活動データ
タイム
40:28
距離
51.6km
のぼり
4079m
くだり
4076m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る「黒部の山賊」を読んだ人ならば誰もがその舞台の山域へ行ってみたいと思うのではないでしょうか。自分もその一人、いつかいつか、、とずっと思っていました。そして2年前から「気になっていたツアー」がありました。 ツアーと聞いて「あぁ、、、」とテンションが下がった方、はーい、そんな人にこそ最後まで読んで欲しいと思います(とても長いけど😅🙏💦)。私自身、ツアーというものにちょっと抵抗があったと申しますか、、けど👍👍 今回は過去一、長いレポです。自分の記憶、今の気持ち、感謝を忘れない為にガッツリ書きました。読むのに電車で2〜3駅乗れると思いマス😅時間のある時、または適当にスルーで全然OK!初心者目線なので山の参考になるような書き方は出来ず、旅日記です🙏(また?) まずツアー登山について。 自分もずっと参加することはないな、と思ってました。ツアー=団体であり、スケジュールは組まれていて自分でコースを考えたり、途中で自分の好きに滞在時間を変更したり出来ない。自然の雄大さに触れたくて山に行くのに、どんな人が参加するかも分からない中で気を使い、数日間山の中で一緒に過ごすのはストレスになりそう。そして山で団体とのすれ違いの時に感じる「・・・」感。正直あちら側の人にはなりたくないなぁ、とかチョットありました😅そして何よりもこの長い行程に自分がちゃんとついていけるのか?? それでも今回「このツアー」に参加したのは、以下の理由から。 ・どう考えても今の自分の技量ではひとりで行けない(2年目の超初心者😩) ・経験値が低いのでどれだけ地図を睨んでルートを考えても具体的な計画を組み立てられない(妄想止まり😑) ・物事は順序立てて!と経験値が上がるのを待っていたら歳を取って歩けなくなる(今まで2000m超え泊は燕岳だけ😅ついでに告白ターイム!もうすぐアラカンの私🤫) ・一緒に行ける人が見つけられない。 ・もしいてもわからなすぎる山域、不安と緊張の比率が高く間違いなく心から楽しめない(心配性&怖がり😱) ・大所帯ツアー=10人以上とかはイヤ(名前覚えられないし〜😅) ・そして何よりこのツアーは、主催者の顔がわかっていたこと。 今回お世話になったのは、Nature Guide LIS 野中 径隆さんのツアーでした。2年前に自分が山歩きを始めてひとりで丹沢に行き、ボロボロになり「ちゃんと歩ける人になりたい。どーしたら、、」と何となく参加した歩き方講習会の先生が野中さんでした。数時間の講習でしたが、内容は元より実直な人柄が感じられ、参加者たちの山熱も垣間見れて色々驚きの時間でした。本当に失礼ながら何も知らずに「たまたま見つけて」参加したので、他の方がああ、やっぱり、とか、そうゆうことだったんですね!とか話すのを聞いて、野中さんのご職業が登山ガイドであることや、ヤマケイオンラインで連載を持つ歩き方のエキスパートであった、と後から知りました。皆さんは連載をちゃんと読んで参加&実践しに来たワケです。それに引き換え私ときたらバスで20分の山だし行ってみるか!というノリでした😅 そんなこんなで野中さんが紅葉の雲の平ツアーを設定していることは当時から気づいており、いつか行けるかな〜と願っていたのです。そしてお金を貯め、とうとう(早くも?)今年、そのツアーの申し込みをクリック。でも戻ってきたメールには120%ペースの山行になるけどついて来れるか、今までどんな山にどの程度のペースで歩いているか等「細かい問診」でした。甘くない。そして一番の関門、家族の承諾もなんとかクリアして、参加の運びとなりました。 Day0 前泊、前乗りです。 現地集合なので新穂高まで行き方を調べて一番安い高速バスと路線バスを利用。 ・バスタ新宿→平湯(予約必要web割5300円)パッと見た感じ乗客8人、かと。バスはコンセントあり広くて快適でした。 ・平湯→新穂高ロープーウェイ(普通の路線バス910円)乗客は10人ちょい。 12時半に新穂高ロープーウェイバス停に無事到着。 もうこの段階でおぉ〜✨でした😄景色、空気、違う。まだソロ観光客気分。いそいそとお世話になるホテル穂高に荷物を預け、ロープーウェイで下見といいますか、山を拝みに標高2156mの世界へ! 