裏岩手縦走 抱卵の旅

2021.10.30(土) 3 DAYS

活動データ

タイム

23:21

距離

40.5km

上り

2647m

下り

2636m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
8 時間 49
休憩時間
1 時間 12
距離
14.0 km
上り / 下り
1379 / 716 m
1 40
27
1 35
24
35
29
49
26
DAY 2
合計時間
6 時間 51
休憩時間
2 時間 20
距離
11.0 km
上り / 下り
646 / 499 m
31
1
53
22
9
9
DAY 3
合計時間
7 時間 40
休憩時間
1 時間 15
距離
15.3 km
上り / 下り
610 / 1418 m
10
1 40
1
13
16
16
1 29

活動詳細

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「梅干の種は抜いてきたか?」 谷川岳一ノ倉を開拓したことで知られる、山口清秀氏の言である(平塚晶人『二人のアキラ、美枝子の山』)。 米国よりウルトラライトの思想が輸入される遥か昔から、日本の登山家も種ひとつの重さすら惜しみ、丹念な軽量化を図ってきた。 今回は隊長と副隊長が企画した、2泊3日のロングトレイルに同行させていただいた。 岩手山麓から裏岩手連峰を経て、八幡平まで北上、秋田焼山を越え玉川温泉に至る40kmの道程である。 ザック容量は40L。「梅干の種」は削らねばなるまいと思案していたその時であった。 「山小屋ですき焼きとかよくないっすか」 隊長の鶴の一声である。副隊長も「ああ~いいっすね~」とのたまう。ノリノリである。 あれよあれよとすき焼き内閣が組閣され、隊長が米、副隊長が肉と野菜、ヒラ隊員の私が生卵担当大臣に就任した。 ナマタマゴ。紛うかたなく「梅干の種」側のやつでねが...。 かくして、生卵たちとの長い旅路が始まった。 ーーーーー 【10月29日】 網張温泉休暇村に前泊。生卵10個パックをビニール袋と手拭いで包み、雨蓋に納める。 【10月30日】 泥でぬかるむ悪路に耐え忍び、犬倉山~大松倉山を越える。三ツ石山荘での休憩を挟み、小畚山へ。 折り重なる山々には我々だけの影が延び、背には西日で紅潮する岩手山。 うっとりうかうかしていたら大深岳で日没、ヘッドライトを頼りに本日の宿・大深山荘まで進む。 生卵を確認すると、1個ぼっこり割れていた。散乱した卵液は自分用にし、ひとり1個ずつ配給。 この日のすき焼きは胃にしみた。 荷は重いが、心は軽い。 ここで1kg弱の肉を揚げてくださった副隊長に、こっそり用意した岩手ベアレンビールを贈呈。 歓喜のあまり秒で空けていた。 なお、このビール缶には熊さんのイラストと共に「毎日 出会う 未来の 親友」というキャッチコピーが書かれていた。 山で飲むにはメッセージ性が強すぎる。 【10月31日】 起床後、水場で卵液にまみれた卵を洗う。 その道中、さらに1個が致命的に崩壊。 やむなくその場で丸飲み、ロッキーさながらの朝食をとる。 山荘に帰ると、隊長がチキンラーメンを煮るとのことで、1個を配給。やはり卵は火を通すに限る。 この日は裏岩手連峰を北へとなぞった。 奥羽の尾根を囲むように、東北の名峰が一堂に会する。 岩手山、鳥海山、秋田駒、そして八幡平。この眺望はあまりにも、贅沢が過ぎやしないか…。 後ろ髪を引かれつつ、八幡平に至る。 当初、東北最高地標高1400mの天然温泉として名高い「藤七温泉」での立ち寄り湯を計画していたが、既に今期の営業は終了とのこと。 代わりに、元湯近くの野湯「奥藤七温泉」を訪ねた。道路から丸見えゆえ、入浴は断念。 せっかくなので噴出孔に生卵を突っ込み、温泉卵を作る。 誇張なく、人生で一等一番旨かった。 レストハウスで昼食と補給の後、八幡平が誇る名避難小屋・陵雲荘に荷を下ろした。 手短に夕食を済ませ、早々に就寝。 【11月1日】 朝焼けの八幡沼に心奪われながら、八幡平を西に下る。 この蒸ノ湯コースが厄介で、ずるずるに滑る木道や岩場が3時間続くという代物であった。 やっとの思いで大深温泉~後生掛温泉に到着、最後の焼山に挑む。 ふかふかの落葉をじっくり踏みしめ、毛せん峠の展望台へ。 ここでの昼食は、最後の卵を使って焼いたホットケーキとドライマンゴーの小岩井ヨーグルト漬け。重い物のなんと旨いことよ。 守るべき物がなくなり、足取りは極めて軽快。火山湖から焼山山頂へと抜け、下りの藪を掻き分けること1時間、湯けむりがいよいよ色濃くなってきた。 終着地、玉川温泉である。 これにて全行程終了、ここまで無事に連れてきてくださった隊長・副隊長に深く御礼を申し上げる。 ーーーーー さあて、3日ぶりのお風呂! さぞかし気持ちよかろう、と思いきや、さすがは日本一の強酸性泉。 塩酸が靴ずれとすり傷に染みる染みる。 あまつさえ、眼球から尻穴までもがひりひりするのには参った…。 pHは驚異の1.05。pH2の梅干よりも酸っぱい湯に包まれ、自身が「梅干の種」と化したかのような心地となる名湯であった。

岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 休暇村岩手網張温泉。
野天風呂「仙女の湯」は、感染症対策のため利用不可でした。
休暇村岩手網張温泉。 野天風呂「仙女の湯」は、感染症対策のため利用不可でした。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル でんと鎮座する卵たち。マックパック・ウェカ40のトップリッドにすっぽり。
でんと鎮座する卵たち。マックパック・ウェカ40のトップリッドにすっぽり。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 犬倉山で出会ったギャラクシーなちょうちょ。
犬倉山で出会ったギャラクシーなちょうちょ。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 辛抱の後、一気に視界がひらけました。
辛抱の後、一気に視界がひらけました。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 稜線と岩手山。
稜線と岩手山。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 三ツ石山荘でお昼ごはん。日帰り登山の方々で大賑わい。
三ツ石山荘でお昼ごはん。日帰り登山の方々で大賑わい。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 山荘を後に、ここからは我々だけの単独行。
山荘を後に、ここからは我々だけの単独行。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル マックパックのカタログ表紙かと見紛う一枚。
マックパックのカタログ表紙かと見紛う一枚。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 三ツ石山単独無酸素登頂。
三ツ石山単独無酸素登頂。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 三ツ石から小畚を見晴らせば、行く道がくっきりと。
三ツ石から小畚を見晴らせば、行く道がくっきりと。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 西日を浴びながらの稜線歩き。
西日を浴びながらの稜線歩き。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 大深岳から望む岩手山。見惚れる間に日が落ちました。
大深岳から望む岩手山。見惚れる間に日が落ちました。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 大深山荘にて、待ちに待ったすきやき!お豆腐もあります。
大深山荘にて、待ちに待ったすきやき!お豆腐もあります。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル ベアレンビール・ゴールデンピルスナー。「毎日 出会う 未来の 親友」…。
かわいいお友達です。
ベアレンビール・ゴールデンピルスナー。「毎日 出会う 未来の 親友」…。 かわいいお友達です。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 早朝の大深山荘。昨夜は満点の星空も見れました。
早朝の大深山荘。昨夜は満点の星空も見れました。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 山荘そばの水場。枯れる気配はありません。
山荘そばの水場。枯れる気配はありません。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル とても清潔な小屋でした。掃除を済ませ、協力金を投じて出発です。
とても清潔な小屋でした。掃除を済ませ、協力金を投じて出発です。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 隊長のチキンラーメンが羨ましすぎて、下界に戻ってから貪り食いました。
隊長のチキンラーメンが羨ましすぎて、下界に戻ってから貪り食いました。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 嶮岨森に向かうところ。鏡のような沼があちらこちらに。
嶮岨森に向かうところ。鏡のような沼があちらこちらに。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 贅の極み!
贅の極み!
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 子熊さんの足跡?ト、トモダチ…。
子熊さんの足跡?ト、トモダチ…。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 畚岳の美しき曲線。隊長のド派手な手袋が華を添えます。
畚岳の美しき曲線。隊長のド派手な手袋が華を添えます。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 雨風の吹くなか、そそくさと奥藤七温泉へ。
雨風の吹くなか、そそくさと奥藤七温泉へ。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 野湯の温度は36℃前後。当然シャベルやバスマットも。
野湯の温度は36℃前後。当然シャベルやバスマットも。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 温泉卵を作ります。隊長、トレッキングポールはこうやって使うんですね。
