四国 逆打ちお遍路 八十八寺と別格二十寺 その14

2021.11.14(日) 日帰り

活動データ

タイム

14:02

距離

37.8km

のぼり

1336m

くだり

1377m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
14 時間 2
休憩時間
1 時間 23
距離
37.8 km
のぼり / くだり
1336 / 1377 m
3 24
9 19
23

活動詳細

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天気予報は晴れでしたし、昨日の夜も良く星が見えていたのに目が覚めたら曇り空でした。 予報では午前中は曇りに変わっていました。 風の冷たい大谷池の四阿山を出発して横峯寺への長い登りを思い荷物に喘ぎながら登ります。 この遍路道は長いので歩く人も少ないようで豪雨で流された崩壊箇所が修繕される事なくて荒れ気味です。  長い尾根歩きは荒海山を思い出します。 荷物が軽ければそれほど感じない滑りやすい岩も荷物が重いとより慎重になりました。 長い尾根道からの景観は殆どなく紅葉も感じることがない植林帯なので変化が無いのがまた辛いです。 長い尾根道から車道に出ると横峯寺はもう少しです。 車道歩きは喘ぎながら登ってくる車が勢いよく曲がって来るので怖い思いをしました。 歩き遍路道に別れると安心して歩くことが出来ました。 やっと着いた横峯寺はバスツアーの遍路客で賑わっていました。 チラホラ登山者も見かけるので反対側から登った方が星が森などにも登るようです。 汗だくの状態で参拝をしていよいよ階段道が連続する湯浪への下りにかかります。 こちらは距離は短いのですが急傾斜で殆どが石段の階段なので膝に悪く滑りやすいので重い荷物を背負っている身には難所です。 慎重に足を滑らせないように足を置いてゆっくり降りました。 登山者にも人気なのかお遍路と言うよりは登山者の方が多く登っていました。 斜度がある一枚の上を降りている時に足が急に滑って転倒してしまいました。 荷物が軽ければなんとも無い転倒ですが岩に腰をぶつけたようで腰に痛みを感じました。 更に慎重に下って湯浪まで降りるとここからは車道なので一安心です。 深い谷間の民家が無い道は熊鷹山から桐生川に降りる林道のようです。 渓流を楽しみながら降ると柿の栽培が盛んなのか柿の畑が多くて盛んに出荷作業をしていました。 農家が多くなった所で振り返ると横峯山が見えていました。 いつの間にか曇りから晴れに変わり青空に浮き上がっていました。 高速道路の効果を過ぎるともう平野の開けた里になりました。 今日は別格の11番 生木地蔵と別格10番の興隆寺まで参拝予定なので先を急ぎます。 中山川の石鎚橋を渡っている時に振り返ると今まで見えなかった高い山々が雪を被った姿が見えてきました。 笹ヶ峰、瓶ヶ森、石鎚山は雲に隠れて姿を出してきません。 その手前に横峯山とそれにつながる長い尾根も見えて長い尾根だったと再認識しました。 生木地蔵を参拝すると本日2回目の山登りで興隆寺を目指しますが納経の締め切り時間の余裕がありません。 興隆寺入口で重いザックをデポして納経セットだけ持ってピッチを上げて登りました。 夕方なのに興隆寺に行く車が多くて狭い車道では車が気になります。 昨日の朝地元のTVで興隆寺の紅葉が見頃と伝えていたので日曜日なので紅葉狩りに来ている人が多いようです。 興隆寺は駐車場からは長い石段登りがキツイお寺なので観光客は青色吐息で登って行きます。 しかし、紅葉は見頃どころか始まったばかりのようでもみじも青い葉の方が目立ちました。 石段を登って来た観光客は期待外れのようでした。 参拝を済ませて納経所に行くと納経所の方が「歩き遍路ですか? 宿は決まっているの?」と聞かれたので「興隆寺に間に合うかどうかで宿を決める予定だったのでこれから探します」と答えると心配そうな顔をしていました。 その結果はその後すぐに分かりました。 興隆寺近辺には食べ物屋も店も全く無いので心配して身支度している時にわざわざチーズケーキをご接待してくれました。 お寺からの下り道では夕闇に赤く染まる山々が綺麗に見えて感動的でした。 先程まで雲に隠れていた石鎚山もハッキリと見えます。 ザックをデポした場所に戻って近くのゲストハウスに電話すると一軒は休業、一軒は電話に出ません。 期待していたゲストハウスは営業していませんでした。 納経所の方が心配していたのはこの事だったんですね。 ここで選択は二つ、大きく引き返して唯一開いている宿に泊まるか、11km先の道の駅今治で野宿するかです。 歩き遍路にとって大きく引き返すのは精神的なダメージが大きいですし、今からでは夕食は頼めません。 既に山登り込みで25kmも歩いて疲労困憊でしたが、先に進む事を選びました。 幸いに歩く道は開けた民家がある道なのでヘッドライトを点けて歩けば足元に危険はありません。 途中で脇道に入って寄り道すればローソンがある事も分かったので食材も調達可能です。 日が暮れましたが3時間歩けば着きそうです。 そこから5km先のローソンまでが遠く感じました。 ローソンに着く頃は腹ペコでローソンのお弁当でどれにするか迷いました。 イートインがあったので暖かい場所でゆっくり食べられるのも良かったので、何回にも分けて最後にはコーヒーも飲んだので1時間ぐらい滞在してしまいました。 出来るなら朝まで居たいくらいでした。 ここで充電出来たのでスマホの電池切れの心配も無くなりました。 ここでエネルギーチャージしたので道の駅までの6kmも歩き切ることが出来ました。 道の駅に着くと野宿に最適な四阿山があるではないですか! 嬉しくなって道の駅を確認すると先客の歩き遍路の方がベンチに座っていました。 この方も宿を得られずにここで夜を過ごすそうですが野宿の装備はないようです。 気温11度では装備が無いと辛そうでした。 道の駅の駐車場は車中泊の車でいっぱいでした。 四阿山で寝床を作っていると車中泊の方が声をかけてきました。 「こんな所でよく寝られるな」と馬鹿にしたような感じでいい気はしませんでした。 野宿遍路は半分は修行だと思っていますし、行動の自由が無い歩き遍路は期待していた宿が休みだからと次の宿にと車のように簡単に移動出来ないので覚悟が必要な事が分からない人にはその行動の制約をどのように乗り越えるか苦労と工夫をしている事を理解は出来ないでしょう。 歩きだけでお遍路をしていると現代では忘れられた動けることへの感謝する気持ちを忘れてしまっていると思います。 子供の時に初めて自転車で遠出した時に行動半径が広がったことを喜び、バイクの免許を取った時に更に自由に行ける距離が伸びた喜びを忘れてしまっています。 その手段を使わない時に自分はどれだけの事が出来るのかを実感出来るのが歩き遍路だと自分は思っています。 総歩行距離:386.2km 総獲得標高:11254m

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