活動データ
タイム
08:34
距離
14.9km
のぼり
1688m
くだり
1687m
活動詳細
すべて見る我らが埼玉県民の誇り、奥武蔵の盟主武甲山。数えてみたら今年水歩荷5回目でした。 これだけお世話になっておきながら一度もどこにも記録を上げていないというのも武甲山の神様に怒られそうなので、武甲山についての解説も含め渾身の(?)レポを書きます。長いです。 例によって独断と偏見ですが、このルートこそが奥武蔵です。奥武蔵オブ奥武蔵です。 武甲山の登山口と言えば横瀬から入る一の鳥居の表参道が一般的で、最も知られています。しかし僕は声を大にして言いたい。この道はつまらない。最初のコンクリの登山道と、杉の植林しかない陰鬱な森にうんざりします。これはこれで荘厳な雰囲気と言えなくはないものの、歩くのは割と苦痛です。唯一の救いは傍らに沢があることくらいでしょうか。 ただでさえ山肌を削られ虐げられた武甲山が、これではますます評判を落としてしまう。あんまりじゃないか。というわけで埼玉県民を代表し、武甲山を一番楽しく登るルートをご紹介します。少しロングルートです。 今回のルートは稜線に上がるとほぼ自然林が続き、春はつつじや藤が咲き乱れます。山中に廃墟のある白岩集落跡、不思議な苔の楽園ウノタワ、大持山の雨乞岩の展望、そして武甲山頂から見下ろす秩父盆地と、見どころ満載です。武甲山頂以外は人も少なく、静かな山歩きができます。そうです、奥武蔵と奥秩父は静かでないとならないのです。 公共交通機関利用であれば横瀬に降りて縦走、少しショートカットできます。 また、脚力に自信のある方は名郷からウノタワを経て武甲山、一の鳥居、妻坂峠、武川岳と通過して天狗岩から名郷に降りてくる周回ルートもあります。僕自身は自然林の中を気軽に楽しく歩けるトレーニングルートとして雨の日なんかに利用しています。この山域だと蕨山、有間山も同様の山歩きができます。 今回は寄付用水10L、総重量23kg、両足に重り1kgずつ。雪山テント泊に向けたトレーニングでした。 ふるさとの山は今日も静かな山。 ※他詳細は写真コメントにて 【武甲山について】 写真にある通り武甲山は石灰岩の採掘のため削られています。 明治末期、今年の大河ドラマでおなじみの渋沢栄一らが武甲山の石灰岩に目を付け、日本のセメント産業が生まれました。そしてこの会社の強大なシェア率からすると、戦後復興期、高度経済成長期、バブル期と、すべての建築ラッシュ期において、コンクリート建築物に武甲山の石灰岩が最も使われていたことになります。 つまり、皆さんが生まれた病院がまずだいたい武甲山。学んだ学校ももちろん武甲山。務めた会社も多分武甲山。泊まったホテルもきっと武甲山。今住んでるとこがマンションならそれはもう家が武甲山。戸建てでも基礎は絶対武甲山。つまり手を伸ばせばそこに常に武甲山。宗教かな? そしてサンシャインシティも武甲山。六本木ヒルズも武甲山。東京都庁も武甲山。首都高速道路なんかもろに武甲山。地下鉄のトンネルも駅も武甲山。ということは、東京はだいたい武甲山でできています。決して大袈裟ではないです。 山名には例のごとくヤマトタケル伝説が絡むような、古代からの武蔵国の信仰の対象の山でしたが、要するに近代からは日本の発展のために山容を犠牲にした山です。 富士山やアルプスばかりもてはやすのもいいですが、日本人は武甲山にもっと感謝すべきだと、これは大真面目に思っております。 さて余談ですが、この石灰岩は元々太平洋の島のサンゴ礁でした。 以下が武甲山の成り立ちです。 ① 太平洋上に巨大なサンゴ礁を持つ島が生まれる(今でいうハワイのあたりか) ② 太平洋プレートによりその島が現在の日本列島付近に運ばれてくる ③ そのまま島ごとユーラシアプレートの下に沈み込む ④ 地殻変動、隆起により地下深くから再度地表に現れる←これが武甲山 【駐車場情報】 写真の場所は登山口です。正式な駐車場ではないので自己責任の下マナー遵守でおねがいします。JFEミネラルの事業所跡地の前の道が広く、停められるスペースがあります。 正式な駐車場は名郷バス停の側にあります。(有料)トイレ、自販機あり。 他大鳩園キャンプ場も登山用有料駐車場があります。 どちらも林道歩きが必要です。 ↑R4.11.8追記 路駐スペースはバリケードにより停められなくなっています。 【登山道情報】 ・ドコモ電波 つながったり切れたり、不安定です。 ・道の状況 登山口〜鳥首峠は一箇所細い崩れそうなトラバースがあるくらい。 大持小持周辺は小さい岩場と小さい急斜面がちらほらありますが取り立てて危険箇所と言えるほどの箇所はないです。 全体通して距離以外おしなべて初心者向きです。 大持山から武甲山へ少し進んだところにある雨乞岩は見逃すともったいないです。 【下山後のお楽しみ】 さわらびの湯 大松閣 天然温泉 花鳥風月 ←少し遠いけどサイボクハムと合わせて大変オススメです。
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