快晴で圧巻の景色が待っていました。オヤツ頬張りながらこれから登る山を見てワタシ、大丈夫かしら、、と徐々に観光客ではないことを思い出す。 登山前にたくさん食べられないし高いしでホテルのお夕飯をつけなかったので夜はお部屋で初!モンベルのサーモンチーズのアルファ米😅(美味しいのね✨)ちなみにホテルの売店ではカップ麺、パン等の販売あります(近くに食事処は無し)。ホテル穂高の良いところは、登山中、不要な荷物を無料で預かってくれること!これは大きい。温泉も最高です(下山後の風呂は×)。細かい話ですが部屋はやや古いけれど水まわりの設備が新品ピカピカ(大浴場も)。掃除も行き届いており快適です! Day1 6時、新穂高温泉バス停集合。 もう緊張しかありませんでした。どんな人がくるのか、自分はついていけるのか。基本、お昼は小屋で食べるので荷物をできる限り軽くしてくるように強く言われたけれど、これで本当に大丈夫か、とか。 集まった参加者は6名(うちLISツアーリピーター3名)。そして2年ぶりに会う野中さん。自己紹介で声が震えないよう必死で笑顔を作り、野中さんはニックネームがミチ(さん)、と知っていたので「今回からミチさんと呼ばせてもらいます!」と宣言もしました😃 まずアイスブレイクなのでしょう、ザックの重量チェック。最軽量の方は、驚きの20ℓザックに6.2k‼️え?はっ⁉️3泊4日だよねっ?!、、次々と測られる参加者のザック重量を聞くたびに冷や汗が。ウルトラライト系ザックとは言え(ザックだけで600gとかね)、それを差し引いても自分と中身が2k近く違う。最大重量の方は唯一の男性参加者でデカイ一眼📷とその装備で12k。ワタシ、その次で28ℓザックで9.2キロ。。。これでも減らしてきたんだよぉ、、早くも凹む。 初日のルートは小池新道で双六小屋まで。噂通りよく整備されて歩きやすい道ですが、標高1300m上げるので体力勝負。雨がパラつき、途中の鏡池からの逆さ槍も、カキ氷もあったもんじゃない。カッパの脱着、小休止などミチさんの指示のもと繰り返しているうちに時間通りに宿の双六小屋に到着。ほどなく土砂降り。ギリギリセーフでした。 7人ひと部屋。小屋泊自体が3回目の私はあの雰囲気にも緊張。そこへ「えー?全然緊張してるように見えなーい!ベテラン感ありますよぉ〜」と言われる始末。そんなことを言う唯一の20代参加者。コイツ、、、いい奴だなっ!ですよホント。だって素直じゃないですか笑!! その後も彼女は本当に元気を振りまいてくれました。若さゆえ気を遣いすぎて自分のペースを忘れ、本人がバッテリー切れしないか心配になる程。年齢や山歴に関係なく山が好き!の念だけで通じ合える関係、とても良いものですね。 また、ひとつ残念だったのは奈良から参加されていたリピーターのSさんがご本人の意思でこの夜に翌朝の下山を決められました。え、やっとこれからだって時に、、と思ったものの何と言葉をかけたらいいのかわからず。ハグさせてくれて温かい力、もらいました。山行中、Sさんちゃんと下山したかな、この景色、見せてあげたいね、とみんなが彼女を忘れることはなく過ごせていたように思います。そしてきっとまたいつか会える気がしています。(ワタシ、念が強いんで!!) Day2 朝3時起床。3:45出発。 もちろんタイムスケジュールは分かってたけど、やっぱりマジか?でした。焦りの朝。全然寝れなかったし、あの暗闇の中でヘッデンつけて黙々と支度する周りの参加者の身支度の素早さたるや。やばいやばい。必死で身支度。化粧はいいけど眉毛は描きたい。でも暗い。 この日の最初の目的地は双六岳でご来光。小屋の前でミチさんが「ヘッデン付けて歩いたことない人が前に来て」と隊列を指示。はい、と手を挙げたのは、あれ?ワタシだけ?ヒャーもう!!こんなんばっか! 歩き始めて途中、ミチさんからルート変更の提案。素直にはーい🙌。そして双六岳の山頂を目指さなかったことでガスの下をずっと歩く私たちにご褒美、最高のご来光が。みんなミチさんの判断力に感激、そのあたりから驚異の一体感が生まれる。凄い。2日目以降はお天気にも恵まれました。 三俣山荘前で朝ごはんを食べ、目の前の鷲羽岳へ。登りだから暑くなるかな、と朝から防寒のために着ていたレインパンツを脱ぐか迷う我々に「この様子だと山頂は風が強いからレイン着たままでいいかも〜」とミチさん。ここに限らずですが、途中途中のミチさんの言葉に各自レイヤリング変更したりしなかったり。