ン十年ぶりの御嶽山(剣ヶ峰)

2021.09.25(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
6 時間 26
休憩時間
1 時間 32
距離
8.0 km
のぼり / くだり
987 / 980 m
6
43
59
29
20
45
35
8

活動詳細

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御嶽山は、子どもの頃に初めて登った高山。 その時習った木曽節のメロディーや白装束の人たちの姿が記憶の底にあって、思い入れが深い。 だからそんな身近な山が噴火したと聞いた時は本当に驚いた。 いつかもう一度登ってみたい、と思っていた御嶽山。 ご一緒してくれる山友さんのおかげで、ようやくそのチャンスに恵まれた。 紅葉のきれいな時期を狙って出かけた。 7年前に噴火したときと、ほぼ同じ時期だ。 7:30の始発の御岳ロープウェイで2150mの飯森高原駅まで一気に上がる。 7合目の黒沢口登山口から登山開始。 このコースは最も古く、信仰登山のメインルートだったらしい。 序盤は、紅葉した山々を楽しみながらの樹林帯歩き。 途中途中に、たくさんの霊神碑や石像が立ち並んでいる。御嶽信仰の盛さがしのばれる。 8合目を過ぎると森林限界を超えて、荒々しい岩だらけの道になる。 だけどよく整備された道は、とても歩きやすい。 確かに子どもでも登れる山だ。 近所の公園にでも行くレベルの軽装の人もいる。 気持ちのいい秋風と青空。 簡単に登れるといっても、やっぱり百名山。3000m級の眺望はすばらしい。 見上げると山頂が見え始め、ワクワクした気持ちが高まる。 と同時に、噴火の日もこんな気持ちで登山を楽しんでいたのだろうと思うと、複雑な想いが胸に迫る。 剣ヶ峰山頂は多くの人で賑わっていた。 きれいに整備されて、噴火の痕跡はほとんど見られない。 新しいシェルターだけが、存在感を放っている。 剣ヶ峰から見渡せる八丁ダルミや王滝頂上山荘方面は、未だに立ち入り禁止。 だけど古くからの火山の風景に、7年前の惨事の想像はできない。 私が立ったあの場所でどんなことがあったのかが知りたくて、帰宅後に「検証 御嶽山噴火」という本を読んだ。 異常のシグナルを検知しながらも、危険は予知できなかったという歯がゆい事実。 火山専門家が「夏山シーズンも終わって登山者もいないから大丈夫だろう」と思っていたというのは驚いた。 だけど、たとえ予知してても、私もきっと正常性バイアスで無視してただろうなと思う。 あの多数の悲しい犠牲に学び、次の危機に生かすことがせめてもの弔いなのかなと思う。

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