じだった。でもまあ、脚も少しずつおとなしくなってきてはいるので、とりあえず行けるとこまで行ってみることにする。  二座目、高畑山まではあっという間。ちなみにこの山は全編中、なんの変哲もない山の第二位だ(第一位は圧倒的に天覚山)。  そこから三座目、有名なお寺のある子ノ山までは苦もなく到着。だんだん抵抗をあきらめたのか、こっちが反抗的態度に馴らされたのか──はたまた調教が完了したということなのか、脚は完全におとなしくなって、傾斜を歩くことを当たり前のこととして受け入れてくれだした。ふっ、かわいいやつめ。  ここからは秩父の地図では点線ルートに突入し、次のランドマークまでもだいぶ間が開く仕様となる。  このへんから、次のピークの遠さと視界の単調さがちょっとずつ気になりはじめる。それにしても、狭くてガレた急坂も少なくないこんな道をトレランしたら絶対自分は無傷で帰ってこられる気がしない、などと思う。現に、すれ違ったランナー(三名)はみんなもれなく歩いてた。箇所によりけりだとは思うけれど、平たい場面の短さを考えると、このコース、走るのにあまり向いてなくない?  こまかなアップダウンはずーっとあったものの、前回拷問コースをやった直後だからか特にキツイって感じられるような箇所はない。ただ、今回ちょっとズボラをやって、「名所なんだからわかりやすく直接道程指示されてるだろう」と地図を持ってこなかったために、道迷いに大いに手こずるはめになる。おまけに、天覚山を越えたあたりからめちゃくちゃ蚊につきまとわれるようになり、メンタル面での消耗度が後半になって爆上がりする異常事態に。  20kmの距離を8時間ギリギリで消化したところで、行程はまだ二座残ってた。これは……勝ちか負けかで言ったら、悔しいけれどもう負けだ。今回もどうやら負けみたいだ。認めるしかない。  住宅街の裏道みたいな藪を通り抜け、用水路沿いの廃道に突っ込んで、目先にあったはずの登山道をロストする。車道に出てうろうろしたり、廃屋の庭に足を突っ込んだりしているうちにやっとのことで正しい登山口を発見。  日は結構傾いてきていたけれど、このへんはもう住宅街の丘というふぜいなので、市街を駅に向かうのと大差なしと考えて続行を決意。このコース、道自体は緩い傾斜に整った固い踏み跡のついた歩きやすい遊歩道なんだけど、周囲の景観が意外なほど深くてびっくりする。上の方に行くと、薄暗い林の中でまだ遊んでる手ぶらの地元民が多くて一安心。ラスト一座へもさして遠くないみたいだし、この連結路上にも少なくない散歩者がいた。  多峯主山からの眺めが思いのほか良くて元気が回復したのと、目標達成間近の安心感で疲れも気にならなくなった。山道とはうって変わって整った公園の段々を登ったら展望台。最後は天覧山。これで無事、飯能アルプス制圧だ。  天覧山から市街にいたる道程はものの数分。降り口にあったシャレオツな施設が周囲に灯りを投げかけており、広々とした車道が車で埋まった、真っ暗の少し手前の時刻はすでに夕刻だ。駅まであと一息、そこまで含めた全行程を記録した。  この日はビタミンBとDをめちゃくちゃ摂って寝たし、脚だけじゃなくどこも案外筋肉痛にはならなかったけれど、冒険したいならやはり日々鍛練と思い知らされた一日。

もしも不適切なコンテンツをお見かけした場合はお知らせください。