この指示の出し方も常に絶妙で的を射てる。かと言って個人差がある温度管理、途中で暑いからやっぱり脱ぎたいと口に出すことも全然許されるとても良い雰囲気✨これって大事なことですよね。 9:30、百名山の鷲羽岳山頂に! 山頂は強風、寒かった!けど絶景ー! その後も小休止を取りつつ順調にランプの小屋、高天原山荘まで進みました。けれどとても長かった、、そんな中、言葉数は少ないものの軽快なステップだったのは私と同世代のMさん。のちに知って仰天させられたのですが、真面目そうな見た目と違い、トレラン36キロ出場!とかスキーサークルという名の体育会系の人だったこと。全然普通の人じゃ無いじゃん!!!一方的にオバ仲間に括っていた自分の浅はかさ。この時点で知ってたらもっとショックは大きかったことでしょう。最後にソレ系の人だったと告白してくれたのも思いやりかと存じます笑 ほぼ予定通り高天原山荘に到着。 高天原はご存知の方も多いと思いますが日本一遠い温泉として有名。しかも温泉へは小屋から更に登山靴で20分くらい歩きます。竜晶池へはその先、更に5分、いや10分。いい道ではありません。 この温泉で皆んなが息を吹き返したことは言うまでもありません。小屋に戻り夕暮れ前の優しい光とランプの灯の下、釜炊きご飯の香りもよく美味しくお夕飯を頂き、私は外で満天の星を楽しみました。久しぶりに見るクリアな天の川、何度も通り過ぎる人工衛星🛰に流れ星。言葉いらない、最高。 Day3 とうとう夢の黒部源流、雲の平を目指し4時前に出発。ぬちゃぬちゃの道、景色のない中ヘッデンに照らし出される前の人の足を頼りに黙々と。 樹林帯を抜け、分岐着。 薄暗い中、高天原山荘の朝ご飯弁当のおにぎりを食べてエネルギーチャージ。朝日に照らされる水晶岳、赤牛岳に心を奪われつつ前進です。 滑る木道、広がる秋の空と雲、そして紅葉。朝の神聖な空気の中広がる景色を目に焼き付ける。テンションマックス状態で雲の平へ。本当に来ちゃったよ、、来れちゃった、、各自の心中それぞれ。言葉にならない景色を写真を撮りつつ雲の平小屋前で休憩。 お手洗いを借りるため小屋にも上がりました。その時チラッと拝見した雲の平山荘はもうプチホテルでした。黒部の山賊の世界観と真逆で最先端の小屋、という感じ。グッズとかまぁホント色々驚きました。うちの近所(神奈川)の充麦のパンを取り扱ってたりとか。なんで?ここで?!でした。聞けばオーナー同士がご友人なんだそう。思えば小屋主さんはシーズンオフは三浦市(神奈川)に住んでいる、とどこかで読んだ記憶。ちなみに現在の小屋主さんは伊藤正一氏の次男さんです。 雲の平に別れを告げ、黒部源流へのゲキ下り、そして登っては下るの繰り返しでガスガスの三俣蓮華岳へ! 最後、双六岳へ向かう前に中道の分岐点で小休止中、明日の下山でも体力が必要だから疲れてる人は双六山頂に行かずにこのまま双六小屋へ向かっても、というミチさん。静かに座って休んでいたKNさんが目をまん丸くして、え?!の表情。いつもみんなの話にコロコロと笑う、小柄で穏やかなKNさんが「そんな訳にはいかない!」と闘志を見せたのを私は見逃しませんでした😄双六台地、絶対歩きたいって思っていたようです。これは帰りのバスでご一緒したので後から知ったことなんですが、東京都民の彼女はこのツアーの為にトレーニングとしてここに来る数日前に(!)塔ノ岳に2回(!!)それも中尾根から(!!!)登ってきたの〜って控えめにハニカム笑顔で。えぇ?!ソレって、ヘ◯◯イ❗️直前にそんなことしないでしょ!オカシイでしょっ‼️と愛情込めてツッコませてもらいました😄もの凄い山熱量の人でした。そんなKNさん、オシャレと実用性のあるステキな山グッズをたくさん使っていて、みんなからどこで売ってるの?と質問攻めにあってました😊センスある人が羨ましい。 結局、かなり疲労度はあったものの最後の双六岳も全員で👍ただ時間も時間なので、さりげなくミチさんてばペースアップ。モクモク本気モードの歩き。難しい道ではないものの、ついていけないよぉ、、のギリ。計算されてます。支えてくれているのは前後の仲間と気力だけでした。ガスに覆われた双六岳山頂でしたが、その先の双六台地の草紅葉がgood✨!!残念ながら双六台地と槍ヶ岳、という有名な構図を写真に収めることができなかったけれど、もうそんなことはどうでも良かった、本当に。