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鈴鹿セブンマウンテン、2泊3日全山縦走、再び。の写真

2021.10.24(日) 09:07

テンポ良い、 アップダウンのある、 鎌尾根縦走路。

この写真を含む活動日記

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36:13

45.0 km

4576 m

鈴鹿セブンマウンテン、2泊3日全山縦走、再び。

御在所岳(御在所山)・雨乞岳 (三重, 滋賀)

2021.10.24(日) 3 DAYS

はじめに。 拙い文章にも拘らず、 いつもご愛読くださり、 ありがとうございます。 今回は、かなり長文で、 きっと、呆れかえるだろうと、 内心、心配しております。 苦手な方、どうか、 スルーして下さい。 それでも、読んでやるぞという方は、 手元に好きな飲み物を置き、 好みの曲をかけながら、 一緒に山旅を感じて下さい。 ご感想などお寄せくだされば、 こんな幸いなことはありません。 怖いもの見たさと、 覚悟と勇気を携え、 どうぞ、お読み下さい。 まこパパ 鈴鹿セブンマウンテン、 全山縦走2泊3日、再び。 …2021.10.24〜26… 秋の鈴鹿セブンマウンテンを 縦走したい。 記憶にあるのは、 5月の初縦走の途上、 鎌ヶ岳と御在所岳を背に、 シロヤシオの白い花が、 風に揺れる景色を見た時に、 ふと思ったことだった。 シュラフが濡れ大変だったことも、 足の親指の爪が、両方とも、 後日、剥がれ落ちたことも、 いろんなことがあったが、 あの時の記憶が、 忘れられない。 あの日から、5ヶ月。 真っ暗闇の登山道に、 ヘッデンの灯りを照らし、 歩き始める私が居た。 夜が明けはじめるまでには、 まだ、少し時間がある。 最初に目指すのは、 入道ヶ岳山頂だ。 今回の縦走は、藤原岳をゴールに、 北上するルートにした。 鈴鹿セブンマウンテン縦走中、 最大の難所である、磐座尾根。 ここを初日に通過するため、 選択したルートだ。 しかし、それはとんでもない、 思い違いだったことを、 後に知ることになった。 入道ヶ岳山頂に到着したのは、 日の出の時刻の数分前だった。 山頂に居た、 登山者に挨拶する。 偶然にも、 フォロワーさんだった。 とても嬉しくなり、 少し会話をする。 彼は日の出を見ていくらしく、 私はお先にと、 出発した。 そして、磐座尾根に取り掛かる。 修験道だけあり、 アップダウンがある、 なかなか手強い尾根だ。 秋の景色を眺める余裕が、 ようやく、出来たのは、 半分くらい過ぎた、 仏岩に着いた頃だ。 ここから見る景色、 何度見ても好きな、 お気に入りだ。 歩き始めて4時間、 はじめて休憩したのは、 水沢岳に着いた時だった。 やはり、磐座尾根は凄い。 前回、よくやれたもんだと、 何度も攣りかける足を摩り、 感慨深くなった。 ひと息つき、鎌尾根へと歩き出す。 軽快に小気味良い、 アップダウンのある、 鈴鹿山脈屈指の人気ルートだ。 何人もが追い抜き様に、 大きなザックをみて、 頑張ってと、声を掛けてくださる。 この応援が、とてつもない、 勇気とやる気を与えてくれた。 入道ヶ岳の向こうには、 伊勢湾が黄金色に輝きだし、 沖にある神島の、 すっくと聳える、 灯明山が良く見えた。 徐々に、鎌ヶ岳が、 近くなる。 辺りに群生する、 シロヤシオも、 紅葉になっていた。 ザックに入れた、 携帯ラジオから、 とある番組に送っていた、 コメントが、読まれた。 びっくりするやら、 興奮するやら、 とにかく元気を貰えた。 歩き始めて7時間、 鎌ヶ岳に着いた。 