活動データ
タイム
10:44
距離
22.6km
のぼり
1784m
くだり
1789m
活動詳細
すべて見る紅葉のピーク時期に合わせて、桧塚奥峰と、その稜線が真向かいに見えるヒキウス平に行ってみよう!と山友さんと計画を立て、秋の台高の山々を楽しんできました。 出発地は、木屋谷川沿いの青田発電所あたり。そこに駐車して林道歩きをしばらく。 奥山谷明神谷登山口から山道に入り、山腹のトラバース、渡渉を繰り返し、沢沿いを登っていき、明神平へ。 その後、明神岳を経由して、ヒキウス平へ南下ピストンします。そこからの眺望を楽しみ、分岐へ戻り、桧塚奥峰、桧塚、そしてそこからは、東方面へ尾根を縦走。千秋峰、岩谷口山、ナメラ山、池杉山とピークを踏んで、北尾根へくだって、林道に合流。ぐるりと明神平を真ん中に、反時計回りの約20キロ超コース。 いつもながら感じるのは、今までの経験どれひとつ欠けても、この山行は実現しなかったのではないか、という思い。 無事の下山でほっとしたあとに来る、達成感と感動。 今回もその嬉しさが、めちゃくちゃありました!(*^^*) それはすべての経験や体力、培ってきた体幹すらが総動員され、高所びびり症ながらも、幾種の山を歩いてきたことから自分なりの地形ごとに判断する歩き方、峰々の景色とロングルートを楽しむゆとりが生まれるありがたさ。 太陽の出ている時間がある限り、ずっと歩けるような気がする錯覚的脚力(?)は、特別なアスリートでもないけれど、地道な山行経験がすべて層を成して、自分の土台として、見えない所にしっかりと出来てるんだなぁ…!と実感できた一日でした。 【青田発電所~万歳橋~奥山谷ルート】 am4:39、真っ暗な中、ヘッデンを装着して、林道をまずは約5キロ。夜空にはオリオン座が南西に見える満天の星。満月に近い月が煌煌と輝き、月明りで横の沢の流れが白く照らされ、月光浴気分で歩く林道。こんな時間に、山を歩くのは初めてで、ドキドキとワクワクのスタート。1時間20分で万歳橋のふもとへ。橋を渡らず、左後方に登山口。ようやく山道へ入山。 さっそく落ち葉の斜面にそって、山腹をトラバースする形で、穏やかに標高を上げていく。踏み跡は思ったより明瞭。問題は幅。狭いものは目視20センチくらいか。それすら谷よりの斜め角度(^^;)。 この日に間に合うように新調していた、グリップ抜群のスポルティバのトレラン靴の本領発揮!しっかりと一歩一歩、集中して足場を見定め、歩を進める。濡れている道がなかったこともあり、ザレ場が多かったが、最後まで一度も転倒、スリップは無く、愛靴はいい仕事をしてくれた(*^^*)。 最初の渡渉箇所は、設置ロープがあり渡りやすく、沢の水量も少な目。 奥山谷の名のごとく、深い谷から段々離れていくたび、崖ふちを歩いてる様な谷への勾配もすごく、これは脚を踏み外したら滑落…けがで済む?止まる?…と危険は容易に想像できた。だからリスクの自覚を忘れず、集中して歩く。 木の根っこ、岩の突起、そしてロープ、いろいろなものをつかんで、大地とつながりながら、危険個所は重心をぶらさずしてトラバースした。ほんと、ここは山歩きに慣れてる玄人向きなコースだと思った。基本、ずっと斜面の登山道。途切れることない集中力が求められる。 個人的に、この奥山谷、登りで通ってほんと良かったと思った。下りだったら、体重の加速がつねに加わり、道のコンディションによったら危険度はおそらく高まっただろう。 奥山谷出合の看板がでてきて、そこから少しいったところから降りる。この川べりまでの下りに滑らぬよう神経を使ったが、今回すべての渡渉は水量が少なくて、この短足な私でも跨ぐくらいで、難なくいけた。 そこからは、緑と水の織り成す美しい沢の景観の連続…!苔むす岩肌と、数々の小滝。そして見事な巨木たちがそびえる素敵なルート!目を楽しませてくれる豊かな自然美に溢れていた。 今回も、緑のビロードのごとく美しい苔をまとった巨木に魅せられ、抱き着くだけでなく、もっと触れたくて、ついに登ってしまった!いけるところまで。…といっても、1mすこしの木登りであったが、登ったところから見上げる豪快な太幹、枝ぶり。そして見下ろす沢の全容。こういう惹きつけられる樹木があるから、ここに来てよかったと強烈に興奮して、出逢えたことに感謝してしまう。自然との一体感。私にとって、木登りはその一つ(*^^*)♪ だんだんと幾筋も見えていた沢の流れの支流が、細くなり、涸れ沢になり、落ち葉の斜面にあがりきり、急登の山登りが始まる。終始、狭いトラバースは続く。深い谷だ、しかもこんなに美しい…! 撮影が私も山友さんも、ひっきりなしだ。そりゃ時間もかかるわけだ(^^;)。所要約3時間。 