おいぬさまと東京湾越しの富士

もう10年は経とうか、スペインの教会所蔵のキリストの肖像画が修復によって猿のようになり、それがインターネットで拡散され世界から失笑を買ったことがあった。余談ではあるが、修復を手掛けた80代の女性はその問題の著作権収入の約半分を得ているそうである。 本日、近くに用事があったので、待ちに待った検見川の三峯神社においぬさま二対を観に行った。かなり昔、ネットで見た社殿前のおいぬさまは青いペンキで塗られていた。また、もう一対二ノ鳥居前の方は口に赤いペンキが塗られている。これらは修復依頼でもなんでもない単なる悪戯であり、器物損壊等罪であろう。社殿周辺には監視カメラが付けられ、夜の見廻りも行われているようである。 両者ともに大正年間と昭和初期の古いものなので、大変残念である。 その後、海浜幕張駅まで遠回りをし海沿いを歩いたが、日没間際の東京湾越しの富士がとても綺麗だった。稲毛海岸から富士山もかなりの距離ではあるが、秩父の三峯神社から検見川も相当遠いはずである。三峯信仰の強さが伺える。 【おいぬさま】 検見川三峯神社 二対 (101)