山頂に到着すると、 晩秋の愛知川源流を、 素足で徒渉した友が、 親子で待っていてくれた。 これが2度目の出会いとは、 思えないほどとても親切で、 この縦走へ挑戦する、 勇気をここでも頂いた。 鎌ヶ岳から武平峠を越え、 天差し岩の下で、ひと息つき、 御在所岳にたどり着いた。 だが、悠長している暇などない、 踵を返し、今来た道を戻った。 郡界尾根(ジミー)から、 沢谷峠を越えて、 東雨乞岳を目指す。 歩き始めて11時間。 さすがに、脚取りが、 重くなり、何度も、 立ち止まっては、 歩くの繰り返し。 東雨乞岳への急登から、 振り返ると、 街の灯りが、輝きだした。 歩き出して、13時間。 東雨乞岳にたどり着いた。 笹の生茂った登山道が、 風避けになる。 雨乞岳にたどり着くと、 当たりは、すでに夜の山。 杉峠に続く、下りが急な登山道。 慎重に、少しずつ進む。 歩き始め、15時間。 ようやく初日のテン泊地、 御池鉱山跡地に、 たどり着いた。 暫く後、 溶けるように、 眠りに就いた。   2日目は、朝から雨で始まる。 予報通り、一日中降るらしい。 この時期の雨は、 さすがに冷たい。   予定時刻より、 1時間ほど遅い、 7時前に出発。 千種街道を歩く先に、 愛知川源流が流れている。 いつ来ても良い場所だ。 この時期は、水量が少ないため、 徒渉しやすい。 歩き始めて、2時間。 根ノ平峠にたどり着く。 今日の目的地は、 石榑峠。 前回、シュラフが濡れ、 縦走断念を、一時、 考えた、彼の地だ。 あの経験から、 学んだことは、 かなり大きい。 水晶岳、金山と通過し、 羽鳥峰にたどり着いた。 名物の地上絵は、 以前より、なんだか混み合い、 思わず笑みが溢れた。 何度も歩いた縦走路だが、 北上するのは初めてのこと。 新鮮な感じが、心地よい。 猫岳に着き、ひと息入れる。 雨で冷えた身体には、 ポットの白湯が、 ちょうど良い。 歩き始めて、6時間。 釈迦ヶ岳にたどり着く。 風と雨が、吹きつける。 立ち止まると、 寒さを感じる。 すぐに出発。 三池岳へと目指す。 前回も、確かに歩いたのだが、 あまりにも、記憶が薄い。 アップダウンする、 雨の縦走路は、 ただただ、忍耐力が、 試される。 ずぶ濡れに、なりながら、 三池岳にたどり着いたのは、 歩き始めて、8時間半。 ようやく石榑峠が、 近くなった。 あともう少しだ。 そう、言い聞かせながら、 また、歩き出す。 雨降りの日暮れは、 とても早い。 ヘッデンを灯し、 迷路のような縦走路を、 起伏ある痩せ尾根を、 ずるずる滑る急な降りを、 どうにかやり過ごし、 石榑峠にたどり着いた。 街の灯りが、 雨の中、煌めいて見えた。 少しばかり下り、 急いで水場へ向かうと、 水量の少なさに、驚く。 雨の中、テント設営するのは、 初めてのことだった。 当たり前だが、いつもより、 時間がかかる。 テントに潜り込み、 最初に確認したのが、 シュラフを濡らしては、 いないかどうか。 前回の経験が、 生きていた。 シュラフの無事に、 ホッと、安堵した。 だが、心配事が頭を擡げる。 濡れたカッパや衣類、 さらにテントを、 明日、持ち歩かなくては、 ならない。 いったい、ザックが、 何キロになるのか。 心配事と疲労感を 抱えながら、 濡れていない、 シュラフに潜り込み、 泥のように眠りだす。 3日目、雨はどうやら、 夜の間に、離れたようだ。 朝日が届き、光が溢れだす。 流れる雲が、早い。 稜線上は、風が強いかも。 そう思いながら、 テントを撤収する。 やはり、昨夜の心配は、 儚くも、的中する。 やたらと、ザックが重い。 初日よりも、増している。 不安と覚悟を、抱きながら、 竜ヶ岳へと、登り出す。 