ようやく、遮るものがなくなり日差しが眩しく感じられたころ『水場』とかかれた札を見つけ、西側に開けた風景が迫ってるのを感じる。ついに明神平、山小屋かもしか荘の屋根がみえた! 無事に明神平へ。美しい赤茶に染まったシダと広がる緩斜面の広大な景色に、疲れがふっとぶ。あぁ、ここまで無事に登頂できた…!感激と安堵の休憩タイム。ここでようやく座る。 【明神平~ヒキウス平~桧塚】 パンなど軽食を食べて小休止。そして明神岳へ。今月初旬にのぼった薊岳がりりしく見える。そこからの尾根を目でおうと、存在感大の白鬚岳、それを間に置いて、大普賢岳の四峰がくっきりと!さらに、その奥に重なるように弥山まで見える!眺望最高…!感動~~!奥駈道がその左に、重なってるようにみえ、こういう長距離の日にガスも無く、ありがたやと天候に恵まれたことに感謝! 平地の判官平まで行き、その分岐あたりで、南下。先に、ヒキウス平を目指す。 穏やかな落ち葉の道。トラバースで使った研ぎ澄ました神経をゆるめることができる幸福感。自然に出せる足が楽で幸せ。間もなくしてヒキウス平と言われる、平地にちかい樹木のない斜面へ。等高線が臼の形にみえて、だから挽き臼?と思ったが、確かな由来はわからない。 そこからの桧塚奥峰、青い空に映えて、素晴らしかった!紅葉に差し掛かってる美しい色合い、こんもりとした樹木たちが精一杯の今の色彩美をはなち、ことし一年の有終の美を準備してるかのよう。 朽ち木もすべて被写体のオブジェになり、ここでも撮影が止まらなかった。 そこからは、後半につづく、千秋峰からナメラ山にかかる東稜線も、美しく、桧塚から尾根伝いに見えた。 桧塚奥峰山頂はたくさんの人がお昼休憩。そして桧塚に向かい、こんどは高見山からの縦走路の稜線に目を奪われる。国見、水無山をあるいたときに、桧塚奥峰が見えたことを思い出す。ここから今度は眺めれることの面白さ。 モミジは、近くで見ると、ナラ枯れなのか、水分蒸散量が吸収よりおおすぎなのか、やや乾燥していて、縮れてたり破れてたりが多く、間近でみると痛々しい。しかもすでに落葉してるものも多く、紅葉のベスト時期はくるのか、どうなのか…?今年の特色なのかもしれない。それでも全体のグラデーションは美しく、どの景色も絵になり、息をのむ最高の秋景色…! 来てよかった、山で過ごす時間は、ほんと心が解放され、気持ちがいい! 桧塚でおにぎりを食べる。これがなんとなくお昼ご飯(笑)。 【桧塚~千秋峰・岩屋口山・ナメラ山~池杉山】 桧塚から東方向へは圧倒的に人が行くことは少ないようで、テープの目印が最初こそあれ、間隔があき、頻度が減る。それでも、わかりやすい一本道。林業道にしっかりと使用されてるようだ。ワイヤーがときおり木からぶらさがっていた。尾根伝いに歩いていく。 岩屋口山は名のごとく、巨岩がこんなところに?という稜線にゴロゴロと岩があり、特色あるエリアだった。 ナメラ山、池杉山へも、穏やかでわかりやすい尾根歩き。危険個所はほぼなく、台高の景色がときおり開けて遠望でき、登ってきた桧塚が遠ざかり、歩いてきた山々の稜線が見えるたび、縦走の醍醐味を感じていた。 特にその景色が素晴らしかったのは、『マキビシ平』!切り株が朽ちて、独特の形の朽ち木が点在。その開けた斜面から見た、桧塚方面。そこは素晴らしかった!こんな地名は私ひとりが納得満足してるだけだが、尖がった朽ち木も多かったことから、『マキビシ平』と勝手に名付け、記憶に残すことにしている(笑)。 池杉山からは北へ方向をかえ、急な下り勾配の坂。しばらくすると、モノレール跡沿いの道になり、つづいて獣避けの柵跡らしい金網沿いに下っていく。葉っぱの藪漕ぎをすこししてから、林道に合流。 そこからは、最終章。深い山の緑をみながら、一日を振り返りながら林道を歩いて、ぐんぐん下っていく。 沢が青緑に透き通って見えてくるほど降りてきたら、もうそこはゴール! 帰りの車内からは、金剛山にかかる夕日がオレンジの暖かみのある色合いで美しく、星空から夕景までの長い長い一日の時間は終わってしまえば、あっという間。 自然の変化する光と命の美しさ、と同時に、動かぬ山々の美しさ。すべてを味わうことができた幸せに、酔いしれながら帰宅。 無事の下山と、心地いい疲れ。 この日に出会えたすべてのもの、そしてこの日をプロデュースしてくれた山友さんに、心から感謝でした。 <備忘録>消費飲料: 500mlのペットボトル、ウィダー飲料1個、500mlのプロテイン一本 ※視覚的情報として、写真は多い方がいいかな、と思い、時間とって申し訳ないですが、たくさん写真掲載しています<(_ _)>
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