奥三角山の謎解きミッション

2021.10.03(日) 日帰り

活動データ

タイム

00:35

距離

2.5km

のぼり

120m

くだり

256m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
35
休憩時間
0
距離
2.5 km
のぼり / くだり
120 / 256 m
4

活動詳細

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好評?連載中「三角山の謎解きミッション」のスピンオフ日記です。 舞台は三角山ではなく奥三角山。 ことし2月のこと。 盤渓の西高山に登った後、奥三角山に寄りました。 踏み跡をたどっていくと小さなツイン小屋を発見。古く朽ちています。 帰宅して調べると、その昔、奥三角山には小別沢(円山)鉱山というものがあり、金・銀を採掘していたらしい。昭和30年には金247gと銀20kgを掘っています。小屋はそれに関連したものなのでしょうか。でもその時、それ以上は興味を持ちませんでした。 それから数カ月たって本棚を整理していたとき、学生時代に読んだある小説に目が留まりました。 吉村昭「破獄」 何か引っかかります。 ページをめくって…そうだ、そういえばそうだった! 戦中・戦後の混乱期に4度にわたって刑務所を脱獄した男の話。「熊嵐」などで知られる吉村作品なので史実に基づいています。 4度目の脱獄は昭和23年4月1日、今も東苗穂にある札幌刑務所からでした。 脱獄した主人公は三角山に向かいます。 『かれは三角山の頂きから捜索隊の動きを丹念に観察し、こちらにむかってくる気配を感じて、翌日、三角山をはなれて大倉山シャンツェ附近にむかい、物かげにひそんで一カ月余をすごした。』(吉村昭/破獄) 30年前に読んだとき、「三角山のどこに潜んでいたのだろう」と気になりましたが、それきり忘れてしまいました。 それが本棚を整理していて、 破獄→そういえば三角山→隠れ場→奥三角山の小屋 と連想がつながったわけです。 「破獄」を再読してみてさらに興味深いことが。 主人公は網走刑務所を脱獄したあと、常呂の廃鉱に身を潜めます。坑内は暖かく、厳しい冬でもやり過ごせました。 そうした経験があるため、もしかすると小別沢鉱山に隠れていたのかもしれません。 さっぽろ文庫の「札幌事件簿」によると、主人公は大倉山の反対側に小屋を建てて隠れ、山中を転々としたそうです。大倉山の反対側、というのがよくわかりませんが奥三角山にも足を運んでいたことでしょう。 ちなみに主人公は三角山を去って余市岳や朝里岳に向かい、拠点とします。 とにかくそんな舞台だった奥三角山で鉱山の痕跡を探しに。 夏場は草で会い茂っているため、秋になってから行こうと決めていました。 頂上を踏み、小別沢方面に降ります。ほどなく南(左)に脇道へ。夏道は初めてです。 小屋はすぐに見つかりました。狭い小屋とちょっとだけ広い小屋。二つ合わせて「起きて半畳寝て一畳」という感じ。坑口は「これかな」みたいなものはありましたが確信は持てません。いつから掘り始めたか記録はなく、細々と営まれたようです。あちこち探索したかったのですが私有地がらみなのであまりウロウロできません。 人の気配がないこともありますが、別世界みたいな感じ。 小さな山ですが、人々のさまざまな営みがありました。

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