温泉卵を作ります。隊長、トレッキングポールはこうやって使うんですね。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 時短のため、噴出孔に直に突っ込みました。
時短のため、噴出孔に直に突っ込みました。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル はあ~うまい。
はあ~うまい。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 陵雲荘に着きました。背が高く堅牢です。
陵雲荘に着きました。背が高く堅牢です。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 朝もやの八幡沼。
朝もやの八幡沼。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 副隊長と太陽光。
副隊長と太陽光。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 八幡平山頂。瞬間的に通過。
八幡平山頂。瞬間的に通過。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル ぴかぴかの田代沼。この後、悪路との格闘のため写真が途切れます。
ぴかぴかの田代沼。この後、悪路との格闘のため写真が途切れます。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル お、大深温泉だあ…!
お、大深温泉だあ…!
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 時間の都合で、大深温泉~後生掛温泉はロードを歩きます。
時間の都合で、大深温泉~後生掛温泉はロードを歩きます。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 後生掛温泉。10月で今季の営業は終了です。
後生掛温泉。10月で今季の営業は終了です。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 焼山名物。
またあなたに会えて、嬉しいです。
焼山名物。 またあなたに会えて、嬉しいです。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 空高く、毛せん峠。
空高く、毛せん峠。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 圧倒的女子力のブランチ。
圧倒的女子力のブランチ。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 昨晩、もみもみホットケーキミックスを調理する様子。卵を余すことなく使い切りました。
昨晩、もみもみホットケーキミックスを調理する様子。卵を余すことなく使い切りました。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル よおし、最後の登りだ。
よおし、最後の登りだ。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル ほかほかの火山湖。飛び込んでしまいたい!死ぬけど。
ほかほかの火山湖。飛び込んでしまいたい!死ぬけど。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 硫化水素の影響がくっきりと。「天国と地獄を一度に見るようだ」とはまさにこのことです。
硫化水素の影響がくっきりと。「天国と地獄を一度に見るようだ」とはまさにこのことです。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 焼山山頂。9月にはなかった藪山登山家集団?の看板も。
焼山山頂。9月にはなかった藪山登山家集団?の看板も。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル ひたすら藪い。
ひたすら藪い。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル うお~ゴールが見えたぞ!
うお~ゴールが見えたぞ!
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 玉川温泉登山口。この地の果て感!
玉川温泉登山口。この地の果て感!
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 蒸気を浴びるため、そこらじゅうに人がごろごろ寝転んでいます。
蒸気を浴びるため、そこらじゅうに人がごろごろ寝転んでいます。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 激痛も快感に変わるお湯!
と思い込もうとしましたが、すぐ弱酸性の湯舟に避難しました。
激痛も快感に変わるお湯! と思い込もうとしましたが、すぐ弱酸性の湯舟に避難しました。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル もはやババでもヘラでもないアイス。ピノを買って帰りました。
もはやババでもヘラでもないアイス。ピノを買って帰りました。
岩手山・八幡平・安比高原 50km トレイル 平塚晶人『二人のアキラ、美枝子の山』。「二人のアキラ」とは、松濤明と奥山章。
ヤマケイ文庫版では『ふたりのアキラ』に改題。
なぜ「美枝子の山」を削ってしまったのだろう。徹頭徹尾、美枝子さんの物語なのに。
平塚晶人『二人のアキラ、美枝子の山』。「二人のアキラ」とは、松濤明と奥山章。 ヤマケイ文庫版では『ふたりのアキラ』に改題。 なぜ「美枝子の山」を削ってしまったのだろう。徹頭徹尾、美枝子さんの物語なのに。

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