確実に、一歩が重い。 昨日までと、まるで違う。 おまけに、風が強く吹きつける。 ただ、途中からみる景色は、 疲れを瞬時に、吹き飛ばす。 雨上がりの、晴れた日は、 遥か遠くまで、大気が透き通り、 何処までも、見える。 竜ヶ岳が、紅葉と緑が混じり合い、 青い空に、よく似合う。 これが見たくて、 歩いてきたと、 悟る瞬間だった。 歩き始めて、1時間半。 山頂にたどり着いた。 風とガスが、容赦なく、 吹き抜けていた。 ガスの切間から、 下界をみようと、 少しだけ、立ち止まるが、 ますます、風は意地悪く、 白い幕も、開きそうにない。 後ろ髪を引かれながら、 また、歩き始めた。 静ヶ岳は、縦走路から、 少し離れたところにある。 行かずに、後悔するよりも、 行って、後悔すれば良い。 前回、立ち寄らなかったことが、 足を進めてくれた。 静ヶ岳山頂は、 ガスで景色は見えなかった。 だが、途中で道を譲ってくださった、 4人のベテランパーティが、 程なく到着した。 すると、まさかのビールを、 コップ一杯、ご馳走してくださった。 ノンアルコールだが、 その味は、とても格別なものとなった。 何度も御礼を言い、 また、縦走路へ戻りだした。 分かってはいたが、 やはり、銚子岳へと 続く急登は、 手強い。 時間をかけて、 一歩ずつ、 登るほかない。 歩き始めて、 4時間過ぎ。 銚子岳山頂に たどり着いた。 最後の山、 藤原岳まで、 あと少しだ。 ザックの紐を、 締め直し、 治田峠へ向かう、 急坂を降りだした。 ここから多志田山までが、 やたらと長く感じる。 地味な登りと、 下りが続き、 気力と体力を、 消耗させる。 歩き始めて、6時間半。 多志田山にたどり着いた。 ザックをおろし、 どかりと座る。 熱いコーヒーを、 啜りながら、 最後の山を、 仰ぎ見る。 ここまで来れば、 あとは登る他はない。 気持ちを切り替え、 最後の急登に、 取り付いた。 思い違いをしていたのは、 磐座尾根が、大変だったのではなく、 最後の急登が、どちらも、 手強い、ということだ。 ゴツゴツとした、 岩に手をかけ、 立ち止まり、振り返って見た。 すると、ここまで歩いてきた 山々が、幾重にも、 連なり見えた。 秋空には、遮るものがなく、 遥か先の景色まで、 傾きはじめた陽の光に、 溢れ返っていた。 岩棚には、白く可憐な、 野菊が、咲きみだれていた。 歩き始めて、8時間。 遂に、藤原岳山頂にたどり着いた。 誰もいない山頂で、 ひとり静かに、達成を祝う。 ここまで歩けたのも、 沢山の方々の、 応援や声援があったればこそだ。 決してひとりでは、 なかったことだと、 深く刻み込んだ。 最後の山歩きが、残っている。 ヘッデンを装着し直し、 ゴール地点となる、 大貝戸登山口へ向かう。 薄暗くなる登山道、 高度を下げると、 途端に、汗が吹き出した。 最後まで気を抜かず、 後ろは振り向かず、 一歩ずつ、確実に下る。 歩き始めて、10時間。 ゴール地点に、辿り着いた。 ようやく、振り返ると、 暗闇の登山道が、 静かに、そこに口を開けて、 待っていた。 なんだか身震いし、 二度と、振り返ることなく、 灯りが点る、登山口休憩所へ 滑り込んだ。 おわり 長文にも関わらず、 誤字や脱字にもめげず、 相当な忍耐力を持ち、 最後まで、諦めず、 読んでくださり、 心から感謝申し上げます。 また、縦走中に関わってくださった、 方々には、心から御礼申し上げます。 ありがとうございました。 まだまだ、私の山歩きは続きますが、 この経験を活かした、 山歩きをしたい、 そう思っております。 どうかこれからも、 よろしくお願いします。 まこパパ、でした。