ただただこの3日目のアップダウン激しい長い行程を皆が無事に楽しく、笑っちゃうくらい精神的疲労はゼロで歩き切ったことが嬉しかったです(肉体疲労はマックス)。ミチさん自身も連日13時間はなかなかないですねぇ、、と笑ってました。 ツアーとしてのこのメンバーでの正しいルートをとるのなら、双六山頂か、三俣山荘でコーヒータイムのどちらかを捨てる、が安全パイだったのかもだけど、三俣のコーヒーも飲みたい!双六台地も歩きたい!あ、ここで写真撮るから待って待って、、と全員の全ての希望を叶えた結果の13時間。ミチさん、お疲れ様でした。 Day4 最終日も絶好のお天気。 今回、初めて小屋で座って朝ごはん。落ち着く〜〜笑 初日と3泊目にお世話になった双六小屋に別れを告げ下山開始。カラフルなテン場を過ぎ、どんどん離れる鷲羽岳と双六岳に後ろ髪をひかれつつ冷たく新鮮な朝の空気の中を笑顔で下山。 ただ、本当に延々のくだり、4日目の私の足はもうガクガク。この石、浮きまーす!目視ー!枝バチ(造語)でーす!とか、掛け声が有り難く。気力だけでしたからね、最後は。土曜日なので登ってくる方もとても多かった。それでも雷鳥かあさん(ミチさん)の掛け声で、我々子ども雷鳥は一斉にフリーズして道を譲ったり(譲られたり)と一丸となって快調に下れたように思います。 最後の約4キロある林道では足元に気を配る必要がないので兵庫、広島の二人のお風呂時間確保とバスに間に合わせるため、かなりのスピードで行進のごとく。だいたい写真を撮り過ぎるからだの、鏡平でコーヒーフロートは外せない!と我儘言ってるからだと、各自が口々に声に出して各自で自分を反省し、笑い飛ばしてました。このつまらなくて長い林道でも20代KTさんが明るく楽しい空気感を作り出してくれて笑いが絶えることはなく。あ、そう言えばお母さん世代の私をネーサン!と呼んでくれたことがあったね、ありがとね😁👍✨ 林道入口のゲートが見え、Uさんカメラで記念撮影。満足感、充実感、疲労感、そして解散になってしまう寂しさに包まれつつも最後は笑顔でツアーは終了となりました。 ツアーとは。 ・一人ではできないことを体験させてくれるもの・喜びや苦労を共有し支え合える人がいること・技術的な学び、知識を得ることもできる場・行動中に地図や天気の確認など緊張の糸をピーンと張り続けなきゃならない面をミチさんが一手に引き受けてくれている、という安心感があったこと←おんぶに抱っこ、って意味とは違います、だって自己管理はして自分の足で歩かなきゃ進めないですからね。 私、ずーっと歩きながら「楽しいっ、来てよかった!幸せ!!」と笑ってました、初日から。それはとても有難いことでした。最初の不安はどこへやら、です。このくらいの規模のツアーという名の「知らない人と歩く」ことはとても良い時間だったのです。元々友達ではないメンバー、各自が自立していたことや、年齢もバラバラ(未だに知らないし)、どこの誰か分からないまま解散したこと、だからこその思いやりや尊重、忖度のない無理のない付き合いが出来たのが良かったです。山に向き合う背筋が伸びるような姿勢を見せてくれた個性的な皆さんには感謝しかありません。富士山、槍ヶ岳、奥穂高、北岳など錚々たる山に登って来ている方々が参加していたこのツアー。一番山歴の無いペーペーは間違いなく私でした。でもミチさんはじめ皆さんのおかげで気持ちがこんなにも前向きでいられ、安心感に包まれて山に身を投じ、しっかり自分に向き合い、自分の足を信じて歩けたこと。素晴らしい山の時間を一緒に過ごせて、本当に幸せでした。最後になりましたが、これほどの山にサラ〜っと連れて行ってくれたミチさん、本当にありがとうございました。 野中径隆(ミチタカ)さんのTwitter 素敵な写真、最新情報な見られます↓ https://mobile.twitter.com/natureguidelis Lisのホームページ↓ツアー詳細 https://natureguide-lis.com/ 著書はこちら↓ https://www.yamakei.co.jp/products/2820490490.html ツアーでご一緒した晴夏さんのレポはこちら↓目線が違うとまた違います✨ https://yamap.com/activities/13307174 長々とお読みくださった方、ありがとうございます。お疲れ様でした😄🙏
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